
シンプルではない・・複雑性も高いが、それ以上にミネラリティが素晴らしいマルサネ・ブランです。
まぁ・・シャルドネがほとんどですから、シャルドネでも良いっちゃ良いかな?・・と思いますが、
「シャルドネ90パーセントにアリゴテ、ピノ・グリ、ピノ・ブランをブレンドしている」
と言う、マルチセパージュのマルサネ・ブランです。正直ですね~・・ちゃんと調べたんでしょうね・・きっとそのような性格なんでしょうね。
因みに・・100%シャルドネとテクニカルに書いてあったとしても、本当に100%なのか・・もしくは、本当にシャルドネなのかは・・判りません。判るとしますとそれは、
「官能検査でしか発見できない?」
に等しいかと思うんですね。葡萄って・・すぐに変わって行ってしまうんですね。なので、細かく調べるにはDNA検査でもしないと判らず、しかしそんな面倒なことはしないのが普通です。結構にシャルドネだと言っていても、ほとんどグリだった・・なんてことも、四半世紀前頃は普通に在りました。みな、知っていても黙っていたんですね。最近はだいぶ植え替えが進んだり、もしくは、
「実はグリでした!」
なんて言ってしまったりしているようです。
2021年のマルサネ・ブランですが、色調を見ていただきますと一目瞭然。noisy 的にも好きな「薄い緑が透けて見える」ような活き活きとしたものです。

2020年ものは黄色が強く、こってりとしているように見えます。
今、2020年もののコラムを読み返してみると、
「こってり」
としていると・・記載していまして、ムルソー的だとも言っています。
2021年ものは全然!・・ムルソーしていません・・が、ミネラリティはムルソーの北~中央部の感じに似ているかな・・とは思います。
その上で、非常に健全でピュア、ほんのりとナチュールなニュアンスが漂い、酸バランスが大きいパレットでバランスしています。ゴク味が有り、中域は一見タイトなように感じるとしても、しっかり膨らんでくれます。そして余韻が滅茶長い!・・
縦延びか?と思えても、しっかり横にも膨らみ、しかもだらしなさが無い・・タイトなニュアンスが引き締めているかのように感じます。
これ・・相当美味しいんじゃないかと思いますよ。下手なムルソーよりも美味しいです。ぜひ飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【このビジュアルからも、過去最高の出来が想像できると思います!・・べらぼうに旨いです!】
めっちゃ旨いです!・・まるで良く熟した最高の出来の北部ムルソー!・・と言いたいほどです。
まぁ、「シャルドネは光で熟す」などと言われた訳ですが、例えば・・
「ブルゴーニュの2020年もののピノ・ノワールとシャルドネはどう違うか?」
を見てみますと、ピノ・ノワールは大方は非常に濃密でアルコール分も出ました。でもトラペは・・ビオが良い結果をもたらしたのか、濃密過ぎず、アルコール分も高くならずでした。
シャルドネはどうでしょう?・・2020年もののブルゴーニュ・シャルドネは、ニュイもボーヌも・・最高じゃないでしょうか。マッタリしつつ、暑さでやられた感じも無く(極一部有ったかもしれませんが・・)、濃厚さは有れどそれがマイナスの印象を全く生まず・・です。
トラペ・ブルゴーニュは、白は2アイテムのみの到着でして、そもそもアイテム数が有りません。しかしながら、例えば Noisy wine でもお馴染みのユベール・ラミーも100点を連続し、バシュレ・モノも過去最高の98ポイントを連続しています。
この事からも、光をたっぷり浴びることが出来、しかも少雨に耐えられる土壌を持ったビオの畑からは、
「光を充分に取り込んで偉大なシャルドネになった!」
ことが伺えます。

この2020年ものと、下の方の2019年ものののグラスの写真をご覧ください。余りの歴然の差に・・驚かれると思います。ややホワイトバランスが異なりますが、それでも・・
「これほどの黄色のしっかりさ、艶、照りの差」
は出て来ないと思うんですね。
マッタリ感覚はまるでムルソーに近く、粘土石灰の強いムルソー北部・・ムルソー=サントノ辺りのニュアンスにさえ・・感じられます。これだと1級になってしまいますが・・
また、果実感は柑橘がしっかり感じられますが、酸もしっかり美しい丸いパレットを描きますから、余韻もマッタリしていますが熟れ過ぎ感も無しでまったくダレた感じがしないんですね。ですから、高級シャルドネを飲んだ後の素晴らしい余韻に浸っていられる・・そんな感じがします。
