
昨今は余り読まなくなったアドヴォケイトでも、記事を探して読んでみると、この2年ほどのヴァンサン・ドーヴィサのワインがあの「ラヴノー」を超える評価でベスト・シャルドネ・トップ10やベスト・オブ・2016に選出されていたりして少しビックリしていますが、反面、日本での人気には価格の高騰も有ってか、少し落ち着いてきていることを、どのように読んだら良いのか、非常に難しく感じています。
因みにこの2016年ものは、アドヴォケイトでは、レ・クロが 96-98 points、1級ラ・フォレが 93-95 points、村名シャブリでも 90-92 Points と、大はしゃぎしちゃってるんですね・・。
noisy にしてもこの10年以上に渡って、ヴァンサン・ドーヴィサの上級クラスは口にできるような状況にないので、
「ピュア感とち密さでラヴノー、本物のシャブリらしさでドーヴィサ・・ポテンシャルは同等」
などとは思っていても、中々確かめるのは難しい状況です。ワイン会などではラヴノーは飲めてもドーヴィサは意外に出てこないですよね。
まさか、高くなったとは言え、2015年ものが「売れずに残る」などとは夢にも思わなかったので、定点観測していた村名シャブリも2015年は飲まないでいたんですが・・と言うより、まさかの追加入荷が有ったのをすっかり忘却していたものでして、
「・・・残る位なら noisy が飲む!」
とばかりに2016年ものは、激少ない村名シャブリを開けてしまいました。
勿論ですが、色々と心配な2016年ものの品質をチェックする意味も有りましたんで・・。
で、2年ぶりに・・アドヴォケイトが高い点を付け始めたのと同時位に飲まなくなってしまったんですが・・飲んでみると、ま~滅茶旨いじゃ無いですか!
比較的濃い色調はエロティシズム漏れ漏れ、官能感バッチリのアロマにふっくらとしたボディ。少し熟れたリンゴには煙や蜜、シャリシャリとしつつやや濡れたキンメリ感が漂います。ブリッとしたほんのりタイトさも残しつつ、グラマラスさも感じさせる絶妙な中盤から、柑橘感を穏やかに感じさせつつ、僅かなビターさが混じった見事な余韻を見せます。
見事ですね~・・。村名ワインだとするならば、このプライスは全然高く無いですよ。村名ピュリニー=モンラッシェや村名ジュヴレ=シャンベルタンは幾らくらいしますか?・・・そうでしょう?・・そうなんですよ、今までのシャブリ=3千円というような一般的な理解が、もう古いんだと言うことに気付かないといけないと思うんですね。それに、シャブリのトップ生産者の一人でもある訳ですから・・。良い年の20年もののレ・クロやレ・プリューズなど、一体幾らで入手できるか・・調べてみると、きっと納得いただけると思います。
古き良きシャブリのシャルドネ・クローンに、長く培われてきたトップの技術と最先端の技術、そして自然派の考え方や技術が融合、このシャブリのトップ生産者もどんどん変化して来ているように感じます。
エージェントさんから新しい情報などは入って来ていませんが、この自然派的なテクスチュアの柔らかさから・・きっと多くの情報を得られるでしょう。noisy もちょっと、「ゾクッ」としてしまうほどの官能感でした。お勧めします!きっと・・喜んでいただけるでしょう!
