
ワインの素晴らしさはバランスが有ってこそ・・では有りますが、そこはやはり「血筋」なのでしょうかね。レナード・バーンスタイン指揮のベートーベン交響曲第5番「運命」/ バイエルン放送交響楽団 を聴きながらこのレヴューを書いていますが、
「重量感あるものは鈍重になりやすく、軽快感あるものは軽薄になりやすい」
そんなことを一切感じさせない見事な演奏と指揮だなぁ・・などと感じつつ、聞き過ぎてしまって指が全く動いていないことに気付き、ちと焦っています。Youtube でもバーンスタイン指揮は簡単に見つかりますので、ぜひ俳優さん顔負けの素晴らしい演技を・・いや、指揮と演奏をご覧ください。
オリヴィエ・バーンスタインの2015年の村名ジュヴレですが、ま~・・集大成的に素晴らしいです。
まず、何よりこの・・
「滅茶重く、ド太い大迫力のボトル!」
に驚きますよ。
そして、抜栓してコルクの選択の素晴らしさと、
「・・お、重っ!」
と、思わず声が出てしまうほど重量を感じ、手の小さい人、もしくは女性などで握力の少ない人ならボトルを落としかねないんじゃないかと思えるほどの、ボトルの太さと重量です。
そしてピュアで華やかで重さもしっかり有り、円の形に立体構造が想像できるような見事なノーズには、深みのあるカラント、スパイス、伸びやかな白い石灰と重みある鉱物系のミネラリティ。ゾクゾクっとさせられます。
中域は適度に拡がり、まだまだこれから先のために残すべき要素を詰め込んでいることが、あからさまに判るような大きな構造を埋め尽くす要素。余韻も深淵で、しかも最後の最後に葡萄由来の静かで思いきり綺麗なほんの僅かな甘み・・この静かな甘みのような感覚が長~くたなびきます。
まぁ、全くの良く出来たプルミエ・クリュ・クラスの味わいです。非常に複雑性高く、今は全然・・開いて無いですよ。2014年までは村の中央に有る区画、アン・カルージョとレ・ゼポワンチュールのブレンドでしたが、2015年は村の北端、高い標高にあるレ・ゼヴォスレの葡萄を50%足しているようで、その個性がかなり出ているように感じます。それでも充分に堪能できます。
このワイン、アルコール度は13.5度と、比較的高目に仕上がっているんですが、ワインの格、繊細さ、エレガンスもしっかりと感じさせてくれます。通常だと大柄では有っても、繊細さを感じさせるのは、若いうちは難しいんですけどね。
この辺りは・・「血筋」なのかとうらやんでしまいます。素晴らしい出来でした。セラートラッカーは94ポイントを付けた方がいらっしゃいました。タンザーさんは91ポイントです。
なお、このワインの飲み頃ですが、ポテンシャルを取れて美味しい・・と感じられるようなプロに近い方は今の状態でも、
「わお!」
と感じていただけるでしょうが、通常は3年ほど置いてからが良いと思いますよ。もしどうしても早めに飲みたいと思われるようでしたら、
「2週間しっかり休養させて澱を落とし、昇華熱を使いつつ開かせる努力をする」
のが良いと思います。それでもさして開きはしないと思いますが、美味しさは充分に感じられると思います。
通常なら3年、本当に良い状態に持って行くなら保存温度にも拠りますが10~15年は掛かると思ってください。

今回は高いのでプルミエ・クリュは手を出さず、先行き条件が出るようなら仕入れようか・・などと思っています。謀事が上手く行くよう祈ってください・・(^^
グラン・クリュは、物凄い評価のシャンベルタンと、これまた人気の高いシャルム=シャンベルタンを1本ずつのみの仕入れです。
シャンベルタンはおおむね98ポイントほど付いているようで、2014年ものと変わらないようですが、価格はビックリ・・ルソー並みです。頑張って価格を出していますが1本だけですので・・。
また、シャルム=シャンベルタンは概ね94~95Points 辺りになりますでしょうか。これで充分かもしれません。
何しろこのグラン・クリュはアソートでして、Aグループに重厚長大人気型のシャンベルタンとかクロ・ド・ベズが入り、Bグループにはそれに次ぐクラスと、Aほどの人気は無いクラスが入り、同数だけ予約可能・・になっており、
「Aグループは欲しいが滅茶高いし数が無く、その分にBグループが同じ数だけ付いてくる」
状況なので、
「あっちからあれとこれを仕入れると、こっちからこれとそれを何本入れて・・」
などと計算していたら頭が錯乱して暴発・・
「どうせ飲めないし・・や~めた!」
と言うことになってしまいました。良く忘れずに予約を入れてたものだと、自身に感心しています。
また話は変わりますが、写真のように何故か・・「ムール貝とジュヴレ=シャンベルタン」と言う食卓でした。
「・・えっ?・・マジすか?」
と思われるかもしれませんが・・これで結構行けちゃいますんですね~。ワインの味わいがピュアだからでしょうか。普通は白ですよね・・アルザスとかロワールとかシャブリとか・・でしょう。
でもさして匂わずに・・いや、勿論ですがヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンは後から使いましたが、それなりに塩味の効いたムール貝だった性も有りますかね、とても美味しくいただきけました。
非常に希少な2015年のオリヴィエ・バーンスタインになってしまいました。追加は無理です。村名ジュヴレはお一人様2本まで限定です。ご検討くださいませ。
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【ジュヴレ村名とは思えない巨大な構造!滅茶美味しかった2010年を超える仕上がりです!】
