
素晴らしいポテンシャルをみせた2010年のラヴロットは、まぁ・・感動的な味わいでした。それでも飲まれるタイミングに寄ってなのでしょうか、
「少し硬かったなぁ・・」
とおっしゃる方もいらして、それがシャンボール的なミネラリティ由来の硬さからの言葉なのか、そこそこ要素を放出していて充分に美味しいけれど、言われるほどに柔らかくは感じなかった・・と言う意味なのかは不明でした。それでも・・
「いや~・・素晴らしいですね~・・」
と感想をいただいた方も多く、ガストロノミーに拘りたくなるような美味しさを判っていただけたかな・・と思っています。
で、今回はさらにバックヴィンテージの2009年に遡ってのご案内になりました。
実はこのワイン、2月9日にテイスティングしていまして、今までご案内しなかったのには訳が有ります。それは、
「現在の状態は2010年ほどは柔らかく無い・・」
と判断したから・・なんですね・・。官能さに見事な質の果実感を現していた2010年に比較すると、果実感がその時点では後退していましたので、
「ん?ジュヴレ1級?シャルムか?」
みたいなニュアンスでして、そこへ持って来て、まるで甘味もへったくれも無いものですから、鳩とかのジビエに良く合うなぁ・・みたいなニュアンスだったんですね。
で、ここへ来て気温も上がり始め、今まで硬かったワインもようやくその殻を破り始めたので、
「・・そろそろ・・良いかな?」
と言うことでのご紹介です。
また、筆頭グラン・クリュと勘違いするほどグレートな2010年並みのポテンシャルには届かず、良いところシャルム=シャンベルタンクラスのポテンシャルで、言わば、アペラシオン通りの1級クラスドンピシャ・・と言うところの仕上がりかと分析しています。
まぁ、2010年はもっと高価でしたから・・価格は正直なのかもしれませんね。
それでもかなりの出来で有ることはうかがえる素晴らしい官能さが有ります。果実感がやや後退していてドライですが、その分マリアージュは懐が深くなりますし、熟成と共に、
「・・お!・・ここまでのポテンシャルが有ったのか・・」
と再評価されるかもしれません。
いずれにしましても、非常に優れた高貴さを持つ素晴らしいシャンボール1級です。是非ご検討いただきたいと思います。お勧めします!少量です。
以下は凄い仕上がりだった2010年のラヴロットのレヴューです。
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【凄い!まるでボンヌ=マール!・・紫なカシス、黒茶のドライなモカ!赤いチェリー!・・滅茶苦茶複雑で、しかもバランスが真ん丸です!】

余りに素晴らしい・・これからはミスター・パーフェクトと呼びたいオルヴエ・バーンスタインの2010年、シャンボール1級レ・ラヴロットです。
かのグラン・クリュ・ボンヌ=マール直下に有る1級レ・ラヴロットですが・・
「まるで飲み頃に近くなってきたボンヌ=マール!」
と言いたくなるような物凄いパフォーマンスです。
シャンボールの南にある、あのミュジニーやレザムルーズのような、
「赤さや繊細さを前面に出したシャンボール」
では有りません。
もっと「紫や茶、黒を丹念に織り込んだ赤」です。クラクラするような香りは実に太く、脳髄直撃弾です。ミュジニーのように軽やかに香る香水系のものでは無く、活火山の底からマグマのように湧き上がってくるようなパワフルさも有ります。
非常にドライなのに旨みを持つエキス、酸の構成が旨みを多く引き出すかのようなものになっています。そしてピュア感が奥から少しずつ前進してきます。
その上で、非常にバランスに優れています。今飲んでも実に旨いです・・このワイン、平気で30年以上持つでしょう!
そして、ジュヴレ=シャンベルタンはツイツイ美味しくて・・グラスを重ねてしまいますが、このレ・ラヴロットはね・・何度もグラスを回し、香りを楽しみ、少量を口に含んで口中を回し・・長い時間を掛けて素晴らしい要素と向き合うことを要求されるような感じなんです。某大な要素を取り切るまで次のグラスを要求しない・・と言うか、ワインの大きさが飲み手のペースをリードするんですね・・異常に長いフィニッシュに酔いしれると思います。圧巻なボンヌ・・いや、レ・ラヴロットでした。
飲み頃とは言わないが、飲んじゃっても目茶素晴らしいです!
