
サン=ジョセフ・クロ・フロランタンが余りに美味しいので・・ブレンドのサン=ジョセフは難しいかもしれないなぁ・・と思いながら味わってみると、方向性の違い・・を随分感じるのと、
「ドメーヌもののシャーヴでこれほどにお買い得なワインは無いかも!」
としか思えないほど、素晴らしい仕上がりをしていました。
その意味ではアドヴォケイトの94ポイントは判るんですが、
「クロ・フロランタンに93ポイントって何?」
と思ってしまいますよね。そちらのコラムにも書きましたが、ちょっと意味判らないです。
で、ふんわり柔らかで表情が繊細なクロ・フロランタンに対し、より硬質でスタイリッシュ、外殻みたいな感じで受け取れるミネラリティを感じるのがこちらのサン=ジョセフです。

以前はクロ・フロランタンもこのサン=ジョセフに混ぜられていた訳ですが、性格の違い・・と言いますか、果実が表に出やすいクロ・フロランタンに対し、硬質ゆえにエキス系に仕上がるのか・・判りませんが、おそらく皆さんも飲まれてみると、
「・・あら・・何か全然違うアペラシオンみたい・・」
と思われるかもしれません。
しかしプライス的には税別で大台を超えて来ていませんから、相当にお買い得なんじゃないかと思います。色合いだけ見ますと、かなり似ているように思えますが、全然違って感じられるんですから面白いものです。
ブルゴーニュワインに慣れていらっしゃると、見た目で・・
「暑苦しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、好みは有るとしてもミネラリティがバッチリ、酸もたっぷりですから美味しくいただけると思っています。ほんのりスパイシーで、ほんのりワイルド、毎年のようにしなやかさ、ナチュラル感は増していると感じます。
ここがドメーヌものジャン=ルイ・シャーヴの最下級キュヴェですから・・ここから始めてみられると良いかと思います。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【海外メディアは上値95ポイント!・・・ハイポテンシャルのクロ・フロランタンが抜けた村名ブレンドでも凄い評価です!】 こちらもnoisyは後で飲めるかもしれないので・・いや、このパターンは実は結構に多くて、「飲めませんでした」と言いつつ、しっかり後で飲んでいたりしますが、結局そのレヴューは書かないので、お客様は多分、
「・・飲んでないのね・・」
と思っていらっしゃるのでしょう。
2018年ものは相当に良さそうですが、数もまた非常に少ない・・エルミタージュ・ルージュ以外は・・ですので、今のところはテイスティングを回避しています。
以前は独立した「クロ・フロランタン」までバッティングしていましたが、現在は変わっています。クロ・フロランタン2018年はついに「ブルゴーニュのグラン・クリュ並み」の96ポイントまで伸びて来ましたので、村名畑のブレンドである「サン=ジョセフ」の地盤沈下が心配されましたが、
「クロ・フロランタンが抜けても評価は上がり続けている」
のが現状です。
むしろ濃密なエルミタージュよりも、表情が直接感性に届いてくる感じがするサン=ジョセフの美味しさ・・「ワイルドだろ~?」・・「でもエレガントだろ~?」と、ワインが言って来ているようにも思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【この一段と美しい、でも落ち着いた見事な色合いからの味わいを是非想像してみてください。・・きっとそのままの味わいです。】
びっくりするような高質さを見せる2017年のエルミタージュを、赤も白も1本ずつ、開けてしまいましたので・・さらには、さすがにフロランタンは思い留まったものの、バラでしか届かないドメーヌもののサン=ジョセフも開けてしまいましたので、営業的にはこのグラスの色合いのようにはならず、もっとボージョレのような儚い感じの色になってしまっています。
ワインを販売すると言うことは、基本的に「八百屋さんや魚屋さんと一緒」だと思っていますので、見た目での判断・・鮮度が良いとか悪いとか、そろそろ美味しそうだとか早いとか・・も有りますし、そもそもはその判断が正確なものでないといけないし、その存在のヒエラルキーも判っているべきだし、入荷したもののチェックも当然するべきだと思ってます。
しかしながら昨今の日本の小売業は、人間を育てる方向性を持っているのかいないのか・・どうも全てはロボットにやらせたら良いような、「プログラムを間違えずにただ実行する」だけの人間にしか、育てられていないように感じられてなりません。ほとんどアルバイトさんに丸投げじゃぁ・・ね・・。そうやって人件費を抑えることだけに終始していては、先が思いやられてなりません。
昔は確かにブルゴーニュワインは2~3番手の人気でしたから、そんな部分を多く扱う、ある意味、「変なショップ」であった訳ですね。世の中は「ボルドー」ばかり見ていました。
noisy的には、熟成に時間が掛かるボルドーよりも、短い熟成で美味しくなり、しかもその美味しい期間の長いエレガントなブルゴーニュワインが好みだったのも有り、そんなショップへとなってしまった訳です。
ローヌのワインも実は嫌いな訳では無く、コート=ロティもコルナスもエルミタージュも、そしてこのサン=ジョセフも、高質なシラーの熟成を知ってしまえば、
「むしろ大好き!」
