
ブルゴーニュの村名ワインはすでに4千円では購入できなくなってしまいましたが、北ローヌはエルミタージュの第一人者のクローズ=エルミタージュがまだこの位で購入できるのは、相当にリーズナブルなんじゃないかと思えてしまいます。
まぁ・・「エルミタージュ」と名前が付いたとしてもクローズ=エルミタージュは、エルミタージュの周りの畑で、同じ花崗岩質では有るものの、エルミタージュほどは安定した酒質にならない・・と言われていまして、事実、シャーヴのファルコネやドメーヌもののエルミタージュには及ばないものの、
「シャーヴのマルコネになる葡萄の畑はクローズ=エルミタージュで最上と言われている畑」
なんですね。
因みにシャーヴの畑は上記のように、
「ラルナージュとジュルヴァン等の畑」
でして、この2つに「レ・カシ」を加えたものがトップ・スリーと言われています。(・・今はどうなのかは・・追ってないので判りませんが・・)
ですが、いつもこのシレーヌを飲むたびに思うのは、
「こんなにリーズナブルで良いのかなぁ・・」
と言うことなんですね。

サン=ジョセフのオフェリュス(フィネスさんではオフルと言ってますが、noisy は昔から扱いが有ったもので・・ずっと意地でオフェリュスとしています・・今のところ・・)は、非常に丸く、複雑性が表に出た素晴らしいワインです。誤解を恐れずに言ってしまえばヴォーヌ=ロマネとかモレ=サン=ドニとかのイメージです。
一方、このシャーヴの出来の良い畑からのシレーヌは、ま~・・シャンボールタイプです。高質で縦延び型、ミネラリティにスパイスをやや抑制された・・何とも良い感じの内向きさが、おしとやかな女性好き・・判官びいき・・エレガント好きな人がきっと多いに違いない、ブルゴーニュワインファンにも受け入れられやすいかな?・・とも思います。
2021年ものは非常に良いです!2019年ものの写真が有りますので是非ご覧ください・・より赤い果実に長けているのが判ると思います。実に良い感じのチェリーな果実に、僅かに煙とか石が混じります。テクスチュアもバッチリです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【硬質さ、ワイルドさ、冷やかな果実・優しいスパイスを盛り込んだ「ツヤツヤ」に美しいディテールを是非感じてください!】
何かもう、後光が差してしまってややピンボケ気味?・・白飛び気味の写真になってしまっていますが、「モン・クール」並みに美しい色合いが判ると思うんですね。昨今はだいぶ視力が落ち、眼鏡を掛けたり外したりと、相当爺になってしまった自身がめんどくさい・・です。まぁ、一日のかなり長い時間をPCのモニターとお付き合いしてきましたから、
「いずれそうなる・・」
とは判っていたものの、この2年ほどで物凄く悪く成った感じがしています。パソコンとの付き合いも、おそらく誰よりも長い人たちのグループに入るでしょうから・・もう35年は経ってますから仕方が無いですね。
このクローズ=エルミタージュですが、本当にクローズ=エルミタージュらしさをしっかり持ちながらも、ローヌワインのネガティヴな面・・例えば、暑苦しいとか、酸が弱いとか、下手すれば濃すぎるとか?・・を全く感じさせない素晴らしい出来です。
このところのジャン=ルイ・シャーヴも全く神懸かり的でして、この一連のテイスティング・・・モン・クールに始まって、クローズ=エルミタージュ、サン=ジョセフ、エルミタージュの各赤白を順番に飲んだ訳ですが、このところは毎年のように、
「滅茶お美味しい!」
を繰り返して、しかも、
「以前より輪を掛けて・・」
などと書かざるを得ない・・例え本心からだとしてもですよ・・結構に心が痛い訳ですね。・・どこからか、「・・そんな訳、有るか!」的な言葉が掛けられている気がしてしまう訳です。
しかしそれは本心なので・・そこには何も苦悩しないにせよ、毎年のように前言撤回、今年が良いなどと、どこかボージョレ・ヌーボーの毎年のうたい文句のようになってしまっているのが気に入らないんですね。
