
久しぶりに飲みたくて、さほどの数の購入が叶った訳でも無いのに・・開けてしまいました。いや~・・非常に・・良い感じです。濃度はしっかり有るものの、飲んでいて疲れるようなパワフル過ぎない適度な感じなんですね~。
色合いはやや暗めのルビー・・と言ったところ。甘く無く果実がテンコ盛り・・と言う感じにはなっていませんで、エキスな味わいからの拡がりの中にダークベリーやチェリーの実の詰まった、やや官能的な味わいが非常に良いです。
ルチアーノ・サンドローネさんのように果実味ギッシリ、タンニンはソフト・・と言うよりも、もっとナチュラルに造った感じで、不自然さの無い味わいが信条なんでしょうね。
このシンプルなバローロにワインアドヴォケイトもワインスペクテイターも94ポイントも・・付けています。
「・・おいおい・・一番ベーシックなバローロに94ポイントって・・」
と思ってしまいますが、昨今、クレリコはセッラルンガからも「アエロプラン・セルヴァイ」と言うクリュのバローロをリリースしておりまして、非常に高価なんですが、2010年ものにアドヴォケイトは97Points と言う驚異的な評価をしています。
クレリコには他にも、「パヤナ」や「チャボット・メンティン(・ジネストラ)」、そしてもう化け物としか言いようのない「ペルクリスティーナ」と言う超有名なクリュが存在しています。
ペルクリスティーナと言えば思い出すのが、まだリアルワインガイドでイタリアのテイスティングをやっていた頃、たしか1998年のペルクリスティーナをテイスティングしたんですが・・勿論、ブラインドですよ・・余りのポテンシャルの高さに我々も完全にポテンシャルを取り切れなかったんですね・・。
まぁ、グラスがいかんせん、貧弱ですから、30分後にもう一度再テイスティングするのが常だとしても、そんなんじゃ何も変わらない訳です。変化無し・・何も出て来ない・・から評価がまともに出来ない・・と言うことなんです。
ところが持ち帰って2~3日もすると、とんでもない芳香とふくよかで濃密な味わいにビックリすることになりまして、唖然とさせられたんですね。
で、甘さの有る果実味系か?・・と思われるかもしれませんが、いや、エキス系なんですよ。残糖分は非常に少ないです。
このバローロも、評価が高いのも安易にうかがえ、ポテンシャルの高さを隠そうとはしない外向性と品の良さを持っていました。果実も暑苦しく無く、タンニンも苦く無く、適度な凝縮感からの、むしろ古典的さの有るネッビオーロらしい振舞いさえも感じました。バリック派ですから、酸化を適度に促進した柔らかなニュアンスもそれなりに有るんですが、古典派にも通じるエキスの表情も実に良いです。
とても美味しいと思います。是非チャボ・メンティンと共にご検討くださいませ。