以下は以前のレヴューです。
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【正規エージェント分!!・・ですが2015年は数量激減・・割り当ても激減です!】 え~・・テイスティングもままならない数量です。ここ数年は飲んでご案内出来ていましたが・・それでも価格上昇からか、人気に陰りが出て来たように思います。
しかしながら、若い時は判り辛いドーヴィサのシャブリでは有りますが、
「シャブリでさえ・・」
ポテンシャルはかなり素晴らしいんです。けっこう気付かない方は多いと思いますよ。直近の味わいは拾えても、中々ポテンシャルを拾えるようには成れないですから・・。いや、勿論お客様は自分の好みと自分の判断で構わないんですよ。ただし、それが絶対的な正解なんだ・・とは思わないのが正解です。
とても飲めないので、アチコチ探ってみました。アラン・メドーのバーガウンドは88~91Points とかなりの高評価でした。他には余り当てにはしていませんがガローニさんもほぼ同様に89~91Pointsでした。
出来たら5年後に飲んで欲しい・・ですが、今飲んでもおそらく美味しいと思います。ご検討くださいませ。
以下は2014年以前のコメントです。でもまだ新着に出ていますよね。
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シャブリらしいシャブリと言えば、ヴァンサン・ドーヴィサを置いては右に出るものはいないでしょう。本当に素晴らしいシャブリです。・・・飲めばその意味が判りますよ。
村名のシャブリで・・・充分っちゃ充分です。比較早めに飲めるようになりますので、手が出しやすいでしょう。今飲むなら、ゆっくり、じっくりと時間を掛けて味わってみてください。シャブリの真髄の一端に出会えます。
2014年はさすがに素晴らしい仕上がりのように見受けられました。2013年もののように、抜栓直後からソフトさとピュアさを現してくれるような優しい仕上がりでは無く、幾分閉じこもりながらも、時間の経過で僅かながら解れてくる、漏れてくる・・と言うような感じです。ポテンシャルの高いヴィンテージです。
ラ・フォレは通常少なくとも約3年ほどかかります。村名シャブリには無い表情の豊かさ、奥行きの深さが有ります。しかしながら、これもリリースから1~2年はかなり無口なはずです。頑固さは次にご紹介のレ・クロに続きます。
グラン・クリュ・レ・クロは少なくとも5年~10年は寝かせてください。今抜栓しても無駄です。ほぼ何も出てこないでしょう。グラン・クリュのシャブリは10年寝かせてようやく開き始めるのが通常です。時折シャブリ・グラン・クリュが不当に低い評価をされている場合が有りますが、99%は間違いです。ミネラリティが超豊富な上に若すぎてポテンシャルを採り切れないんですよ。前後左右正体不明の硬さが有ります。その訳は勿論ミネラルの豊富さです。シャブリの良い区画のワインは、表情の元になる要素がミネラルとの結合している場合がほとんどです。なので、その結合が緩み、もしくは切れるまでの時間を経ないものを若くして飲んでしまって、
「シンプル・シャブリより不味いじゃん!」
と文句を垂れる訳ですね。
ですので、最低でも5年間はシャブリ・グラン・クリュの栓を抜いてはいけません。もし抜いてしまって何も出てこなくても、その責任は抜いた方に有ります。そういうものだと覚えてくださいね。年間に何度か、
「ヴァンサン・ドーヴィサのレ・クロを飲んだら滅茶苦茶素晴らしくて、探しているんですけれどお持ちじゃないでしょうか?」
と聞かれます。
そう言う方は、しっかりと熟成させたレ・クロを飲まれた方です。言葉が無いほど激変します。是非とも飲まないで・・・熟成させてください。決して高くは有りません。ご興味の有る方へ。
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【!!】 一般的な認識と思われるリアルワインガイド的な評点を考えれば、村名90点、プルミエ91~92位が上限になるかと思われます。特別にビオ的な、とてもニュートラルな味わいを持っているシャルドネでは有りません。
しかし、これほどまでに真のシャブリ的なシャブリは、シャブリ地区ではほぼ壊滅状態・・・と言える状況をほとんどの方が知ってはいません。
また、もう好い加減にして・・・とお客様が言いたくなるほど、
「シャルドネのポテンシャルを計りきれない方が多い」
と常日頃お伝えしていますから、まあ、その性かどうかは判断付かないにせよ、
「いや・・・シャルドネの本当の素晴らしさ、ポテンシャルにようやっと気が付きましたよ・・」
とおっしゃられるお客様が少しずつ増えてきました。
そうなんですね。早く飲んで美味しい・・・のなら、誰でも気が付くことです。でも、それは、とても良く出来ているシャルドネにとっては、自身の可能性の5~20%ほどしか見て貰っていないんです。
一番判りやすいのは、シャブリ・・・と言うアペラシオンを見るのであれば、単にシャルドネという範疇の中での見方も必要ですが、シャブリのワインの範疇での比較をするべきでしょう。
よく出来たシャルドネには、簡単には見通せないポテンシャルが有りますし、適切な苗木と、畑固有の酵母が醸したシャブリには、圧倒的な深みと他の地区には無い表現を持っています。その代表格と言えるのがこのヴァンサン・ドーヴィサなんです。
そりゃあ、アリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールのワインは素晴らしいですよ。孤高の美しさを持つ大好きなワインです。でも、残念ながらド・ムールのワインはシャブリの代表格には成れないんです。
いずれにせよ、凄いワインだ・・という認識をしていただけましたら、ちょっと見る目が変ると思います。是非ご検討ください。