
例えば・・いや、以前も同じようなことを書いたに違い無いんですが、このルーサンヌ種100%の白ワインを南ローヌで造っているシャトー・ド・ボーカステルの2020年シャトーヌッフ・デュ・パプ・ルーサンヌ V.V.は、結構に高価でして3万円ほどするはず・・です。因みにアドヴォケイトでは97ポイント、ジェームス・サックリングさんは96ポイントと言う評点でした。
まぁ・・この2020年サン=ジョセフ・シルカが同質であるなどとは・・言いません。ボーカステルのルーサンヌV.V.は果実感が化け物で・・まぁ・・半端無いです。好きか嫌いかは・・相当出るとは思いますが。良くも悪くもそのとんでもないゴージャスな果実をどう感じるか?・・と言うことになるかと思うんですね。
シャーヴさんのこの「実はすでにドメーヌもののサン=ジョセフ・ブラン・シルカ」はそう言うスタイルではなく、ブルゴーニュ・シャルドネと同一のエキス系なフレーヴァーの出方をしています。
敢えて言うならボーカステルは、ギイ・アミオのピュリニ=モンラッシェ1級レ・ドゥモワゼルをさらに濃厚にしたようなニュアンスで、敢えて言うならこの実際はドメーヌもののサン=ジョセフ・ブラン・シルカは、バシュレ=モノのピュリニー=モンラッシェです。・・イメージの話しですよ。
ですから、ゴージャスなケーキとレモンティー位の差が有るかもしれませんが、このシルカでは無いものの、シャーヴのドメーヌものの赤の2020年サン=ジョセフは上値97ポイントですから・・まぁ、対象が同じでは無いので比較にはならないものの、何かちょっと引っかかりはあるんじゃないかと感じます。

この2020年もののシルカが非常に良い出来でして、
「スペクテイター誌は93ポイント!」
付けているようです。
色彩もに濃い目の黄色をしていて美しいです。もっともボーカステルのルーサンヌV.V.は、「まっ黄色」と言うのが相応しいほど濃いですが。
それに・・そもそもサン=ジョセフは、ルーサンヌでは無く上質なマルサンヌを少量造っていたはずなんですね。ルーサンヌはもっと南が主体じゃないかと思っていたんですが、このシルカの存在で・・noisy のオツムのメモリに異常をきたしたままずっと放置されていますので、時折異常なことを言うかもしれません。
少しマッタリとしていて、肉厚なニュアンスをノーズ、口内で感じます。甘く無くドライで、その肉厚感には細やかな石灰系ミネラリティを含んでいるようです。中盤も厚みが有り、柑橘とスパイスをノーズに還しながら、ビター感と酸がちゃんとある長めの余韻を感じさせてくれます。安いし・・旨いし・・言うこと無しです。
6本入荷のところ、テイスティングしましたので販売は5本です。出来は非常に良いので是非、飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【実質ドメーヌもの!・・さらに樹齢が上がって来ればドメーヌものに格上げするかもしれない??・・ルーサンヌ100%です!】
良い出来でした!・・素晴らしい!・・と書きたいですが、物凄いマッチョなルーサンヌ100%の滅茶高級な・・いや、お高いワインも有りますから、そんなワインに比較するとどうなのかな?・・と言う部分も有って、少し遠慮しています。
ただしそのような超高級ルーサンヌは、物凄く熟れている感じですがもっと酸は無く、熟し切った果実のニュアンスに溢れている・・と思います。もっとも・・noisy もそんなに何度も飲んでいる訳では有りませんで・・手に入り辛いし!
