
昨年の2016年に続き2017年もテイスティングさせていただきました。
非常に濃密なんですがエレガンスもしっかり有ります。タンニンの質が物凄く上質、そして酸のレベルもきちんと有り、それでいて「エッジ」が見つけられないほど滑らかなんですね・・。
まぁ、敢えて言えば2016年ものとの差がさほど見当たらない・・(^^;; 位ですね。
造り手紹介欄でも書きましたが、「キュヴェ・カトラン」と言うスペシャル・キュヴェが存在しますが、これはもう滅茶苦茶レアでして、今までには1度しか販売したことが有りませんが、
「キュヴェ・カトランって・・一体、どんな風になっちゃってるんだろう?」
と思わざるを得ないような、ある種のパーフェクトさを感じさせてくれる2017年エルミタージュ・ルージュでした。
そもそもそんな「完全さ」を感じる高レベルなワインはほとんどの場合、「相反するもの」を持ち合わせているような気がします。
それは、強烈<-->エレガンスであったり、エレガンス<-->妖艶 でも有ったりします。ブルゴーニュ・ピノ・ノワールが持つネガティヴさ、飲み頃とかに対する気難しさだけが欠如しているので、どうやっても「肯定感」しか受け取れないんですね。
「・・いやいや・・そんなこと言ったって、強過ぎるでしょう?」
と思われるかもしれません。
しかしながら、これを飲んでもそうは感じ無いんじゃないかと思いますよ。余りに上質で優しく滑らかです。良い印象がいつまでも長く持続しますから・・そんなことを感じる暇がない性かもしれません。
2016年ものとの差がほぼ判らない・・と書きましたが、2017年ものはとても「おしとやか」なのは間違いありません。それでもこれだけのパフォーマンスを見せてくれる訳ですから、
「・・飲み頃を見てみたい!」
と言うような欲にも駆られてしまいます。
上記にも書きましたが、1978年の、おそらく飲み頃のエルミタージュ・ルージュは1本47万円で落札されていますから、それだけの価値が有る・・いや、むしろ現在の状況を「プレミア」や「何らかのプラスアルファ」をほぼ無しに評価されてのことかとも感じます。
流石にこのワインを40年も寝かせてから飲むことは非常に困難かと思いますが、
「いつ開けても、いつ飲んでも、おそらくいつも滅茶美味しいはず!」
なのは間違い無いでしょう。素晴らしい経験でした。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【無敵のワイン!・・すべてを包み込んでしまう包容力と全方へ向いた表情のベクトルが圧巻です!マンモス・ピュア・クラス・エルミタージュ!】

2014年、2015年ものに続き、何とか100点には成らなかった・・と言うしかない、物凄い評価の2016年ものを飲ませていただきました!・・(^^
このクラスになってしまうと、あ~だこ~だと言うのが野暮!・・と言うレベルになってしまうんですが、仮に2014年も2015年も2016年も同じポイント評価だったとしても、
「ジャン=ルイ・シャーヴは少しも留まらず進化している!」
と言いたいと思います。特にこの2016年ものを飲んでそのように感じていますし、2017年もののコート=デュ=ローヌ・モン・クール(セレクスィヨンもの)も全く同様です。
「ピュアさと官能さが精緻さにてんこ盛りされた!」
と言わざるを得ません。
ピュアさはグラムノン並み、官能さはラヤス並み・・です。精緻さは元々ジャン=ルイ・シャーヴに完璧に備わっていました。そして果実の充実度はもう・・半端無いですから、
「ドメーヌ・ジャン=ルイ・シャーヴのエルミタージュは無敵!」
と言いたくなってしまうんですね。
そして先だって、1978年のエルミタージュを販売させていただきましたが、言ってしまえばもう40年以上も前の収穫ですが、色合いからはまだまだ元気で、熟成から官能感も出てきているのであろう・・見事にエロティックな色合いが有りました。へっちゃらで半世紀以上、持ってしまうワインなんですね~・・。
因みに上値で99ポイント付けたジェブ・ダナックさんはこのように言っています。
「私は瓶詰め前に混合されている別々の3つのタンクから2016エルミタージュを味わうことができました。3つのサンプルすべてが、素晴らしい純度の果実、全身、前方の、継ぎ目のない、上品な食感、および古典的な構造のミネラルを示しました。これは最高級のオートクチュールであり、他のどこからも得られないだろう純粋なクラスです。」
