
まぁ、「ジュゼッペ・ラット」と言っても判らないですよね。惜しまれて蔵を閉じた、非常に高質なドヴァダ酒を醸す天才肌の方でした。2~3年前だったかにラシーヌの合田さんたちに、その頃のラットのトリオンセを飲ませていただき、また感動してしまいました。
オヴァダのドルチェットが押しなべてそうなのかは判りませんが、若いころは「ややゴツゴツとしたテクスチュアだが縦構造が非常に深く複雑性を帯びる」と言うような印象を持っていて、ジュゼッペ翁に教えを受けたと言われるボルガッタ家のドルチェットは、やはり同じようなニュアンスを感じます。
加えてビオ系のナチュラルさ・・と言うか、ジュゼッペ・ラットには感じなかったツヤツヤとしたナチュラル感が加わっているように思います。
この味わいの深さ、複雑性に、そのナチュラル感が加わり、出来立てはやや愛想の無い感じになってしまっていたラットのワインよりも、外面の良さが心地良さに繋がっています。

あ、左がジュゼッペ・ラットのトリオンセですね・・懐かしい!
数は無いので・・でもリーズナブルですし、深い味わいですので、是非飲んでみてくださいね。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【お~!これはワイルドなニュアンスがバッチリ出てます!肉のワイン煮込みに合いそうです!】
ピエモンテと言えば山の中・・と言うイメージが有りますが、やはりどこに行っても、
「肉!肉!・・また肉!」
のようです。行ったことが無いので判りませんが・・でも安直にも想像できちゃいますよね。
この美しい色合いからは、ワイルド感がビシバシ伝わってきますので、「ジビエ」には良く合いそうです。煮込み系が最高かな・・焼いても・・良いかもしれません。
バルベーラ・デル・モンフェッラートがどちらかと言えばオールマイティなワインかと思いますが、こちらはやっぱり「肉」に合わせたいワイルドな味わいです。しかし重く成り過ぎず、軽快感も有ります。色合いもドルチェットで出がちな茶色を濃くしたようなものではなく、非常に美しい赤紫をしています。
果実は野生のベリー、スパイス感有り、ミネラルもスムースに立ち上がります。タンニンは滑らかながらも結構シッカリ有り、しかも酸もそれなりにちゃんとですので、「肉に合う」イメージがするんですね~。
これで果実感ばかりが前面に出てくると、肉に合うとは安易に言えない状況になりますが、地元の人はこのようなドルチェットは大好きでしょう!
日本食だと・・そうですね・・豚汁なんか結構合いますよ。これからの季節、お世話になるんじゃないかと思います。
デイリーで美味しい、でも全方位外交では無いドルチェット・ディ・オヴァダ・・。ご検討くださいませ。