こちらは花崗岩質が判るような、ちょっと「シャキッ」とした感じのミネラリティが感じられる味わいです。昨今のジャン=ルイ・シャーヴらしい、ほんのりとしたナチュラルなニュアンスも入って来ています。
2枚目の写真はちょっと上手く撮れませんで・・色合いをかなり調整しましたので、黄色がやや強めに出てしまった感が有ります。ご容赦ください。
それでも、いつもよりも黄色は強めに出ていまして、適度に果実は熟しつつ、酸もしっかり有る見事なバランスをしています。

そもそもローヌの白ワインは・・昔は、
「必ず10年以内に飲め!」
と言われたものです。
しかし昨今は様々にも技術が進歩して来ていまして、
「酸の無い、ちょっとダレた感じのバランスのワインがローヌの白ワイン」
と言うようなことは無くなって来ました。
特にこのシレーヌは、ローヌの白ワインらしくアルコール分はやや高めでは有るものの、
「そのバランスの中で味わいの組み立てが出来ている!」
と思います。
また、すでに自社畑の葡萄が100%と言うことで、将来的には「ドメーヌものに変更?」も考えられますよね。そんな時、もしセラーにこのワインが有ったら・・と考えると面白いんじゃないかとも想像してしまいます。
これも10年以上、しっかり持たせられるポテンシャルが有ると思いますし、今飲んでも華やかなアロマと、リッチなフレーヴァーが心地良いです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【濃密なのに瑞々しい・・ルーサンヌの美味しさが全開です!】
どこかのルーサンヌ100%のスペシャルなキュヴェは、もうとんでもない価格になっちゃってますが、こちらはタイプは違うものの、相当に高質に感じられるサン=ジョセフの白です。
6~7年前なら、リーズナブルさだけで販売していたような気もしますが、今はもう、このワインの素晴らしさ・・と言うか、今回入荷のジャン=ルイ・シャーヴ・セレクションは神懸かり的に美味しいことをお伝えしないといけない・・むしろそんな使命感がしてしまうほどの出来だと思います。
美しい黄金色をしています。ミネラリティは相当に高く、内部にではなく外部表面をコートしています。テクスチュアは滑らかですが、口内からノーズへと抜けるアロマはナチュラルさに富んでいます。それでいてビオ的なネガティヴさは一切有りませんのでとてもピュア・・。
ピュアなだけのワインは結構に辛い場合も有るんですが・・酸が強くてね・・とか、ちょっと一面的な押し付けがましさがね・・みたいな部分ですね。言ってしまえば、そんな感じはセレクションには有った時も有ります。
しかしながら、今回入荷のセレクションはどれも実に秀逸ですし、このシルカは非常に旨いです!
数が無いので申し訳ありません。是非飲んでみて下さい!・・でもきっとエルミタージュ・ブランが飲みたくなっちゃいますよ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【サン=ジョセフ・ブランってこんなに美味しいの?・・と言ってもらえると確信しています!・・しかも2016年と2017年ものの違いは顕著ですが、どちらも美味しいのはなぜ?】
2016年ものがちょっとキツイ写真になってしまいまして申し訳ありません・・。綺麗に撮れた2017年ものと色合いを合わせるように調整したらこうなっちゃいました。・・が、特徴は良く出ていると思いますので・・はい。
2016年ものは、透明でカッチリとしたクリスタル的なミネラリティがクッキリ出た味わいで、2017年ものの白く細やかな石灰が多く出た味わいとは、少し印象が違うんですね。
と言いますか、2016年のテイスティングは結構に前・・でして、
「ん??・・珍しく少し硬めかな?・・このバランスは滅茶美味しいけどローヌっぽいと言えるのかなぁ?・・」
などと思っていました。味わいは・・素晴らしいです。硬質でして、誤解を恐れずに言いきってしまいますと、ローヌのディディエ・ダグノー?・・みたいな感じです。
ところがですね・・つい先日飲んだ2017年がまぁ・・白い石灰が繊細に、膨大な量・・有りまして、蕾や花、果実の表現が、今飲んでも滅茶素晴らしい・・んです。
「・・んまいな!・・これっ!」
と思わず言葉が漏れ出て来てしまいました。と、同時に2016年ものとの結構な違いにも驚いた次第です。いや、2016年ものが駄目だと言うんじゃなくて、硬質で美しいものと硬軟併せ持った美しいものの差・・と言うことですね。

これ、比べて飲むと面白いと思いますよ。どこかエルミタージュ・ブランも同様のニュアンスが有ります。このサン=ジョセフ・ブランほどではないですけどね。
