【ヴィノ・ノビレの元祖本家が造る華やかなアロマと豊かなボディのリゼルヴァ3ヴィンテージ!ピュアな赤黒果実にスイカやメロンのニュアンス!大きなワインです!

とても香しくふくよかなヴィノ・ノビレのどこか、のどかさを感じさせる味わいが心を打つファネッティの3ヴィンテージをご紹介します。何と世界的にもグレートイヤーになった1990年もの、そして良い年だった1995年、またグレートな仕上がりになった2010年ものになります。テイスティングはやや落ち着いていない状況でせざるを得ませんでしたが、それでも「ファネッティ」らしさがそこここに感じられ、ほのぼのさが伝わりつつも充実したエキスから発せられる表情が素晴らしいです。
また、このようにヴィンテージで色合いを比較してみると、実に面白いです。グレートイヤーとされる1990年、2010年・・って20年も離れてはいますが、共通部分の多い色合いです。1995年は平均的~良いクラスの仕上がりのヴィンテージですが、やや果実的な色合いが後退した中に、古酒的要素、ブケが香って来そうな色彩を放っています。(因みに・・ブケは古酒系、アロマは新酒系に由来する香りで使い分けています。)
味わいのコアはかなり共通点が有ります・・って同じ畑由来のワインですからね・・当然かもしれません。香りも同様では有りますが、やはりグレートとされるヴィンテージの1990、2010年は若々しく、果実のニュアンスが強いです。

2010年のリゼルヴァは、丸みを帯び充実したミネラリティを芳香からも感じられるようなしっかりした味わいです。まだ少し若く、パワフルさが目立ちますが、しっかり休めて飲むと滅茶美味しいでしょう!
あ、忘れないように言っておきたいのですが、
「細かい澱と粘性の高い液で、澱が沈むのに少し時間が掛かる」 のにはご注意ください。少なくとも3日ほどは・・出来るなら・・特に古酒は2週間ほど、立てて澱を完全に落としてください。これをするだけで、香り、味わい、テクスチュアが驚くほど違うはずです。
2010年ものは1990年ものとの共通点が多いですから、1990年ものを飲めば将来がそれなりに見通せます。価格は1990年ものは2.5倍ほどしますが、20年の歳月を金額換算するなら仕方のないことでしょう。生まれたばかりの赤ん坊が成人式を迎えている時分になってしまう訳ですから・・。
しかし2010年もののポテンシャルの高さと、フィルターをしないことによる旨味成分の欠落が無いこと、そしてSo2の存在の少なさ(無いとは言いません)が、心地良さを感じさせてくれる元になっていることは疑いの無いところです。

1995年のリゼルヴァは、1990年ものとはやや傾向が違います・・と言うよりも、
「・・どっちが古く感じる?」
と言う視点で観た場合には、
「・・1995年・・」
とおっしゃる方が多いはずです。ヴィンテージの妙ですよね。
果実感はやや後退気味ですが熟成でしか現れない見事な表情が、むしろ「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」的なニュアンスとなって感じられるかもしれません。落ち葉や腐葉土と言ったニュアンスに、ドライフルーツ的ニュアンスが混じり、スイカやメロンなどの瑞々しくもアロマティックな香りが混じります。
このスイカやメロンのニュアンスはすべてのヴィンテージに言えること・・と言うよりも、ファネッティのモンテプルチアーノには共通して感じられる要素です。何とも心地良く、ついついグラスを重ねてしまいます。
1990年のリゼルヴァは、もうさすがと言うしかありません。エチケッタも「赤い字」で「収穫年」を入れているほど、造り手も嬉しい出来栄えだったのでしょう。時が磨くポテンシャルの高いワインの味わいはやはり格別で、28年前のワインとは思えないほどの若々しささえ感じさせてくれます。素晴らしいです。
最後に、このような「古酒」のコルクを抜くのには、やはりそれなりの技術が必要です。仮に少し「失敗」したとしても、その後の「フォロー」がキッチリ出来れば問題は有りません。
しかし、慎重に抜くことに集中するあまり、せっかく休ませて落とした「澱」を、再び舞い上げてしまっては・・意味の無いことになってしまいます。
澱を舞い上げないように静かに、しかも、
「四半世紀を過ぎ、耐用年数を超えているはずのコルク」
を失敗しないで抜くのは至難の業です。なので、失敗は恐れずに、しかしフォローできる体制を作り上げてから、コルクを抜いてください。ピンセットなども有ると良いですね。途中でもし折れてしまっても慌てずに・・
「ワインの中にコルクやコルクカスを落とさないように」
ピンセットを使う・・とか、タイプの違うスクリューを複数本用意しておき、折れて穴の開いた上部から、上から見て残っている部分の少ない方にスクリューを斜めに入れ、ボトルの口の向こうとこっちに押し付けながら引き上げてください。これは、途中で折れた場合の対処です。ピンセットは、コルクカスをあらかじめ除くのに使えますし、複数本有れば挟んで引き上げることも可能です。また、ピンセットは形を変えられるものがほとんどですので、コルクの残り具合などを見ながら、「合うように」形を整え、引き上げてください。
いずれにしましても、何事もやってみないといつまでも出来ませんし、美味しいものにもたどり着けません。
ワインの長い寿命を楽しむには、やはりそういった努力も必要かと思います。ワインの様子を常に見ながら、対処するのがまた楽しみの一つかと思います。リーズナブルで高ポテンシャルなワインです!是非、
「澱をしっかり落として!」
お召し上がりください。お勧めします!
