レ・コステ・ディ・ジャン・マルコ・アントヌッツィ
レ・コステ・ディ・ジャン・マルコ・アントヌッツィ
イタリア le Coste di Jean Marco Antonuzi ラッツィオ
● とんでもないワインです。誰も知らない?品種で、唖然とさせるようなアロマを振りまく美しいワインを造ってしまいました。ブルゴーニュのアリス・エ・オリヴィエ・ド・ムールで修行したジャン・マルコ・アントヌツィがラツィオの荒地で造っています。珠玉の味わいは、ある意味イタリアを感じさせず・・・国境の無意味ささえ感じさせてくれます。
↓エージェント情報です。
【若きカップルの、実験精神にとむブドウ畑】
巨匠の畑姿だけでなく、若手ワイン人の気概とすでにして垣間見せた実力にもまた、大いに感心した。その場所はイタリア中部の内陸部で、ワイナリーの名は今のところ、L.C.とだけ。近々ワインが完成した暁には、正式にご紹介するとしよう。あいにく、まだブドウの木が若すぎて、自社畑産のワインを一本も造っていないのが現状。なのに、なぜL.C.の実力を確信しているのか。畑の設計・考え方と作業方法(多様な地形と地質にあった品種構成の模索と、そのための飽くなき実験)が説得的なだけでなく、同地区産の買いブドウによるワインが、既に気品を放っていたからです。若きワインメーカーのカップルは、フランスで醸造学を了えたあと、尊敬すべきワイナリー各所でみっちりスタジエしてからイタリアに戻り、念入りな畑造りに乗り出して、まだ数年にすぎない。けれども、彼らの評判は、優れた同業者のあいだですでに国境を越えている。
これまた炎天下のなか、斜面を上下しながらの3時間におよぶ説明は、きつい日焼けのおまけ付きで、造り手の精神構造を余すところなく伝えてくれた。後にセラーと居宅で受けた画像つきの説明もまた、印象が深い。畑の開墾法(アルザスの畑造りの名人が現地で手ほどき)、独特な接木法(若木の「アイ」の切片を、瞬時のうちに巧みに台木に張り合わせて上から縄紐でしばるだけ)と、クローンの出所(たとえばサンジョヴェーゼは、ソルデラから分けてもらったよし)を補って考えれば、十分に将来が想像できる。はたして、小さなセラーで試飲したネゴシアンものは、澄んでいながら複雑な風味をかもし出していた。帰国後の試飲用に携えてきたネゴシアン製ワイン各種も興味深い出来ゆえ、今秋中にはこれらを少量ばかりご案内できる手筈である。
(塚原正章さんの文章です)
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イタリアの伝統の未来に向けて/レ・コステが船出
AZIENDA AGRICOLA LE COSTE DI GIAN MARCO ANTONUZI
CLEMENTINE E GIAN MARCO
「昨年のイタリア便り」のなかで塚原が、L.C.という頭文字でお知らせした生産者が、いよいよくっきりと姿を現しはじめました。生産者(会社)名は、《レ・コステ》で、正式にはレ・コステ・ディ・ジャン・マルコ・アントヌツィ。所はイタリア中部で、オルヴィエートから車で1時間足らず、ボルセーナ湖の近傍にある内陸地のグラードリ。イタリア人のジャン・マルコと、フランス人のクレマンティーヌというカップルが、あらたに開いた3ha強の土地で、妥協を排しながらも実験精神にあふれたビオディナミ流を追い求め、尋常でない才能と努力をかたむけています。
おいしく楽しいワインが目に浮かぶ、ジャン・マルコとクレマンティーヌの明るい未来。 2007年秋、ほんのわずかだけ彼のファースト・ヴィンテッジが入荷いたしました。これから少しずつ、美しくておいしいワインが届きはじめます。思い出しただけでも、心がわくわくしてきそうな畑、セラーと、ジャン・マルコ本人。まだまだ植えたばかりゆえ、気の遠くなるような話ですが、間違いなく本格的な大型新人の登場です。