だって・・これだけ色彩が違うんですから。ディディエ・ダグノーのワインの写真を撮ると、上の2016年もののように映ります。決して下の2017年もののようには・・ならないでしょう?2017年ものはどこまでも細かくしたような石灰とかのニュアンスが映り込んでいるかのように見えてしまいます。
また、2016年ものからは、やはりピュアさ・・英語だとピュア・クラスと言うんですか?・・判りませんが、以前よりも膨大になってきています。すぐに判るほどの違いです。
トンでも無く美味しいです。シャルドネばかりじゃ詰まらないじゃないですか・・是非トライしてみてください!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【緻密でクリーミー!!プティ・エルミタージュ・ブランです!】
どこを探しても2015年のシルカの写真が見当たらず、2013年ものだけで・・すみません。写真を撮った直後に処理しておけば良いんですが、中々予定通りには進みません。
2013年ものは随分前に入荷したものです。徐々に減ってまして・・こんな感じの数です。勿論追加は有りません。
2013年ものの、やや冷ややかな酸がしっかりと有る味わいに対し、2015年は少し若いですがゴージャスでやや柔らかみの有る酸です。
プティ・エルミタージュ・ブランと言ってしまうのは、細かなニュアンスでは異なりますが、たっぷりとしていて豊満、オイリーでゴージャスな味わいを、ややスケールダウンした・・と言う部分では、許容範囲かな・・と思います。
それでも緻密なニュアンスはエルミタージュ以上、土壌の違いからでしょうか、口内をフルにさせるようなパワーは及ばない・・と言う感じでしょうか。テクスチュアはむしろサン=ジョセフ・ブランの方が緻密とも思えます。もっとも、ドメーヌもののエルミタージュ・ブランは物凄く緻密ですけどね。
勿論とてもドライで、やや軽快に感じるミネラリティがたっぷり有り、中域の膨らみも充分、白や黄色の果実は北のもの、南のものの混在です。
マッチョで重くなり過ぎない、かと言って軽く無い、ちょうど良い感じだと思います。下の以前の記事は、南部のシャトーヌッフのルーサンヌと比較していますね。まぁ、ローヌ北部ですんでコート=ロティの方が全然近いですから、品種と言う観点からは下記の記事をご参考にされると良いと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は2011年の、名前は変わりましたが同じワインのご紹介分です。
━━━━━
【素晴らしいルーサンヌ!!トップにも肉薄!】
ブルゴーニュ・ラヴァーが非常に多いnoisy のお客様には、一体どうやってこの素晴らしいワインをお伝えしたら良いのか・・頭を抱え込んでしまいたくなるようです。
まず一般的なローヌのワインの、
「厚ぼったいイメージ」
は・・まず捨てちゃいましょう。ファーストノーズに香るアロマはオイリーで冷ややか・・まるでブルゴーニュ・シャルドネの超高級クラスのようですよ。
サン=ジョセフと言う村・アペラシオンは北ローヌですから、南ローヌのシャトーヌッフとは違うとは言え、「ルーサンヌ種」 で超有名且つ超高価なワインが・・・有りましたよね?・・たまにご案内させていただいている・・
「シャトーヌッフ・デュ・パプ・ルーサンヌV.V. シャトー・ド・ボーカステル」
がそうです。アドヴォケイトが100点付けたとかどうしたとか、非常に騒々しい中でのトップ・キュヴェですが、
「・・・美味しそうなのは判る・・でも、ルーサンヌって・・何よ・・?」
と言うのが、我が愛しいブルゴーニュ・ラヴァーたちの率直な気持ちじゃないでしょうか。
「・・だって・・飲んだこと無いし・・」
ですよね?
この、緑が透けて見えてくるような素晴らしい色合いをご覧ください。オイリーさも何となく見て取れるんじゃないでしょうか。
中域の出方、膨らみはシャルドネとはちょっと違って感じられるでしょう。こちらのサン=ジョセフ・ルーサンヌの方がフレキシブルで、ブルゴーニュ・シャルドネの方が幾分タイトに締まっていると思います。ミネラリティも実にしっかりしていて、むしろこちらの方が滑らかで飲みやすい・・かもしれません。
また酸の冷ややかさは特筆もので、
「おいおい・・本当にローヌかい?」
と思ってしまうかもしれませんよ。
おそらく緻密な組み立て方が出来る能力をお持ちなんですね。ボリューム感は充分有るものの、力任せな部分を感じず、非常に精緻・・現状で非常に旨いです。
ルーサンヌ100%で、しかもドメーヌものでのリリースでは有りませんが、このセレクションの畑も90%近くが自社畑だそうですんで、
「・・なるほど、完成度が高いわけだ!」
と頷かされました。
価格も非常にリーズナブルと言えると思います。これより北に向かえばコンドリュー、シャトー・グリエ・・・そしてコート=ロティーと続く地です。是非飲んでみて欲しい素晴らしい高級白ワインです。お奨めします!