
アンジェロ・ガイアのバローロ、古酒です。昨今は非常に高価になってしまった70年台と60年台ですが、アンジェロ・ガイアがカンティーナに入って活躍し始めたのが60年台と言われていますから、完全に全て自身でやっていたかどうかは判らないとしても、確実に関与はしていたと思われます。
親父さんを、
「なんてこった!(ダルマジ!)」
と嘆かせた・・頃でしょう。
因みに書いてある意味が全く不明の方もいらっしゃるかもしれないので記載させていただきますが、アンジェロがネッビオーロの古木を引き抜いてカベルネ・ソーヴィニヨンを植えた時の・・一言です・・親父さんもお優しい方だったんですね~。
ブルゴーニュに視察に行って衝撃を受けたアンジェロは、ピエモンテに戻って改革を始めます。やはり大きかったのは
「バリックの使用」
でしょう。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、現在のバローロ・ボーイズのようなスタンスでは無い・・と言うことですね。あくまで・・バリックは使用するが大樽もしっかり使用しています。むしろバリック使用は大樽に入れる前に1年ほど(と聞いたように思います)で、後の何年かは大樽なんですね。
なので、バローロ・ボーイズとは違うスタンス、造りになります。
1974年は良い年です。さすがにグレートイヤーの1971年には及びませんが、noisy もその昔、エレガントながらエキスの充実した素晴らしい1974年を飲んでいます。どこかにその面影が無いかな・・と思って探したんですが見当たらず、店の入り口に1973年ものの空き瓶が飾って在りました・・って自分でやったんでしょうけどね。完全に忘れてしまってます。1973年ものはさらに淡く、しかしエキスも綺麗で、まるで良い感じに熟したブルゴーニュワインのようだったと記憶しています。ボトルが残っている位ですから、そんなに古い話では無いでしょう。
この1974年ものはA品とB品で分けています。色合いなどはほぼ変わらず・・と言うか、区別するのは難しいほどですが、エチケッタの状況が異なります。
写真を見ていただければお分かりの様に、A品は比較的綺麗です。B品の方はやや汚れが有り、破れなども有ると思ってください。
しかし、高いA品がB品よりも必ずより良い・・とは限りません。色合いなどでは差が無いので、B品はお得かもしれません。
因みにA品とB品は供給元が違いますので、仕入れの価格も違う・・と言う訳です。色合いは濃く無く、しかし非常に綺麗な色をしています。
1969年ものはグレートイヤーでは有りませんが、全くのオフでも有りません。そろそろ「半世紀」ですからね・・。非常に希少です。
状態は、1974年もののB品に近い感じで、破れ、汚れ、欠損などは見受けられます。キャプスュル周りの紙巻きなども破れていたりします。
まぁ・・そろそろ半世紀ですからね・・そういうものです。反対に余りに綺麗だったら・・怪しいです。蔵出しが有ったなら別ですが、無いのにピカピカ・・と言うことは有りませんし、もし蔵出しだとしたら、こんな価格で出て来るはずがないんですね。
「とてつもなく高い価格になる」
と思います。
高騰しているフランスワインを考えれば、もしくは、現状のガイアの近年ものを考えれば、プライス的には魅力の有るものと思われます。
しかしながら、古酒には危険もつきものです。確実に素晴らしい・・と決めつけることは出来ませんし、抜栓時のミスでワインを台無しにしてしまうことも有ります。
それでも50年ものに近いガイアのバルバレスコですから、正に今、我々のヴィンテージと言えると思うんですね。74年、69年生まれの方もいらっしゃるでしょうし、ワインは大好きだが自分が生まれた頃のワインなんて飲んだことが無い・・とおっしゃる方も多いでしょう。
ワインの魅力は、もちろん、新しいワインにはそれなりの魅力が有りますが、熟してこそ発揮してくる豊かな表情が存在します。
もし、これをブルゴーニュでやろうと思ったら・・今はもう・・無理かもしれませんが、偉大なイタリアワイン・・それも単一セパージュですので、何とか経験してみていただきたいな・・と思います。ご検討くださいませ。