ま~・・抜栓時のアロマの艶やかなこと、スピードの速さに・・度肝を抜かれてしまいました。クラクラするような・・芯の有るアロマがノーズに飛び込んできます。
まるで「シャペル=シャンベルタンか~?」・・みたいな、シャンベルタンのゆったり、ふっくらしたニュアンスをややタイトに、ドライに、かつ・・凝縮感はそっくり・・みたいな感覚を受けました。ジャドのシャペルをさらに凝縮させ、大柄にしたような感じさえ・・いや、それは言い過ぎかもしれませんが、イメージ的にはそんな感じです。マジ=シャンベルタンの甘美なスパイシーさをマイルドにし、若く飲んだ時の印象にも近いかもしれません。
ただし、2010年のジュヴレのご紹介のタイミングと、今回の2014年のタイミングは余りに違います。何しろ2010年をご紹介したのはBBR社入れで昨年ですから・・。
つまり、収穫年から6年経ってのご案内だった訳です。今回の2014年は、収穫年からはまだ3年目ですので、
「3年の差が有る」
訳ですね。
しかも、ポテンシャル自体は2010年の出来を超えていると思われますから、
「2010年的なソフトさを求めるのなら少なくともあと3年は必要?」
と言えるかなと・・思います。
もちろんですが、今飲んでも素晴らしいですよ。むしろ硬くなってきている状況下にあるかと思いますが、ポテンシャルを取る飲み方が出来る方なら、思わず声にならないような声が漏れるでしょう。
「・・これで村名かい・・」
と。
まぁ、ジュヴレの上級キュヴェのような味わいが期待できる素晴らしい村名ジュヴレです。ですが申し訳ありません・・noisy の取り分は24本のみです。これ以上は、もしかしたら先行きBBRさんの分がいただけるかもしれませんが、現状では未定です。
さすがにバーンスタインの1級、特級クラスには手は出せないとしても、その香しき大きな構造をチェックできるワインになっています。ぜひともご検討くださいませ。お勧めします。
以下は以前のコメントです。
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【上質なエスプレッソのニュアンスを含むややビターな黒系果実!大柄で素晴らしい仕上がりです!】
このところ自身でも完全にオリヴィエ・バーンスタインの魔曲に嵌ってしまった感のある noisy では有りますが、やはり一度飲んでしまうと、
「次のヴィンテージはどう出るか?」
と・・気になって仕方が無い存在なんですね。
やっぱりキッチリ旨いんですよ。ちゃんと仕上げてくるし、何よりセンスが良いのが伝わってくるんです。
非常にエレガントなブルゴーニュ的な美味しさだった2008年、そこに肉を付けた2009年、現状でパーフェクトだと思わざるを得ない2010年、そして少し早いけれど2010年と2008年を合わせたような2013年・・です。
エージェントさんが2軒ある点、また、持ってくる(輸入)タイミングがそれぞれ違うので、ある程度重なってのご案内が出来る点が強みでもあり、
「・・ん?・・まだバーンスタイン?・・まだ前の飲んでないし・・」
みたいな状況に陥っているのかもしれませんが、それでも、
「旨いですね~・・もっと欲しい。有りますか?」
とおっしゃるタイミングとも合わないもので、是非とも在庫が有る時に買っておいて欲しいアイテムです。そんじょそこらではまず入手不能だと思うんですけどね・・。価格も交渉して頑張ってリーズナブルになるようにしてますし!
で、今回は2010年ものが¥8.990のところ、為替の具合も有るのかと思いますが、さらに千円も下げてのご案内が出来ることになりました。味わいも・・2010年ともかなり違う美味しさなんですよ。比べて飲んだらきっとビックリですよ。
2010年ものは、何度も言ってますが真ん丸なパレットに赤黒果実のバランスが最高で、パーフェクト・ジュヴレと表現させていただきました。
2011年は、2010年を思わせるような大きな構造では有りますが、
「より黒い果実が多く、ややビターな美味しさで非常に大柄。想像させるのはシャルム=シャンベルタンと言うよりもシャンベルタン風」
と言いたくなるような風情です。
勿論ですが、これがル・シャンベルタンだとは言わないですよ。でも大きさを比べるとおそらく2010年より大きく深く、しかし横の拡がりが2010年とは違ってやや扁平。よりビターでめちゃくちゃしなやかな甘いタンニンが、非常に豊かなシャンベルタン風に感じさせてくれるんです。
ここにめちゃくちゃ複雑な要素を感じてしまったら、全くのル・シャンベルタンでしょう。さすがにそこまでは行かない・・。でもかなり近い風情を持っている、とても大柄なスタイルでした。
黒い果実ですから、コーヒー、モカ(・・同じか?)、それも少しビターなので、
「渋みの中に質の良い甘味を感じさせてくれるような上質なエスプレッソ」
に、
「雄大な大地の風情を感じさせてくれるような茶色のニュアンス」
と、赤や紫の多彩な果実感が有り、ミネラリティも突出したものは無いが非常に複雑性に富んでいます。その上で、バランスが非常に良いです。実に旨いですが、他のヴィンテージとも多分に違う仕上がりこそ、ミクロ・ネゴスこその表現と言えるでしょう。そこに彼の個性とセンスの良さを感じるのかもしれません。
2013年ものは、グラン・クリュと同じ太さの瓶でしたが、2011年ものはそこまで太くはありません。隣に置くと同じワインとは思えないですが、それもまた楽しいかもしれません。
台風も蒸し暑い空気を運んで来ましたが、2016年の夏は、少なくとも関東はさほど暑く無かったと思います。秋風が吹き始めるこの季節、素晴らしいピノ・ノワールを是非ご堪能くださいませ。お勧めします!素晴らしいです!