
デステザルグがリリースするワインにはいつも驚かされてしまいますが、ま~~・・
「このプライスで信じられないほどの極上の仕上がり!」
を感じさせてくれると思いますよ。
エージェントさんのテクニカルでは「サンソー100%」となっていますが、
「ブラインドでそれを言い当てるのはかなり難しいといえるほど成熟したブドウから造られています」
とのことで、noisy なら・・
「畑は判らないけど・・もしかしたらピノ・ノワール・・?ブルゴーニュの・・?」
と言ってしまいそうなイメージに仕上がっています。
サンソーだとはちょっと・・・思えません。冷ややかな酸の丸いバランス、一体感から単一品種を思い浮かべてしまう・・・、そしてピノっぽい総体の味わい、早めに収穫したのではない、ドンピシャよりはほんの少しだけ過熟・・と言うより、タンニンが成熟するのを待っての収穫をされたピノ・・・だと思ってしまいます。
おそらくそれは、ブレンドされたサンソーの畑が、結果的にブルゴーニュのテロワールに似ていることに他なりません。ベリーやチェリー的果実で甘く無く、酸が冷ややかでシームレスで濃くないワイン・・
「ピノだろう!?」
と感じてしまうのは無理ないところです。
しかしサンソーなんですね~・・・。それもこの充実した味わいでこのプライスです。コート=デュ=ローヌですよ?・・トップ・クラスのバランスを持っています。
フランスでは多くの自然派の料飲店がこのワインを使っている・・と言うのも判ります。定番のシニャルグ(コート=デュ=ローヌ・ヴィラージュ)もめっちゃ旨いですが、ローヌ的な味わいですし、さらにしっかりもしているんですね。
しっかりしていない・・訳では無いんですが、
「シニャルグほどまで要素が空間を埋め尽くさない美味しさ」
もしくは、
「なんでも埋め尽くせば良いと言うものでも無い・・余裕が生む美味しさ」
と言うのでしょうか?2017年ものがさらにその驚くべき特徴を大きくしているヴィンテージである・・と言うことなのかもしれません。
まぁ、飲んでいただけましたらお判りになると思います。絶旨い!・・ピノじゃなくてコート=デュ=ローヌです。安いです!お勧めします!

■パリ 自然派ビストロ・ワインショップの定番
美食と文化の都パリには多くの自然派ワインを扱うビストロやワインショップがあります。「ラ ヴィーニャ」「カーヴ オジェ」「カーヴ デ パピーユ」「ル ヴェール ヴォレ」。こういったお店の顧客は主に近隣に住む人たちで、彼らはその日の夕食に飲むためのワインを買いに来ます。友人を招いての夕食にはシャンパーニュを、大切な記念日には熟成したグラン ヴァンを、日々の食卓には手ごろな価格のワインを、といったようにその日その日の食卓にあわせたワインを求めてやってくるのです。
様々な種類のワインの中でもデイリーワインとして多くのお店でお勧めされているのが、フランス最小規模の協同組合であり、フランス最上のこだわり協同組合であるエステザルグ協同組合のワインです。特にエステザルグ協同組合の看板ワインとなるレ グランド ヴィーニュは、味と価格のバランスにうるさいパリの若者に大人気のハイコストパフォーマンスなワインとして知られています。
エステザルグ協同組合は、ローヌ河南部の街アヴィニョンの南西側に位置しており、加入者が10名たらずというフランス最小規模の協同組合です。協同組合といえば、多収量・低価格のブドウを生産者から買い入れて価格の安いバルクワインを造るというのが一般的ですが、エステザルグ協同組合ではそれぞれの生産者が品質にこだわったワインを造り、自らの名前をエチケットに記してリリースしています。「協同組合」としての大きなメリットは、農機具や新しい醸造設備を共同で購入したり、醸造アドバイスを受けるシステムが構築しやすいなど、品質向上に向けた資金面でお互い協力し合える点といえます。
栽培に関しては、各生産者の畑は可能な限り有機栽培で管理されており、化学肥料や除草剤は使用しません。その他農薬に関しても必要最小限な場合に限り散布する「リュット レゾネ」の手法を導入しています(ヴィンテージによってもしくは、生産者によっては全く使用していない場合もあります)。この地域では、複雑な地層や多様なブドウ品種によってコクとボリューム感に富んだワインが造られており、エステザルグ協同組合では、それぞれの畑の個性をワインに反映させるために原則的に区画間のブレンドを行わずにワインを生産しています。
醸造においては、各生産者のもとで選果されたブドウを醸造所に持ち込み、コンクリートに埋め込まれた巨大なステンレスタンクにて発酵させます。酵母はブドウの実に付着する自然酵母のみで、醸造中は亜硫酸(酸化防止剤)を一切添加しません。その後、熟成もタンクにて行い、極少量の亜硫酸(酸化防止剤)を添加してボトリングされます。この規模の生産量を手がける造り手で、醸造中に亜硫酸(酸化防止剤)を一切添加しないというのは異例中の異例と言えます。
このようにエステザルグ協同組合では、いわゆる「協同組合」のがぶ飲み用ワインとは一線を画した品質主義のワインを生産しています。この協同組合をここまで高品質なワインを造る生産者に育て上げたのは、現在、南フランスのルーション地方で自らワイン造りを行うフラール ルージュのジャン=フランソワ ニックです。彼はこの協同組合を指揮し、多量のワインを高品質に、自然な造りで生み出していました。彼が独立した後もそのコンセプトを引き継ぎ、各生産者達がそれぞれに素晴らしいワインを造り上げているのです。
エステザルグ協同組合の特徴
いわゆる有機栽培の「ビオロジック」、もしくは極力農薬の使用を避ける「リュット レゾネ」による栽培
樹齢の高いぶどうから生まれる豊かな風味
土壌の個性を生かし、区画ごとに分けた収穫
平均35hl/haと低い収穫量で高い品質
自然環境に生息する自然酵母を使った発酵
発酵から熟成中は、亜硫酸(酸化防止剤)を添加しない
厳密な濾過(ろか)や清澄を行わずに瓶詰め