【プルニョーロ種の熟した優しい滑らかな味わいに癒されます!・・決して薄い味わいでは有りませんが、ほっこりとする「ジェンティーレ」な味わいです。】

ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノの本家本元元祖のファネッティです。こんなにリーズナブルにご案内できるのが信じられないほど・・です。
そもそもはブルネッロ・ディ・モンタルチーノに対抗して名乗ったのがモンテプルチアーノ村のファネッティで有り、ヴィノ・ノビレなんですね。
そして、大樽でおおらかに酸化をさせて醸造しますが、熟成具合を見ながら・・ヴィンテージ順にはリリースしないので、本当にバラバラで到着します。しかも、
「もう仕込むべき大樽が無い・・」
みたいな状況に追い込まれてから、大樽を空にすべくボトル詰めを始める・・で、そこから、
「ボトル熟成」
もやっちゃう訳ですから、もう本当に申し訳ありません・・と謝りたくなってしまいます。
ようやっと届いたヴィノ・ノビレ・リゼルヴァは2015年で、収穫後6年・・ファネッティにしては若いワインです。
色合いを見ていただきますと判ると思いますが、
「おおらかな酸化を得たワイン」
であることは判ると思うんですね。少し「茶褐色」が入っていて、粒子が幾分大きい感じがしますから、完熟までは到達していないと見るべきでしょう。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノもそうですが、このように茶褐色系の色合いを見せるタイプが結構存在します。長い熟成を強制されるから・・ですね。
でも、こちらのヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ・リゼルヴァは、別に強制された訳では無く、「結果的にそうなってしまった」だけで、「それでもまだ若い方」だと言う理解が必要かな?と思います。以前、随分販売させてうただいた「デーイ」辺りとは、大分異なるタイプです。
適度に熟していて滑らかさも有るが、まだ少しタンニンのアタックが丸く成り切ってはいない感じがします。ですが、ポンテプルチアーノらしい「熱量」がたっぷり感じられる太目の味わいながら、優しさや滑らかさも感じられます。
ジビエなどには非常に良く合うかと思いますが、意外や意外・・言っちゃって大丈夫でしょうかね・・刺身系も行けちゃったりします。ただし、「ヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージン」は適量使用するべきでは有ります。
大樽系のゆったり感と、凝縮した葡萄が酸化熟成を経たニュアンス、モンテプルチアーノの蒸し暑い気候、ファネッティ家ののんびりな日常、充実した味わいの中に、そんな風景が見えてくると思います。栽培自体は結構ナチュールなのかも・・とも思ってしまいます。澱が有りますので飲む前にはしばらく立ててくださいね。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【大人気で瞬間蒸発したファネッティのリゼルヴァ2001年ですが、今最高に美味しくなって来た2009年をご案内します!凄いコストパフォーマンスです!】
以前ご紹介させていただきました2001年のこのワインは、4千円弱と言う価格にも関わらず、多くの方のご支持をいただきました。どこかモンテプルチアーノのワインが持つ脆弱さを払拭しつつ、しかしパワーには頼らず、美しいエキスに昇華したプルニョーロの真の美味しさを気付かせてくれたと思っています。
2001年は実に飲み頃で、ほぼパーフェクトな味わいだったかと思います。実はその後入荷したのは2005年の同じワインでして、これが・・非常にポテンシャルは高いんですが、溢れんばかりのポテンシャルが、まだ癒しを含む前・・と言う判断で、一般には販売しませんでした。店頭で「どうしても欲しい」と言う方だけにお分けしたのみです。
で、2005年がグレートなことは判るけれど、ファネティさんの昔からの造りでは、飲めるようになるにはどうしても時間が必要なんですね。2001年リゼルヴァをお飲みいただいた方にはそれが想像できるかと思います。
で・・そこまでグレートじゃ無い方が早めに美味しくなる・・それがワインの面白いところでして、今回ご紹介させていただく2009年リゼルヴァは、今現在の美味しさでいうと確実に2005年リゼルヴァを超えちゃうんですよ。
しかも価格は・・こんなんですから・・。デイリーに毛が生えた位のプライスでモンテプルチアーノの最高峰を飲める!・・しかも成長中だが今のバランスだと飲んでいるうちにどんどん変化して香りも出て柔らかくも成って行きます。このリゼルヴァを飲まずして何を飲む!・・とさえ言いたくなるほど旨いです。
同じ名前の「モンテプルチアーノ」・ダブルッツォ ヴァレンティーニを彷彿とさせるような、「クシャッ」と凝縮した部分を持っていますが、これが素晴らしく気品を持っています。まだ血っぽくは無いんですがとても美しい鳩の血のようなニュアンスを含めた黒~濃い赤色の凝縮感です。
ドライで、しかし「ふっくら」としつつタイトさをまだ多く持っています。その部分も嫌味を全く感じさせず、艶々とした滑らかなテクスチュアを持っています。余韻には黒っぽい果実感を含み、とても長いです。
時間が経ってくると艶々感はテカテカと輝きを増し、味わいに伸びが出て来ます。ナチュラルさもしなやかさも増してきます。もともと完全にピュアな味わいですから、時系列でどんどん良さが増して来るんですね。
本当に素晴らしい・・皆さんに是非とも飲んでいただきたい、非常にリーズナブルなヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ・リゼルヴァです。上記にも書きましたが、ヴァレンティーニの赤にも通じる部分を確認するほど凝縮しつつ、節操が有ります。超おすすめです!ぜひ飲んでみてください。
以下はまだoisyがいる頃にご案内させていただいた、2001ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ・リゼルヴァのご紹介文です。
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【 有り得ない風格!モンテプルチアーノの真の姿がここに有ります!】
物凄いワインです・・・カーゼ・バッセに張り合えるような風格と、モンテプルチアーノのテロワール、風味を、異常に長い間保ってしまいます。
「・・開けて1週間は無理でしょ?」
全然へっちゃらです・・!