まぁ、noisy は「ピュアさ」と書いていますが、ダナックさんは pure class =純粋な階級? と書かれており、言いたいことは同じだと思います。このマンモスなピュアさまでは、2013年以前のエルミタージュに備わっていなかったし、それ以降でも2016年ものがトップクラスのピュア・クラスだと感じます。
素晴らしいエルミタージュでした。金字塔と言って良いと思います。是非飲んでほしい・・お財布が許せば!・・いや、カミさんか?・・ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年ものエルミタージュは偉大なヴィンテージ!!・・まっこと素晴らしいです!】

美味しいですね~!・・これは参ってしまいます。極上のメルロ的な超滑らかな舌触り・・そこから超ド級の厚みと、何とも言えぬ細やかな表情が漏れて来ます。
2014年ものも非常に美味しかったですが、何だろう・・・緻密さとフィネスにおいてでしょうか。100点付けたくなるのも理解出来ます。
まぁ、このような評論家の方々は、著名なワインはリリース前に飲んで評価し発表するパターンが多いので、ある程度幅を持たせた評価になる訳でして、リアルワインガイド的な「今飲んで98」「ポテンシャル100」と言うのとは、ほとんどの場合において異なります。「98~100」と言うのは、98点か99点か100点のどれか・・と言うことですね。
非常に美味しくて・・スイスイ入り無くなりますが、いつまでも存在しているかのような感じなんですね。普通のローヌワインですと、
「果実がどうの、スパイスがどうの、パレットがどうの・・」
と言いたくなるんですが、もう、全て埋め尽くされてますから・・しかもそれがフィネスたっぷりなんですよ。最高級の甘く無いチョコレートを下の上で融かしている感じが感覚的に近いかもしれません。果実的な訴えも膨大にあるんですが、そのひとつひとつは極上ながら表情のほんの一部分に過ぎません!
ジャン=ルイ・シャーヴにはキュヴェ・カトランと言う幻のエルミタージュが有るんですが、noisy もお目にかかったことは無く、勿論飲んだことは無いんですが、こっちの方向性を持っているのかなぁ・・と暗愚な想像をしてしまいました。
素晴らしい出来でした!評価の良いヴィンテージは足が速いです。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【偉大なエルミタージュ!!2014年白はティム・アトキン氏96Points、アドヴォケイト95Points!2014年赤もティム・アトキン氏96Pointsです!】
ジャン=ルイ・シャーヴさんちのエルミタージュ(最近は L' が付いてるのでレルミタージュですが・・)は、アドヴォケイトでもパーフェクトを何度か獲得していますんで、発表されると市場から姿を消す・・市場価格もさらに高くなると言う、生き物のようなプライスで目立ってしまうワインです。
しかしその本質は、果実感と複雑性がたっぷりで、エレガンスが有って、美しいパレットを描き、余韻も非常に長い・・・しかし、非常に濃厚かと言えばそこまでは無く、決して持っている要素全てを一気に感じさせるような、エゴイスティックなワインでも無い・・・しかし、ラヤスほどの繊細さ・淡さで勝負しているものでは有り得無いので有って、言ってみれば・・
「中庸を磨きに磨いてのトップワイン」
ということなのかもしれない・・などと思っています。
中庸と言う言葉自体は余り良くない言葉なのかもしれませんが、シャトーヌッフ・デュ・パプに例えてみると、
「官能に振れたアンリ・ボノー、繊細さのラヤス、濃厚且つ精密なボーカステル」
というような印象からは、
「その、どのベクトルにも触れるべき触手を持った、イソギンチャクのようなエルミタージュ!」
と言えるかもしれません。
この、「果皮 プラス 果皮の周りの肉 対 果汁 のバランス」が、他のワインと圧倒的に異なるニュアンスは、限りなく「果皮 プラス 果皮の周りの肉」が多いことによって生み出されていることに気付かれるでしょう。そして複雑精緻なニュアンス、完全無欠の孤高さに大きな魅力を見ると思います。
今回は同じように高評価のブランも入っていますので、是非ご検討いただければと思います。