ですが・・これは本物です。いつの間にか相当に濃密な・・・でも非常に質の良い甘く無いリキュールを口にしているような感覚にもなりますし、本当にサラッとしたタッチで喉を落ちて行く清冽な水のような感覚さえも有ります。その上で、
「あ~・・これはクローズ=エルミタージュ!」
と感じさせてくれる「お手本のワイン」的な表情も有ります。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【激ピュア!激ドライ!・・ヴィオニエを足さないコート=ロティ・・・までは行かないにせよ、とてもスタイリッシュな仕上がりでした!】
熟したら血っぽいニュアンスが飛び出して来そうな感じのするクローズ=エルミタージュでした。ブラインド・テイスティングですと、クローズ=エルミタージュ・・・とは中々に言い辛いかもしれない位、高質さと硬質さが入り乱れて感じられました。
2016年ものはもっと・・ケーキ的な味わいだったんですが、2017年ものは全くのドライで硬質なミネラリティがバッチリ載っています。
なので、今はやや線が細めではあるんですが、先々の伸びしろが凄いことになっている感じです。今すぐ飲むならサン=ジョセフ・オフェリュスの方が判りやすいし旨いです。
でも、「ポテンシャルを取って、それを美味しいと思える方」には、このクローズ=エルミタージュはバッチリですよ。noisy 的にはエルミタージュ的と言うよりは、コート=ロティ的、コルナス的に仕上がっていると思います。
ま~・・毎年、結構に違いますね・・。しかも近年、ジャン=ルイ・シャーヴはピュアさが物凄く増してきていますんで、さらなる高みへ行くと感じています。是非トライしてみてください!お勧めです!
以下は2016年もののレヴューです。
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【まさに「とろけるようなショコラ的シラー!」です。エルミタージュの名を冠しても恥ずかしくない凄い仕上がりです!】

いや~・・これも超絶に旨いです!・・クローズ=エルミタージュとは名ばかりで、
「エルミタージュのお膝元にすら辿り着かないワイン」
と言うのが定番でした。
まぁ・・価格も違いますからね。皆それで納得していた訳です。
しかし!
この「2016年のシレーヌ」は違いました。いや~・・素晴らしいです。何てったって、
「まったく甘く無い!」
のが素晴らしいですし、
「酸の構成が素晴らしい!」
と言えます。
ローヌらしいふくよかでまろやかな酸の構成を失わずに、さらにそれを増大しています。その結果として、
「・・あれ?・・エルミタージュ、開けちゃったか?」
とエチケットをマジマジと見つめる羽目になっちゃったんですね。
味わい、フレーヴァーは超高質の「ショコラ」です。「チョコレート」とは言いたくないなぁ・・これは「ショコラ」でしょう。上質のカカオを熟練の職人が丁寧に仕上げた、そのテクスチュアをも再現しているかのように思います。
そして、その奥には色の濃い果実がてんこ盛りです。滅茶高質なラズベリー!・・でも大抵の場合、そんな状況ですと、「下品」に感じてしまうんですよね。
暑苦しいとか、甘いとか、苦いとか、濃すぎるとか、スパイス臭いとか・・何でもネガティヴな言葉を連ねたくなってしまう訳ですが、すべてが高級なニュアンスに包まれているので、
「うわ~・・これ、旨い!」
となってしまうのは当然なのかもしれません。
noisy も、この暑い最中にこのワインのテイスティングをしています。しかし、
「まったく問題ない・・所か、もっと飲みたい・・!」
と・・思ってしまいました。
しかもこのプライスでしょう?・・有り得ないですよ。
ジャン=ルイ・シャーヴ・セレクション、確実に新たなレベルに到達したと確信しました。飲んで、是非ビックリしてください。旨いです!・・ブルゴーニュ好きの noisy が言うんだから・・間違いないと思ってください・・(^^ 超お勧めします!お早めにどうぞ!