そして、モンテプルチアーノのワインの本当の姿を見せてくれます。
「今までのヴィノ・ノヴィレは一体何だったのか・・」
とさえ思うかもしれません。
大樽熟成の本当の意味・・も教えてくれます。酸化の意味と一緒に。
力を持った本物の葡萄でなければ、これは不可能なことです。
「魂を感じる味わい」なんです。
細かく言えば色々言えます。物凄く凝縮している、思いっきりドライ、マンモスナチュラル、余韻が異常に長いなどなど・・・
しかし、それではこのヴィノ・ノビレを正しく表現はできないでしょう。
「空気・酸素に対する抗体を持った液体」
とも言えるでしょう。開けて2週間・・・平気なはずです。さらに美味しくなっているでしょう。
昨今の、出来るだけ酸素に触れさせないようにしてピュア感を醸しだしているワインとは、まったく別の手法によるものです。
しかしナチュラル感、ピュア感は・・・そう、やはり比較する対象とするならカーゼ・バッセしか思い当たりません。凄いワインです。
資料を読めば、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノの本家であることが判ります。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに対抗して名乗ったと・・。しかし、単一品種のブルネッロに対して、ヴィーノ・ノビレは地品種のブレンドです。その複数の品種がマリアージュするのに、もしくはテロワールの姿を正しく発揮するのには、エナジーを持った葡萄の収穫が出来ること、そして大樽での長い時間が必要ということなのでしょう。
素晴らしいヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノです。造り手本人はリゼルヴァとは名乗りたくないそうですので、ここでは付けません。14年を経て日本に届いた素晴らしいヴィーノ・ノビレです。これはサクッと購入すべきです。お奨めです。
■■oisyテイスティングコメント
2001 Vino Nobile di Montepulciano RiservaD.O.C.G. Fanetti トスカーナの2大高級産地といえばブルネッロ・ディ・モンタルチーノとヴィーノ・ノビレ・デ・モンテプルチアーノであることは間違いないと思います。
この2つの産地のワインは他の高級産地に優るとも劣らない複雑性があります。
そこに追随するのがサッシカイア等を産み出す海沿いのマレンマ・ボルゲリ地区であると思います。
しかし、価格や人気的にも注目されるワインの多くはブルネッロやマレンマ・ボルゲリ地区のワインが多くヴィーノ・ノビレに関しては中々注目が集まらないように思います。
僕も調べていて思ったのですがブルネッロ地区は比較的新しい地域でビオンディ・サンティが19世紀末に造り始めた超熟赤ワインが始まりで、その前はもともと軽やかな白甘口ワインのモスカデッロの産地だったそうです。
つまりまだブルネッロが造られ始めて100年ちょっとしか経っていないという事。
ボルゲリ・マレンマ地区についてもパイオニアであるサッシカイアの誕生は1968年という若さ。
それに対してヴィーノ・ノビレは古くは2000年前の文献に「モンテプルチアーノの甘美な命の酒」として登場したとも言います。
それだけ歴史がありトスカーナの精神のようなワインであるのに「地味」な印象があったり、ブルネッロの代替え、みたいな印象は付きまといます。
かくゆうOisyもそのような印象を持っている事は今だ否めません。
特にワインに触れ始めた時はヴィーノ・ノビレの良さは全くわかりませんでした
それには注目されないが故の生産者の意識だったり(ブルゴーニュは注目されてからの品質向上が著しいと聞きます。)、かつては白ワインの混醸が許されていたり。。。と様々な要因があるとは思いますが一概には言えません。
けれども、Oisyはファネッティのヴィーノ・ノビレを飲んで思いました。
(
実は非常にクラシカルかつ長熟なワインのために理解されづらいのではないか。。。)と。
もちろん、造り手によると思いますがこの14年物のヴィーノ・ノビレは非常にエレガントで甘美なものです。
少し太めのタンニンを持ち深淵な奥行があり、ミネラリティは複雑です。。
タンニンも非常に上質で甘みに変わりつつあります。
でも!
まだまだなのです。非常に若い。
その証拠ではありませんが、2週間放置の後、ふと思い出して飲んでみたのですが、これが非常に美味しい!!
2週間経っても酸化のニュアンスは僅かで香りは複雑性を増し、ようやっと開いた面持ちになったのです。
嘘ではありません、
2週間です!
これは72ヶ月(6年!)にも及ぶ大樽による非常に緩やかな酸化熟成とそれに耐えられるポテンシャルを持った力強い葡萄によるものなのでしょう。
かなり衝撃的な出来事でした。
ちょっとヴィーノ・ノビレに懐疑的なあなたにも、今はぜひこのトスカーナの銘醸ワインを飲んでいただきたいという思いでいっぱいです。
面倒でなければデキャンタージュされても良いと思います。
澱はかなり大量にあるのでしっかりと立てて、落としてから飲まれる事をおススメします。
この地からまた新たなスーパーワインを産出されないかなーという思いが沸いてきました。
それだけのポテンシャルのある土地である事が確信できるワインです!
あっぱれ!