● フィリップ・パカレ..その「ぱ・か・れ」と言う日本人に馴染みやすい響き..(あれ、どっかで聞いたようなフレーズ..)と、ブルゴーニュ自然派の頂点にいつの間にか立ってしまったという安易な?思い入れから何を想像されるでしょうか。
自然酵母由来のフィネスこそ、彼のワインの特徴だと思いますが、2018年ヴァン・ド・プリムールにもそれがきっと現れていると期待しています。
■エージェント情報
◆2018年の生育状況

毎年毎年、進化するフィリップ・パカレのボジョレー・ヌーヴォー。昨日、2017年のヌーヴォーを飲みましたがピノ・ノワールのようでした。少し妖艶で艶かしい。パカレは毎年、こう言います。
「ヌーヴォーであろうとフィリップ・パカレだ。グラン・ブルゴーニュと同じ気持ちで醸造する。驚いてもらおう」
2018年の問題点は5.6月でした。フランス全土で雨が多く、湿気が多い状態。空気中の湿度も高い上に、地表に水分が十分にある状態でした。こういった状況の中、気温が一気に上がり、地表の水分も蒸発し、湿度は最高潮に達します。
この時期の湿度はベト病を誘発し、初期対応の遅かった造り手の畑、特に自然栽培の畑は葉だけでなく、果実にまでベト病が蔓延。最悪の状態になりました。ここが今年の分岐点とも言えそうです。フィリップ・パカレはと言うと、自然栽培を長く経験しているフィリップは初期対応が誰よりも早く、被害は最小限に抑えられました。
その後の生育は、やはりサイクルが早く、収穫前に糖度、酸度を測りながら最適のタイミングを自由に選べる、醸造家としては贅沢な年となりました。
「ここ数年で最も葡萄が健全で状態が良い」
とのこと。あとは過度な暑さで酸度が下がらないよう最適なタイミングで素早く収穫することだけです。昨年のフィリップ・パカレのヌーヴォーは
赤系果実のミネラル重視でしたが、今年は少し黒系果実が入る太陽の年になりそうです。最後にフィリップからメッセージ。
「ボジョレ・ヌーヴォーと云えども、私はグラン・ブルゴーニュのワイン造りと同じ手間と時間をかけてワインを造っています。今年は天が私に味方してくれて、素晴らしい葡萄が取れそうです。ブルゴーニュに通じるヌーヴォーを造りたい。2018年はフルーティーなヌーヴォーではなく、テロワールを感じてもらえるヌーヴォーが造れそうです」