この下の方にずずっと下がって行きますと、2011年もののこのワインの写真も有りますが・・
「この2020年ものマルサネ・ブランとは全く似せても似つかない・・」
ですし、最高に美味しかった2019年ものと比較してもこれですから・・。
ですので、トラペの2020年ものは赤も白も大成功!・・最高の出来だと判断しています。是非とも飲んでみてください。超お勧めします!最高に旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【トラペのワインが持つ優しく柔らかな薄緑の果肉を質感高い透明感高いミネラリティが包み込んだ素晴らしいマルサネ・ブランです!】
とても美味いです!非常に高質!・・ダラっとしてしまう仕上がりを感じさせるワインが多いコート・ド・ニュイのシャルドネでは有りますが、そもそもトラペのワインには甘さが無い・・。非常にドライです。
そしてビオ化の進んだ畑からの葡萄は、そんなフカフカの畑のニュアンスをたっぷり伝えてくれる訳です。
(だいぶ)以前のトラペのワインは、そんな柔らかで優しい味わいを伝えてくれていましたが、
「そこで止まっていた」
もしくは、
「少しずつ成長していた」
と思われる訳ですね。
で、2015年頃からのトラペのワインの味わいに大きな変化を・・飲む者たちが感じ始めた・・と言う訳です。
なので、2018年ものが素晴らしい出来で有ったとしても、2019年ものにはもしかしたら・・敵わない場合がほとんどだと仮定するなら、2018年ものに90ポイント付けたティム・アトキン氏を考え併せても、それ以上の評価をして良いんじゃないかと思っています。
実際、余りビオ系のニュイの白で高い評価をされているワインは、未だに存在しません。ようやくニュイの赤で「普通に」高い評価が出るようになっただけ・・ですね。

ましてや「マルサネ」と言う村名のアペラシオンですと、高い評価が出ないんです。何せ、
「1級、グラン・クリュが無いから」
なんですね。
その点では、ティム・アトキン氏は余りアペラシオンにはこだわった評価をしない方かと・・若干ムラっ気は有るとしても、思い切った評価をされています。なので、
「2019年もののティム・アトキン氏の評価」
を見たいんですが、今のところ見当たりません。
noisy的には92ポイントです。トラペにしては硬質感が高く、柑橘果実がしっかり表現されています。勿論ミネラリティもしっかり・・この緑っぽい色合いにグググっと気持ちを引き寄せられます。
グラスを伝う太い涙(2枚目)を見れば、かなりのグラが感じられるはず・・とお判りでしょう。数少ないトラペのシャルドネです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【おそらくボーヌの造り手も腰を抜かすほどの出来栄えです!】
凄いベクトル変換をしたマルサネ・ブラン2018年です。2017年も滅茶美味しかったんですが、ご紹介したかどうか忘れてしまいました・・。
たしかに2017年ものにもその「ベクトル変換の気」は有ったんですが、2018年ものはそれが100%完了したような雰囲気でして・・言葉は悪いですが、
「。。これって本当に・・トラペ?」
と何度も思ってしまうようなテイスティングの時間を過ごして来ました。
ですので、このマルサネ・ブランですが、
「圧巻な美味しさ!」
を持っていましたよ。
複雑性、細やかさ、精緻さ、ミネラリティの総量・・どれをとっても超一流です。何せツヤッツヤのテクスチュアから少しマッタリな柑橘、果実が冷涼に伝わって来ますし、ただそれだけでは終わらずに、そのピュアさとリアリティを余韻にまで感じさせてくれる訳です。
先日まで有ったドミニク・ラフォンの2017年A.C.ブルを、もう少しファットにし、しかしドライに、ビターさを加え、ちょっとピュリニーの方にまで張り出してしまったムルソーの畑・・のようなニュアンスさえ、感じさせてくれます。
グラスの写真の凄いでしょう?・・この黄色の出方、色の強さ・・それでいて、滅茶ナチュラル・・いや、ビオビオしくなど全く無いのに飲み心地は柔らかなんですね。