以下は別のヴィンテージもののレヴューです。
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【大人気で瞬間蒸発したファネッティのリゼルヴァ2001年ですが、今最高に美味しくなって来た2009年をご案内します!凄いコストパフォーマンスです!】
以前ご紹介させていただきました2001年のこのワインは、4千円弱と言う価格にも関わらず、多くの方のご支持をいただきました。どこかモンテプルチアーノのワインが持つ脆弱さを払拭しつつ、しかしパワーには頼らず、美しいエキスに昇華したプルニョーロの真の美味しさを気付かせてくれたと思っています。
2001年は実に飲み頃で、ほぼパーフェクトな味わいだったかと思います。実はその後入荷したのは2005年の同じワインでして、これが・・非常にポテンシャルは高いんですが、溢れんばかりのポテンシャルが、まだ癒しを含む前・・と言う判断で、一般には販売しませんでした。店頭で「どうしても欲しい」と言う方だけにお分けしたのみです。
で、2005年がグレートなことは判るけれど、ファネティさんの昔からの造りでは、飲めるようになるにはどうしても時間が必要なんですね。2001年リゼルヴァをお飲みいただいた方にはそれが想像できるかと思います。
で・・そこまでグレートじゃ無い方が早めに美味しくなる・・それがワインの面白いところでして、今回ご紹介させていただく2009年リゼルヴァは、今現在の美味しさでいうと確実に2005年リゼルヴァを超えちゃうんですよ。
しかも価格は・・こんなんですから・・。デイリーに毛が生えた位のプライスでモンテプルチアーノの最高峰を飲める!・・しかも成長中だが今のバランスだと飲んでいるうちにどんどん変化して香りも出て柔らかくも成って行きます。このリゼルヴァを飲まずして何を飲む!・・とさえ言いたくなるほど旨いです。
同じ名前の「モンテプルチアーノ」・ダブルッツォ ヴァレンティーニを彷彿とさせるような、「クシャッ」と凝縮した部分を持っていますが、これが素晴らしく気品を持っています。まだ血っぽくは無いんですがとても美しい鳩の血のようなニュアンスを含めた黒~濃い赤色の凝縮感です。
ドライで、しかし「ふっくら」としつつタイトさをまだ多く持っています。その部分も嫌味を全く感じさせず、艶々とした滑らかなテクスチュアを持っています。余韻には黒っぽい果実感を含み、とても長いです。
時間が経ってくると艶々感はテカテカと輝きを増し、味わいに伸びが出て来ます。ナチュラルさもしなやかさも増してきます。もともと完全にピュアな味わいですから、時系列でどんどん良さが増して来るんですね。
本当に素晴らしい・・皆さんに是非とも飲んでいただきたい、非常にリーズナブルなヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ・リゼルヴァです。上記にも書きましたが、ヴァレンティーニの赤にも通じる部分を確認するほど凝縮しつつ、節操が有ります。超おすすめです!ぜひ飲んでみてください。
以下はまだoisyがいる頃にご案内させていただいた、2001ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ・リゼルヴァのご紹介文です。
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【 有り得ない風格!モンテプルチアーノの真の姿がここに有ります!】
物凄いワインです・・・カーゼ・バッセに張り合えるような風格と、モンテプルチアーノのテロワール、風味を、異常に長い間保ってしまいます。
「・・開けて1週間は無理でしょ?」
全然へっちゃらです・・!
