フィネスさんのご協力をいただきまして、スペシャルセットなるものをつくってみました。ご興味がございましたらご検討くださいませ。希少なデ・トゥールのヴォークリューズ・グルナッシュ・ブランとシャサーニュ・ルージュ1級赤/ ドラグランジュの計2本セットです。
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【今回の入荷は「グルナッシュ・ブラン」!・・ボディの太さ、オイリーさと官能感に熟した果実のゆったりさとフラワリーさが加わり、大物感が凄いです。】

流石ですね~・・やはりデ・トゥール、大物感が半端無いです。舌に纏わる感覚はほぼほぼエルミタージュ・ブラン級・・です。
ボディの厚み・・凄いですね~。ブルゴーニュ・ブランの繊細さを積み重ねたような美味しさとは、また別の感覚です。ゆったりとしていて悠然・・偉大な自然そのものを感じさせてくれるかのようでも有ります。
この色合い!・・凄いでしょう?・・深いゴールドです。グラが有り、ねっとりとしています。アルコール分もそれなりに出ています。
また今回は「グルナッシュ・ブラン」オンリーのようですので、以前ご紹介させていただいたブレンドものとは異なります。前回の2016年ものが「グルナッシュ・ブラン」のクレジットが入っていました・・が、色がまた・・違うんですよね・・(2016年ものの写真全体が比較するとやや赤く仕上がっているとは言え・・)。
今飲んでも行けますが、2~3年置くとまた大きく変化して行くでしょう。大方のローヌの白ワインは、酸の弱さから短期熟成型ですが、こちらは「強くはない」ものの、豊かな酸バランスをしていますので、そこそこに長く置けると思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【柔らかくも酸を失わない、コアのしっかりした見事なローヌの白!】
まるでローヌの白ワインのお手本のような出来です。
南仏の葡萄は気候的に温暖で葡萄が良く熟すので、
酸度-->低くなる
糖度-->高くなる
のが普通です。
そうしますと、糖度が上がった分だけ甘くなりますから、完全発酵を目指すとアルコール分の豊かなボリューミーな味わいになります。
しかしそうなってしまいますと、ワインとしては長く持つには違いないにせよ、エレガンスの表現は難しくなります。
また、豊かな糖度を得る代わりに失った酸は元に戻せませんから、複雑な味わいを得るにはミネラリティの豊かさに頼ることになります。
そんな、「あっちを立てればこっちが引っ込む」的、
「どうすりゃいいのよ?」
を、何とかしたのがエマニュエル・レイノーなんですね。
彼もジャックから引き継いだ後には、白だけではなく、赤ワインも、結構に皮肉られたものです。
「偉大な生産者の跡継ぎは大変だ」
と。
しかし数年で偉大なシャトー・ラヤスに戻した彼は、さらに進化を続けていることが判ります。ワインが物凄くナチュラルなんですね。
ナチュラルなのにアヴァンギャルドでは無い・・滅茶官能的なのに危険な側面を持たない・・それがラヤスなのでしょう。
I.G.P.クラスの白ワインでは有りますが、上級クラスに引けを取らない豊かさと複雑性、そしてローヌならではのエレガンスを表現出来ていると思います。
間違って開けたかも・・などと思ってしまうような「大きさ」も兼ね備えていますから・・
「・・あれ・・?エルミタージュ?」
みたいな、巨大な構造も見せてくれます。
勿論、開けたては白い花の可憐な感じから始まり、それが蕾を持ち、やがて果実に育って行く時系列そのものさえ、このワインを向き合っていると感じさせてくれるんですね。
「もはやワインのクラスは関係ない」
と思っていただいて良いと思います。
醸造だけではなく、栽培も・・細に入り、こだわっているからこそ、この素晴らしい白ワインが生まれます。
素晴らしい・・ローヌらしい・・自然派らしい・・大きい構造を持っていそうな「色」をしているのが判ると思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
【官能系柔らかテクスチュアの見事な完成度・・(でしょう!)】 超美味しいローヌのブランです。ラヤス系のワインが持つ妖艶で柔らかな味わいはここにもしっかり生きています(・・飲めていないので今回は確かめられませんでしたが・・)。
まぁ、少なくとも2017年とか2018年と言うような若くフレッシュなワインでは無いので、その表現に間違いは無いでしょう。
因みに2014年のヴォークリューズ赤はいかがだったでしょう?・・素晴らしかったでしょう?・・そうなんですよ・・。クラクラ来ちゃいますよね。