すみません・・これは飲んでしまいますよ・・激旨いです!・・ですが、数が無い・・飲めた方は幸せだと思います。思い起こせば・・そう、トラペ・ダルザスの白もミネラリティが凄かったですが、きっと何かを掴んだんじゃないかと感じています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2017年のトラペはシャルドネもクリスタルコーティング!滑らかなテクスチュアの中に凝縮した果実・・解けてくるとトラペらしい優しい味わいです!】
2017年のトラペは、赤ワインのコラムでも書きました通り、2016年までとは結構に異なるイメージに受け取れると思います。
もっともトラペのシャルドネは(・・こちらは他の品種も少量入っていますが・・)、温かみがほんのり有って、ミネラリティもしっかり・・いつ飲んでも美味しいと言えるような、プティ・グラマラスな味わいがちょうど感じだったので、赤ほどの「激変感」は無いかもしれません。
それにしてもこのミネラリティの増え方は凄いです・・今、トラペ・アルザスも飲んでいますが、やはり似た感じで一貫しています。
ピュアなんですが、ナチュラル感が素晴らしいです。ナチュラル感はジェラール・シュレール風ですが、シュレールのように「危険な感じ」は全く無いんですね。シュレールは時折「揮発酸」を感じますが、トラペに関しては全く無いんです。
熟し始めのムルソーのような「まったり感、」「オイリーさ」が有り、少し熟れた柑橘系の果実が実に心地良いです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【より滑らかに、よりゴージャスに感じる2015年マルサネ・ブランです!】
ジャン=ルイ・トラペの昔を知る者にとって、1990年以降の本家とロシニョール・トラペの分裂や、その後のビオディナミ転向で、しばらくの間低調な期間が有ったことを良く知っています。大看板で有るシャンベルタンでさえ、そこそこに美味しいものの、畑本来のポテンシャルを発揮しているのか、疑問に思われることが多かったと言えます。
ましてや下のクラスはやや平板で、まろやかだけれどエッジの尖った、もしくはニュートラルなパレットを描けないものが多かったです。なので、シャンベルタンは1.5万円以下、1級は6~8千円なら・・みたいな感覚を持っていました。
今ではもう・・考えられませんね。トラペのワインはいつも優しく、じんわりと包んでくれます。不足を感じること無く、有り余るエネルギッシュさを見せつけることもしません。エキシーで旨味がちゃんと有り、感覚器官を適度に揺らしつつ、穏やかながら凛とした余韻でフィニッシュを迎えさせてくれます。
これ、ピノ・ノワールもシャルドネも、全く同じなんですよね。飲めば、
「あ、トラペでしょ?」
と判るようになるんじゃないかと思いますよ。質感高く、余韻美しく、やはり身体への入射角が優しい・・これはすべてのトラペのワインに言えることです。
昨年ご紹介させていただいた2014年ものよりも若干濃い色合いをしていますよね?・・2014年ものは冷ややかでした。2015年ものは、冷ややかさの中にもエナジーの満ちた味わいで、よりグラが有り、粘性が高いです。そして、今飲んでもとても美味しい!・・
おそらく、このワインはいつ飲んでも美味しいんじゃないかと思います。そんな意味では過去最高の仕上がりと言えるかと思います。
この3~4年の間に急成長した・・そしてあっという間にトップクラスになったと言えるトラペですが、シャルドネもとても美味しいです。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は2014年以前のレヴューです。
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【2011年も旨かったですが2014年も素晴らしい!トラペの白はACブルもマルサネもポテンシャルが非常に高いです。】
2011年もののやや熟し気味のマルサネ・ブランを昨年ご紹介させていただき、かなりの評判をいただきました。皆さんもそろそろ飲まれたでしょうか・・是非ご感想をお聞かせいただきたいところです。
一枚、皮が剥けたような、あっけらかんとした熟成フレーヴァーを感じさせてくれた2011年でしたが、今回の2014年ものは、素晴らしかった2011年の再来・・と言うか、それ以上のポテンシャルを感じさせてくれます。