そして、モンテプルチアーノのワインの本当の姿を見せてくれます。
「今までのヴィノ・ノヴィレは一体何だったのか・・」
とさえ思うかもしれません。
大樽熟成の本当の意味・・も教えてくれます。酸化の意味と一緒に。
力を持った本物の葡萄でなければ、これは不可能なことです。
「魂を感じる味わい」なんです。
細かく言えば色々言えます。物凄く凝縮している、思いっきりドライ、マンモスナチュラル、余韻が異常に長いなどなど・・・
しかし、それではこのヴィノ・ノビレを正しく表現はできないでしょう。
「空気・酸素に対する抗体を持った液体」
とも言えるでしょう。開けて2週間・・・平気なはずです。さらに美味しくなっているでしょう。
昨今の、出来るだけ酸素に触れさせないようにしてピュア感を醸しだしているワインとは、まったく別の手法によるものです。
しかしナチュラル感、ピュア感は・・・そう、やはり比較する対象とするならカーゼ・バッセしか思い当たりません。凄いワインです。
資料を読めば、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノの本家であることが判ります。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに対抗して名乗ったと・・。しかし、単一品種のブルネッロに対して、ヴィーノ・ノビレは地品種のブレンドです。その複数の品種がマリアージュするのに、もしくはテロワールの姿を正しく発揮するのには、エナジーを持った葡萄の収穫が出来ること、そして大樽での長い時間が必要ということなのでしょう。
素晴らしいヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノです。造り手本人はリゼルヴァとは名乗りたくないそうですので、ここでは付けません。14年を経て日本に届いた素晴らしいヴィーノ・ノビレです。これはサクッと購入すべきです。お奨めです。
■■oisyテイスティングコメント
2001 Vino Nobile di Montepulciano RiservaD.O.C.G. Fanetti トスカーナの2大高級産地といえばブルネッロ・ディ・モンタルチーノとヴィーノ・ノビレ・デ・モンテプルチアーノであることは間違いないと思います。
この2つの産地のワインは他の高級産地に優るとも劣らない複雑性があります。
そこに追随するのがサッシカイア等を産み出す海沿いのマレンマ・ボルゲリ地区であると思います。
しかし、価格や人気的にも注目されるワインの多くはブルネッロやマレンマ・ボルゲリ地区のワインが多くヴィーノ・ノビレに関しては中々注目が集まらないように思います。
僕も調べていて思ったのですがブルネッロ地区は比較的新しい地域でビオンディ・サンティが19世紀末に造り始めた超熟赤ワインが始まりで、その前はもともと軽やかな白甘口ワインのモスカデッロの産地だったそうです。
つまりまだブルネッロが造られ始めて100年ちょっとしか経っていないという事。
ボルゲリ・マレンマ地区についてもパイオニアであるサッシカイアの誕生は1968年という若さ。
それに対してヴィーノ・ノビレは古くは2000年前の文献に「モンテプルチアーノの甘美な命の酒」として登場したとも言います。
それだけ歴史がありトスカーナの精神のようなワインであるのに「地味」な印象があったり、ブルネッロの代替え、みたいな印象は付きまといます。
かくゆうOisyもそのような印象を持っている事は今だ否めません。
特にワインに触れ始めた時はヴィーノ・ノビレの良さは全くわかりませんでした
それには注目されないが故の生産者の意識だったり(ブルゴーニュは注目されてからの品質向上が著しいと聞きます。)、かつては白ワインの混醸が許されていたり。。。と様々な要因があるとは思いますが一概には言えません。
けれども、Oisyはファネッティのヴィーノ・ノビレを飲んで思いました。
(
実は非常にクラシカルかつ長熟なワインのために理解されづらいのではないか。。。)と。
もちろん、造り手によると思いますがこの14年物のヴィーノ・ノビレは非常にエレガントで甘美なものです。
少し太めのタンニンを持ち深淵な奥行があり、ミネラリティは複雑です。。
タンニンも非常に上質で甘みに変わりつつあります。
でも!
まだまだなのです。非常に若い。
その証拠ではありませんが、2週間放置の後、ふと思い出して飲んでみたのですが、これが非常に美味しい!!
2週間経っても酸化のニュアンスは僅かで香りは複雑性を増し、ようやっと開いた面持ちになったのです。
嘘ではありません、
2週間です!
これは72ヶ月(6年!)にも及ぶ大樽による非常に緩やかな酸化熟成とそれに耐えられるポテンシャルを持った力強い葡萄によるものなのでしょう。
かなり衝撃的な出来事でした。
ちょっとヴィーノ・ノビレに懐疑的なあなたにも、今はぜひこのトスカーナの銘醸ワインを飲んでいただきたいという思いでいっぱいです。
面倒でなければデキャンタージュされても良いと思います。
澱はかなり大量にあるのでしっかりと立てて、落としてから飲まれる事をおススメします。
この地からまた新たなスーパーワインを産出されないかなーという思いが沸いてきました。
それだけのポテンシャルのある土地である事が確信できるワインです!
あっぱれ!