になってしまうのも仕方が無いことでは有ります。ボルドーだって、メルロは大好きですよ・・。カベルネは完熟すると本当に凄い香りになりますが、そこまで行くには本当に長い時間が掛かってしまいます。
2017年もののサン=ジョセフは、余りに凄いエルミタージュと、とんでもない差が有るか?・・と聞かれれば・・ちょっと返事に詰まるかもしれないほどに、上質な出来になっています。
2015年ものと色の比較をしてみても、その辺のニュアンスは伝わるかと思います。2015年ものはよりフレッシュ感のある赤が良く見えますが、2017年ものには余り無く、エッジの少し内側に幅狭く見えるだけです。
非常に果皮の密度の高い、ベルベッティで、ほんのりワイルドさの漂うアロマと肉厚さです。果実はやはりカシスですが、これもとても上質。しっとりとしたスパイスが穏やかに、しかしスピード感を持って感じられます。
エルミタージュのような太い帯域感では無く、ややスレンダーさを感じさせる縦伸び系の構造です。ついつい・・グラスに手が伸び、その果皮の上質さを愛でていると、グラスのワインの減りが早い・・(^^;;
これ、3~5年したらもっと凄くなるんだろうなぁ・・・と思いますが、今飲んでも滅茶美味しいので、高域まで美しく伸びて行くこの味わいを是非、ご堪能いただきたいと思います。素晴らしいです。お勧めです。
以下は以前のレヴューです。
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【クロ・フロランタンには及ばなかったようですが、このプライスと評価、出来でドメーヌものは超お買い得!】
サン=ジョセフ系の2016年は飲めなかったので・・すみません。2015年ものも滅茶旨かったですが、2016年ものはそのメディア評価をも超えて来ています。
やはり、あのピュアさでしょうかね~・・。確かめたいところですが、懐に余裕が無いので・・すみません。
【ドライで濃密!2015年の素晴らしさをしっかり表現してくれます!非常に素晴らしい仕上がりです!】

これは素晴らしいですね。エレガントな仕上がりだった2014年のサン=ジョセフもエキシーでとても良かったですが、滅茶シルキーで濃密です。グラスの色合いにもそれは現れていると思いますが、濃度はグラスに注がれたワインの裏や下から何も透けて来ない方が2015年、しっかり見えるのが2014年です。
例えばドメーヌもののエルミタージュの2015年も同様で、
「まるで凄く出来の良いメルロ!」
のような品格と厚みを感じます。しっとりしていて内に秘めた要素を膨大に持ちつつ、しかし全く漏らさないという姿勢がその厚みになっているかのようで凄みの有るものでした。
サン=ジョセフはさすがに分厚いメルロのようにはならないにせよ、品格と厚みをしっかり伝えてくれています。まぁ、100点付いたエルミタージュと比較しちゃぁ・・いけませんよね。
落ち着きを感じさせる胡椒・甘草やピュアなブルーベリーのノーズ、柔らかて軽やかなミネラリティにフィネスを感じます。中域も充分、ただし若さからのタイトさも少し、ボディの厚みがその若さを補うように膨らみを増大させます。余韻はしっとりしつつ非常に長い・・高い周波数のトーンで長くたなびきます。3年もしますとしっかり落ち着き、しかもかなり妖艶なアロマに変化して行くのが見えるようです。非常に素晴らしい仕上がりでした。
ドメーヌもののジャン=ルイ・シャーヴは、やはりこのサン=ジョセフクラスが手を出しやすいですよね。早めに飲みたい方は2週間ほどは立てて休養させ、冷やし気味の温度からお楽しみください。待てる方は3~5年置いてください。グレートな仕上がりのヴィンテージだと思います。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これはめっちゃ素晴らしい!今飲んでもポテンシャルの高さをバランス良く味わえると思います!】
2014年のドメーヌもののサン=ジョセフ・ルージュです。
サン=ジョセフはエルミタージュの対岸、コート=ロティのちょっと離れた南に位置し、その間には、シャトー・グリエやコンドリューなどの秀逸な白ワインの産地が有ります。
まぁ、サン=ジョセフはどうしても対岸にあるエルミタージュと比較される場合が多いですが、似たような部分も無いとは言わずとも、ゴージャスなドぶといエルミタージュ風にならないのが普通です。むしろ白の方が共通部分は多いかな・・と思います。
むしろコート=ロティをややスパイシーにしたようなニュアンスで、コート=ロティ同様に熟してくると、気高いシラーの特徴を現して来ます。
もしこれが2015年ものだったとすると、ここまで成長はしていないはずで・・・いや、今実に良い感じでした。エロティックで、官能さも出て来ています。ワイルドなニュアンスには皮革っぽい感じが有り、スパイスは落ち着いた質感の高いものです。
中域も良い感じに膨らんできていて、精緻さを失わないまま、見事な余韻を見せます。ちょっと熟した時のコルトンのようなイメージが重なります。
いや・・美味しいです!若くしてドメーヌもののエルミタージュを飲むよりも満足感は高いかもしれません。10年経ったら完全に置いてきぼりにされるかとも思いますけどね。
飲むタイミングの難しさ、面白さを感じさせてくれるワインでもありました。あの、正確無比で精緻、完全無欠のシャーヴのワインがこんなに色っぽくなると・・是非ご確認いただきたいと思います。お勧めします!