ある種のビオ系ワインが持つ純粋に身体に染み入ってくるニュアンスは、ラヤス系のワインに共通しています。そして今回は2015年の白ですから、普通のワイン・・ブルゴーニュなら2018年ものが入って来ていますから、3年も長く熟成しています。
また今回は希少な「N.V.ロゼ・パリジ」も有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコート=デュ=ローヌ・ブランのレヴューです。
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【精緻さ漲るコート・デュ・ローヌ!】

さすがにシャトーヌッフのラヤスと一緒とは行きませんが、やはりコート・デュ・ローヌではトップクラスのシャトー・デ・トゥールです。ですが2011年の良い感じに熟していたこのワインとも、また少し違う、本質に近いものを見せてくれた2012年でした。
比較的エレガントな仕上がりの2011年に対し、その資質はほとんど同じと言えますが、何より、よりグラマラスなヴィンテージになったと言えるブランです。
非常に濃度の高いエキス感に加え、アルコール分由来の豊満さが感じられます。まだ完全には仕上がっていないようで、抜栓直後から20分ほどは、やや強さを感じると思います。
しかしながら圧巻はそこからで、そのアルコール分由来の強さの中に、エルミタージュ・ブラン級の表現が詰まっていたんですね。
普通は、そのアルコール分由来の領域には、さしたる要素も感じない・・むしろ、「ノペー」っとした空虚な空間を感じるんです。ところがものの20分もするとその領域の中に、また細やかな世界が拡がってきます。
思うに、まだ完全には仕上がっていないことにより、アルコール分の中に細やかで多様なミネラリティが溶け込んでいて別世界を造っている・・ような感じなんです。それに気付けば、
「・・お~・・」
と・・、ラヤス系のワインの凄みにも似た感覚を得られることでしょう。まぁ、言っちゃえば仕上がってないだけなんでしょうが、20分ほどですんで・・この夏、そして秋に向かって、どんどん上昇して行くに違いありません。素晴らしいコート・デュ・ローヌです。ご検討くださいませ。
以下は2011年のこのワインのレヴューです。
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2年ほど前には下級クラスの「ヴァン・ド・ペイ・ヴァケラス」の赤白ご案内させていただき、大変好評をいただきました。今回はフィネスさん輸入のA.O.C.コート・デュ・ローヌをご案内させていただきます。
何分にも数量は無いので、取り敢えず余り飲めない白を飲んでみました。コート・デュ・ローヌとするならば、仲々に高額では有ります。
グルナッシュ・ブラン種からなるこのワイン、色合いをご覧頂きますとお判りかと思いますが、ネットリとした、ややゴールドな色合いから、プティ・エルミタージュ的なニュアンスが見て取れるかもしれません。
蜜っぽさを湛えたドライで粘性の有る大柄なワインです。開けたてはやや白く若い花、蕾のような、もしくは北部イタリアの白にみられるような、マンモスな量の石灰系ミネラリティを持ったシルヴァーナ系のアロマに蜜を加えたような、ややエキセントリックなアロマです。
しかし、ものの5分もするとまとまりが出てきて、一体となった要素をエレガントに表現してきます。クセの無いシャルドネに慣れた方には、一瞬、
「?」
と思われるかもしれませんが、やや落ち着いてない状況からの要素の暴露なのかと思います。
しかしむしろそんな表情が楽しく、内面がどうなっているのかを知ることができます。まとまってしまってからはむしろその辺は判り辛いですから。
酸の姿は冷涼でいて酸っぱくは無い、非常にベストなものと思えます。フカフカな畑が連想出来る柔らかな中域・中盤と、そこから高域に美しく伸びてゆくアロマ、これから複雑化して行きそうな要素の塊が存在しています。余韻もとても美しく、ややマッタリとしつつ、長く響きます。
何しろ甘く無いので、エキスが綺麗に出ていることに基盤が有ります。素晴らしいワインでした。
一方のコート・デュ・ローヌ赤は今のところは飲めていないのですが、1本は確保していますので、そのうちに行けるかなと・・思っています。あのレイノーさんちの赤ですから・・・最近飲んでないので、シャトーヌッフやフォンサレットは本数的に飲むのが厳しいにしても、コート・デュ・ローヌ/シャトー・デ・トゥール位は飲みたいなと・・。こちらも熟成させても素晴らしいと思いますよ。グラムノン的な、直情的な美しさを出すものでは無いと思いますが、それでもやはり少しそんな雰囲気も持ちつつ、よりドライに、より官能的になっているんじゃないかと思います。
数量が少ないので是非ともこの機会にご検討くださいませ。もしかしたらシャトー・デ・トゥール/コート・デュ・ローヌだけは追加可能かもしれません。