ローマっ子のジャン・マルコは法律を学び、その頃はまだ手が届く価格であったエドアルド・ヴァレンティーニを、毎日のように楽しんでいたそうです。優しいまなざしの中に、鋭さを秘めたジャン・マルコは、コルビエールでワインを造っていたクレマンティーヌとともに、父上の出身地にもどりました。グラードリの村でワイン造りをする決心をしたのは、景勝地として名高いボルセーナ湖に臨む父方の故郷には、素晴らしいテロワールがあり、牛・ロバ・馬・羊を育てながらのブドウ栽培ができる環境があるからでした。そうです、彼は自前のプレパラートでビオディナミを実践し、セラーの奥に接する理想的な冷涼な洞窟の中で、自然派の極致ともいうべきワインを造ろうとしているのです。ワイン造りは、ジャン・ダール、パカレ、リナルディ、ディディエ・バラル、ジェラール・シュレールで学び、サンジョヴェーゼの苗は、ジョヴァンナ・モルガンティとジャンフランコ・ソルデラから、アレアティコはマッサ・ヴェッキアから入手。畑の1/3はヴィーニュ・フランセーズと聞いただけで、興味をもたずにおられるでしょうか。
2002年に初めて彼に出会って以来、私は「あなたがワインを造ったら、一番に知らせてね」と言い続けてきました。ブルーノ・シュレールから「彼はまだ植えたばかりだから、当分ワインは出てこないよ」と聞いていましたが、2006年に近隣のブドウを分けてもらって、ロッソ、ビアンコと甘口ワインを一樽づつ作ったと聞き、まず塚原が昨年6月に飛んでいきました。奥行き30mもある洞窟には、リナルディから譲り受けたスラヴォニアン・オークのボッテが二つと、パカレから譲り受けた600リットルの樽、大小さまざまな実験的なキュヴェが控え、ワインはいずれも不思議なほど還元臭や酸化香の片鱗すら感じさせない、優しく美しい味わいです。
なお、フラン・ピエ中心の畑でブドウの生育に年月がかかるため、本格的な生産はこれからですので、楽しみにじっくりお待ちください。
(合田泰子さんの文章です)
●N.V.(2015) Litrozzo Rosso V.d.T.
リトロッツォ・ロッソ V.d.T.
【取り合いになっている1Lものです!】
もう・・すぐに無くなっちゃうので飲む訳にも行かなくなったリトロッツォのロッソです。今回は24本だけで終了です。
レ・コステの赤は、白に比べると「ビオっぽさ」は少ないですが、ナチュラルはナチュラルなんですね。だから、非常に「ピュア」に感じると思いますし、危険なニュアンスの無い美しいワインです。
引くて数多なのでこちらは飲まずにご案内します。以前のレヴューで申し訳ありません。お早めにどうぞ。
以下は2012年のリトロッツォのレヴュー文です。
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【素晴らしい!びっくりすること請け合いです!グイグイ~っと飲んで、後からピュアな果実の旨みが戻ってくる・・・そんなイタリアのデイリーな地ワイン!】
感覚を言葉で表すことはとても難しいです。有る意味、そんな超難物が仕事になってしまった noisyですが、元々は、自分の感覚だけが頼りで、頭では何にも判ってない・・・つまりは感覚を説明することが出来ない、普通の若造だった・・んですね。もし近かったことが有ったとすれば・・・曲作りにおける作詞とか・・・しか思いつきません。
時折、昔取った杵柄で、ギターを片手に友人と飲んだりする訳ですが、例えばnoisy自身 が知らない歌でも、何となくギターで合わせてしまったり、知っている曲なら相手が歌い始めたキーで伴奏を始めたりすると、
「・・・何でそんなことが出来るのよ?この曲、知らないんでしょ?」
とか、
「・・・もしかして、絶対音感・・・持ってます?」
などと聞かれたり・・・する訳です。
まあ、そんな事を尋ねられても、「絶対音感」の意味が良く判らないし、知らない曲でも「感覚で」どこにコードが向かうかを想像して勝手に反応してしまうので、
「・・・説明しろたってそんなもの判らん・・」