価格は2008年ものののご紹介時より上がってしまいましたが、これでも凄く頑張ってます!23000円上代ですから!・・是非ご検討くださいませ。
以下は2008年もののご紹介文です。
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【ビオ?アンリ・ジャイエ?DRC?クラシック?】 
とにかく一度これを見ていただきましょう。日本の正規エージェントさんの価格表です。2011年ものの案内のコピーです。
ジュヴレシャンベルタン・ヴィラージュ 12000 円
ジュヴレシャンベルタンレ・プルミエ・クリュ・カズティエ 23000 円
ジュヴレシャンベルタンプルミエ・クリュ・レ・シャンポー 23000 円
シャンボールミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ラヴロット23000 円
シャルムシャンベルタングラン・クリュ42000 円
クロヴージョ・グラン・クリュ42000 円
クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ50000 円
ボンヌマールグラン・クリュ50000 円
マジシャンベルタングラン・クリュ56000 円
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズグラン・クリュ68000 円
どうです?・・凄いでしょ・・
そしたら、こちらも見ていただきましょうか・・・アドヴォケイトの2012年の評価です。2012年です。
Olivier Bernstein
Chambertin Clos de Beze Grand Cru 95-98
Chambertin Grand Cru 94-97
Mazis-Chambertin Grand Cru 94-96
Bonnes-Mares Grand Cru 94-96
Clos de la Roche Grand Cru 93-95
Clos de Vougeot Grand Cru 92-94
Charmes-Chambertin Grand Cru 91-93
Gevrey-Chambertin 1er CruLes Cazetiers92-95
Gevrey-Chambertin 1er CruLes Champeaux92-94
Chambolle-Musigny 1er CruLes Lavrottes91-93
Gevrey-Chambertin Villages 89-91
どうです?・・スッゴイでしょ・・2007年から造り始めたとは思えないですよね?マスター・オブ・ワイン資格者とか、著名ワインライターさんたちを虜にしてしまったのが、オリヴィエ・バーンスタインさん・・なんです。
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でもな・・・ジュヴレで12000円は厳しいよな・・と思っていたら・・2008年、2009年を破格に分けてくれるとB*R社さんがおっしゃるので、コンディションも安心できるものですから、飛びついてしまった訳です。
で、左の写真のように・・・損得考えずに開けてしまった訳ですね!・・・パチパチパチ!・・
ある意味、ちょっと頭をバーンと・・・いや、バーンしたいん・・、ガーンとやられたような感じがしました。ジャイエのところでも少し勉強したようですが・・・まずは2008年ジュヴレを飲まれると良いかと思います。数が無いのでお一人様1本にて・・
2009年ジュヴレは普通にメッチャ美味しいですが、これだけを飲むと勘違いするかもしれません。2008年を飲むとバーンスタインが良く判るはずです。
2008年ジュヴレは、抜栓直後は、まるでシャンボールのようなやや硬いビオ系のブルゴーニュ生産者のワインに思えます。しかしながら、非常に美しく、マンモス綺麗な味わいなんですね。とことんまで美しい・・そしてそれが!
コルクを戻して3日・・・これはビックリしますよ・・・。
「そうか~・・こうなるんだ~!」
と。
香水のような凝縮したエキセントリックな香りがポンポン沸いてきます。味わいもチェリー、ベリーのリアルなもの!中域が美しく膨らんでとても美味しいです!
抜栓直後にこうなると・・想像できると大当たり!です。2009年は最初から美味しいので・・・構造自体を把握できないと思います。ですが美味しい!
で、このジュヴレ村名に関しましては、オリヴィエもレストランさん用に造っているようです。1級、特級だけでは高過ぎるんでしょうね。表を見たらビックリしちゃいますよね。
で、ボンヌ=マール直下のシャンボール1級レ・ラヴロットですが、もうこれは・・・愛らしくて苺てんこ盛り、シャンボールの滑らかテクスチュアと香水的な香りの拡がりに・・ウットリです。とても美味しい!・・しかも、まだまだこれからですから、ポテンシャルの半分もリリースしていない状態でしょう!・・グロフィエさんのシャンボール1級の方がプライスは高いですが、それ以上のポテンシャルが有るかもしれません。
造り的には、ビオ的な全房発酵系だと思います。そして・・ジャイエ的な低温漬け込みのニュアンスも、ほんの僅かに感じられます。樽の使い方、発酵温度などはDRC的かと。でもヴァン・ド・ガルド的な側面も有り・・クラシカル?
「オリヴィエ・バーンスタイン・・・一体、何者?」
そんな思いをされるかもしれません。しかし、久し振りにnoisy も胸を熱くしました・・・グラン・クリュ5万円ではね・・皆さんも購入できないかもしれませんが、何とか交渉して行きたいと思います。
実に面白い生産者です!ミクロ・ネゴス!そんな手が有ったかぁ~!・・ビックリでした。ご検討ください。一推し!ピノ好きにもう逃げる道は・・・無いでしょう!
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント(一応、調理師免許も持ってます・・)
Chambolle-Musigny 1er Cru Les Lavrottes 2008 Olivier Bernstein 美味しいです。しかし、ポテンシャルが高くスケールが大きいのか、単に味わいが緩いのか判断が付かないのです。なんとも微妙なタイミングでテイスティングしてしまったのではないか?と思いたくなります。今現在の自分のテイスティング能力ではこの2つの見極めがつかないです。
色はキレイに輝く赤、黒。シャンボールらしい淡い色合い。香りはスミレにやっぱり赤黒小果実、あとジュヴレ的土のニュアンスも少し。ただちょっと控えめ?と思ったのですが2日目はブワっとスミレ、ほのかに土が出てきました。単に温度の問題だったのかもしれません。
まぁ香りは良いのですが、よく納得できないのが味わい。シャンボール的石灰エキスはもちろんあるんですがイメージとしてはタプタプ。満杯の桶に水を張って揺らしたような感じで柔らかです。そう、第一印象は柔らかいシャンボールだな、だったんですよ。
タンニンが荒々しく、かっちりしていて閉じているのとは違うような…思いでした。
全体エキス系でそれが開きかけているようにも取れるし、芯が無くてメリハリの無さなのかも、とも思うんですよね。シャンボールらしい透明感あるミネラルは豊富です。
ただ、この文章を書いているのはテイスティングしてから一週間後くらいなのですが、前者のような気がしてきています。
う~む…まとまりがなく、すみません。