
素晴らしい仕上がりでした・・ちょっと飲むのを忘れていまして、随分と放置してしまいましたが、むしろそれが良い結果を生んだようで、今飲んでも滅茶旨いです!
2020年もののグラマラスな方にちょっと寄った味わいとはまた少し異なり、柑橘系のフレーヴァーにリアルさが有って、良く香るんですね。しかもクリスタルなコーティングがされているようなニュアンスで、ローヌ南部の白ワインとも思えぬような美しく伸びやかな酸バランスが有ります。
2千円ちょっとのワインですが、この柑橘のニュアンスと適度に引き締まったボディ、そして酸の優れたバランスから、
「ん、これはコート=デュ=ローヌのブラン!」
と・・しっかり正解を導き出せる方がどれだけいらっしゃるか・・。
むしろ皆、ブルゴーニュのシャルドネのつもりで飲んでしまうんじゃないかと・・そんなニュアンスが感じられます。
それに暑い時期ですと、比較的品温を下げて飲みたくなりますが、そんな時も味わいや香りが沈まないバランスをしていると思うんですね。

ブルゴーニュのシャルドネが適度に開いた時は、ほんのりと甘みさえ感じると思います。勿論、残糖分が若干なりとも残りますから・・その性も僅かには有ると思いますが、実際にはわずかな残糖は、人間にはほぼ検出できないんですね・・酸が有りますから、その陰に隠れてしまいがちです。
ですがその酸バランスが甘みを感じさせるようなベクトルを持っていますと、単に甘いとは感じず、「旨味」「エキス味」に近い捉えられ方をすると思います。誰も・・無化調の豚骨ラーメンに砂糖が入っているとは思わないかと・・思いますが、甘みも感じますよね。
最近、健康のために・・?・・高カカオポリフェノールのカカオ86%と言うのを稀に口にしていますが、最初に食すと・・
「全く甘みを感じない」
んですね・・。
「に、苦っ!」
に近いニュアンスです。
ですが結構に後を引くので、また一つ、口に放り込むと・・今度はちゃんと甘みも感じるし、食べ慣れてくると結構甘さが有るんです。
まぁ・・これには少量の砂糖を使用しているんですが、タンニンでマスキングされてしまって・・最初のうちはそれに気が付かない・・でも慣れて来てタンニンが気にならなくなると、その砂糖類の甘みとタンニンの苦みから変化して感じられる甘みが合わさって・・「結構・・それなりに甘い」と気付くのかな・・と思います。
その位、酸バランスが冷ややかで丸いんですね。素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【薄っぺらでは無く、暑苦しく無く、ナチュラルでピュアなバランス最高のCDRブランでした!】
ル・カイユの赤のコラムでも書きましたが、
「今まで扱って無くて・・すみませんでした!」
とお詫びしたくなるような素晴らしい出来でした!
それは自然派ならではのアロマのスピード感と太さ、自然さと、味わいのディテールの美しさとバランスの素晴らしさです。一般にこのクラスは、丸いパレットを描くことは少なく、どこかがとても出っ張っていたり凹んでいたりするのが普通・・特に若い時はその傾向が強いんですね。
しかしこの2020年のル・カイユ・ブランは、
「半端無いバランスとディテールの美しさ!」
を感じさせてくれました・・ちょっと驚きです。
これなら上級キュヴェのブーケ・デ・ガリグなども、昔とは全然違っているんじゃないかと・・思っていますので、いずれ確かめてみたいと。
それで何とか良い写真を撮ろうと頑張っているんですが、スマホを変えた性で上手く撮れないんですよ。

左の写真・・みて下さい。完全にボケちゃってます。まぁ、焦点をコルクの方に持って行ったので仕方が無いんですが・・
「撮ろうとすると画角が勝手に変わってしまう!」
んですよ・・例の3ツ目のiphoneです。「クルッ」と・・画角そのものが変わってしまって、せっかく接写で良い色が撮れる角度に行き着いても・・「クルッ」です。
なので、焦点もズレてしまう・・ので、こんな写真になってしまうんですね。もう少し練習して良い写真になるように頑張ります・・。
で、このCDRブランですが、ま・・価格から言いますと、超お買い得です。しかも、
「自然派は良いがビオは余り好きじゃない」
とか、
「ビオでも良いが、揮発酸ぷんぷんは・・止めて欲しい」
と思われていらっしゃる方にもドンピシャです。冷ややかでエレガントな・・マッチョでは無いローヌの白に出会えます。
勿論ビオ好きにも対応できると思いますよ。アヴァンギャルドが大好きな方には綺麗過ぎて物足りないかもしれませんが・・。是非飲んでお確かめください。素晴らしい出来だと思います。お勧めです!