としか答えようが無い訳です。若い頃は、TVとかラジオから流れてくる曲が、ドレミの音程で聞こえていましたし(聞こえるのは今でも・・)、世の中の誰もがそうだと思っていたわけです。だから、むしろそんな事をどうやって説明するか、自分はどうやってその音をドレミで理解しているのかなど、考える事さえなかった訳です。
絶対音感は、曲がドレミで聞こえること・・という定義であれば、きっと持っているんじゃないかな?と言えますが、絶対音感と言う言葉の響きからは、440ヘルツの「ラ」の音が体に染み込んでいる人・・・というような意味にも取れますので、精度がビッチリ有る訳では無いnoisyとすれば、それなら持ってない・・と言うしか有りません。まあ、大体、昔はラの音は440ヘルツじゃ無かったし・・。
基本的にはnoisy は、自分の中で自分が持っている有る何個かの音を無意識に聞いていて、その相対感覚でドレミを勝手に理解しているのだと・・・今は、そう言えると思います。・・・音楽に興味の無い方には、全く詰まらない話で申し訳ありません。また、能力をひけらかすつもりでも・・・有りません。嫌らしく聞こえたらすみません。
重要なのは、最後の部分で、「自分の持っている音を無意識に・・」と言うところ、すなわちいつの間にかなんらかの基準を持ち合わせて生きてきちゃったこと・・・です。それがたまたまnoisy の場合は「音」だったのかな?と・・・。例えば、金管や木管の楽器を長くやられた方は、Bb(ビー・フラット)の音が感覚的に染み付いていらっしゃるんじゃないかと・・思うわけです。
例えば、フランスなどの水が余り良くない国の家庭では、子供の頃からワインを薄めて飲んでいたりします。気付かずに感覚を養うことに・・・なっている場合が有るんですね。小さいうちから音楽をやっていると、音感が良くなる・・と言われるのに近いかな?と思っています。
それに、まあ、ワイン好きに音楽関係者の多い事ったら・・・ビックリするくらいいらっしゃいますよ・・・。
「えっ?あなたも・・・そちらのあなたも?」
みたいな感じです。・・・でも、ここはあまり関係無く・・・
レ・コステのアントヌッツィさんたちも、きっとそんな「身に付いた(付いてしまった?)感覚」の持ち主なんでしょう。noisy がいつも思うのは、
「この造り手はセンスが有るなあ・・とか無いなぁ・・とか」
です。きっと、彼らも「気付かずにか気付いてかか、自分にしか聞こえない音(嗅覚・触覚)を持っているんだと思います。先行きがちょっと恐ろしい造り手です。
■リトロッツォ・ビアンコ・ヴィノ・ダ・タヴォラ
かなり素晴らしいデイリー・・・白です。ワインは・・・濁ってます。フィルターが軽いんだと思いますが、しばらく立てておくと綺麗になります。口入れは、
「ちょっと物足りないかな・・」
位の感覚なんですが、二口、三口と飲み進めると、じんわりと果実や旨み、ボディが出てきます。全く疲れを感じさせないスムースな飲み口なんですね。もし、こんなワインを造っている生産者が近くにいたら、毎日瓶を持って買いに行っちゃうだろう・・・♪♪・・と思いますよ。これ、有る意味究極なんじゃないかな?と思います。是非飲んでみてください。トレッビアーノ主体・・・いっぱい買いましたが・・・かなり減ってます。
■リトロッツォ・ロッソ・ヴィノ・ダ・タヴォラ
極少量のリッターデイリー赤ワインです。これも中々に素晴らしいですが、現在ちょっと閉じてしまっています。ですので、白ほどのパフォーマンスは有りませんが、透明感がバッチリ出た、可愛らしいアロマと果実味の、リーズナブルなデイリーになっています。いずれ、2~3カ月かかるかな・・・とは思いますが、暖かくなってきた頃には、ほぼ全開で楽しめるんじゃないかと思います。グレゲット主体ですが、残りあと数本で終わりです。
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