カメラが変わってしまいましたので、2011年と2014年の色の比較は難しいですが、黄色が強いと言うよりは、結構な感じで緑が混ざった美しい色合いをしています。珪藻土チックなやや厚みのあるボディはわずかにオイリーで、バリックのわずかにトースティで甘い香りがわずかにアクセントとしてノーズを抜けていきます。オイリーさの中から黄色や白のやや熟れたフルーツとスパイス、緑の蔓・茎のような・・・しかしネガティヴなものではありませんで、天に向かって伸びて行く、まだ成長しているような生き生きとしたノーズも含まれます。また、柑橘のフレーヴァーも混じり、ややマッタリとボリューミーに粘りつつ、またスパイスを感じさせて消えて行きます。かなり長いです。
バランスも非常に良いです。コート・ド・ニュイの白は今まで、ヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュ、シャンボール=ミュジニーの僅かなものを除けば、ほぼモレ=サン=ドニに有るのみでした。マルサネの白は、シルヴァン・パタイユがマルサネでもの凄いものを造っていますし(幻のアリゴテ・・度肝を抜かれるワインですよ)、このトラペのマルサネも、今までの概念を覆す仕上がりと言って良いでしょう。
非常に美味しいです。ティム・アトキンさんのポイントを探しましたが、マルサネ・ブランは見当たりませんでした。2014年のACブルゴーニュ・ブランが91ポイントですから、間違いなく、それ以上を付けるはずですが・・。
まぁ、比較的信用がある方かな・・と自画自賛?している noisy の高評価ですので、是非ご信用いただき、飲んでみていただきたいと思います。今飲んでも非常に素晴らしいです。超お勧めです!
以下は非常に高いご支持をいただいた2011年マルサネ・ブランのレヴューです。
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【これはべらぼうに旨い・・必飲です!ただいま絶好調の完全エキス化した状態!・・このバランスでのご紹介はまず出来ないのが普通です!】
noisy のところではどうもイマイチな動きのドメーヌ・トラペですので、これだけ旨いものをちゃんとご紹介し切れるかどうか・・少し不安に思っています。
ちなみにトラペはビオですが、適量に、適切なタイミングでSo2を使用していますから、一般に言うようなビオっぽさは全く見当たりませんのでご安心を。ピュアでナチュラルですが、
「何もしないことをビオと言う」
ことと、
「キュヴェに色々対応し、考慮し、手段を尽くして、結果何も余計なことはしなかった」
と言うことは、全く違うのだと、テイスター、ワイン屋、全てのワインファンが認識すべきだと思っています。どうもその辺がね・・プロとしても認識を間違っていると思うんですよね。
で、この・・単なる「マルサネ・ブラン」なんですが、現在、素晴らしい状態です。全く以って・・
「完全なるエキス!」
と言って良い・・非常に香り、味わいも口内で拡がるタイミングになった・・2011年ものなんですね。
一般的にリリース直後は、如何に素晴らしいワインであっても、エキス的に充実していたとしても、まだ完全にはエキス化していない・・と言えます。やはり時間は何にも変えがたいものでして、ボトルの中での熟成により、さらに磨かれて行く訳です。3年ほど瓶熟されたこのマルサネ・ブランは、二次発酵を経た高級ワインですから、全てが調和し、エキス化し、この状態になったと言えます。
通常、我々ワイン屋は、どうしても先を見てしまうクセが有り、
「そこが見えるから美味しい!」
と感じているのに、その先の美味しさを今の美味しさと摩り替えてしまっている可能性が有ります。勿論ですが・・そうなるように鍛錬したので・・まぁ、自分の性では有りますが・・。
で、その先の状態が今、この状態とイコールなんですね・・。言葉は難しいですが。
完全にエキス化していますので、非常に香ります。そして拡がります。余韻も素晴らしく長いです。口内では全く尖ったところが無く、また立体的でほぼ球体に感じられます。つまり、
「一枚、皮の剥けた状態!」
に有るんですよ。なので、この状態を是非知ってほしい・・ここからまた成長をして行くんですが、このトロトロと滑らかな味わいを知ることによって、
「この位のポテンシャルのワインだと約3年でこの状態になる」
ことが理解できるんですね。中々無い機会だと思います。この状態で持ってきてくれたフィネスさんに感謝!・・そして、ドメーヌ・トラペは素晴らしいワインを造っている!・・と理解してくださるとさらに嬉しいです!・・是非飲んでみてください!一推しです!旨い!