フィリップ・パカレ
メゾン・フィリップ・パカレ
フランス Maison Philippe Pacalet ブルゴーニュ
● 大変にお待たせしました!2011年のフィリップ・パカレ、前半戦をご紹介します。フィリップ・パカレのエージェントさんが2軒に分かれたため、3回ほどに分けてご紹介するようになるかと思います。
今回のフィリップ・パカレ2011年は、テラヴェールさんの扱いです。テラヴェールさんは6月に残りの赤ワインを輸入するようになると思いますし、野村ユニソンさんは春に一気に輸入するのかな?・・いずれにしましても、全てのキュヴェをテイスティングする予定です。
今回の前半戦、2011年ものは、
全16アイテム全てのテイスティングをさせていただきました。
●ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
●ブルゴーニュ・ピノ・ノワールV.V.
●ペルナン=ヴェルジュレス
●ブルゴーニュ・アリゴテ
●シャブリ・ボーロワ
●ニュイ・サン=ジョルジュ・ブラン
●モンテリー・クロ・ゴーテイ
●サン=トーバン・アン・ルミイィ
●サン=トーバン・ミュルジュ・デ・ダン・ド・シアン
●ムルソー
●ムルソー=シャルム
●ムルソー=ペリエール
●シャサーニュ=モンラッシェ
●ピュリニー=モンラッシェ
●ピュリニー=モンラッシェ・レ・シャンガン
●コルトン=シャルルマーニュ
奇跡的な仕上がりになった2010年のパカレでしたが、2011年は・・・
「赤白とも失敗無く、総合的に良く出来た。しかし白ワインは、格上のクラスに物足りなさを感じる、早飲みヴィンテージ」
と言えるでしょう。
赤ワインの3アイテムについては、それぞれしっかり出来ていて、後半戦が愉しみに思える仕上がりです。ただし、いくら美味しいとお奨めしても売れないペルナン=ヴェルジュレスについては仕入れませんでした。
白ワインの下級クラスは、バランスがとても良く、早熟で、爽やかに、比較軽く、美味しく飲める仕上がりでした。アリゴテはエレガントな仕上がりですし、いつも美味しいサン=トーバンはアン・ルミイィを選択、シャブリはヴォー・リニョーが2011年、リリースが無かったのが残念、モンテリーもそこそこ美味しかったです。
しかしながら、飲み手としてもポテンシャルを求めてしまう上級クラスには、残念ながらポテンシャル不足を云わざるを得ません。兎に角・・・残念ながら「薄い」です。糖度不足で、しかし酸度のレベルが適正なので、美味しくは飲めるが・・・・「とても美味しい!」とは云えません。
その中でも白眉の出来がピュリニーのシャンガンと、やはりコルトン=シャルルマーニュでした。シャン・ガンはファースト・リリースですが、仕上がりもリッチで、一瞬、
「おお!」
と声が上がったほどです。
コルシャルも飲むには早いですが、さすがにグラン・クリュの実力です。しかしながら例年には及びません。それでも、5年ほどでおいしく飲めるようになるはずなので、ある意味、ラッキーなのかもしれません。
今回ご紹介するワインは少量ですが、どれもnoisy的にお奨めできるものだけを選択しています。赤はどれも美味しく、白は厳選したので美味しいんです・・・。まぁ、2011年、特に白は注意が必要かな・・・もしくは、パカレのようなネゴスにとっては、とても厳しいヴィンテージだったのかもしれません。はやり、生産者の言葉は半分に聞く必要がありますね・・ご検討ください。
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フィリップ・パカレはボジョレー出身で、代々続く栽培・醸造家の家系で育ち、自然派ワインの父故マルセル・ラピエールを叔父に持つ家系です。ブルゴーニュ・ディジョン大学で醸造学を学んだ後、2年間自然農法団体で働き、1991年からはヴォーヌ・ロマネの生産者プリューレ・ロックの元で10年に渡って醸造責任者を務めました。その後は2001年に自身のネゴシアンを立ち上げ、初ヴィンテージをリリース、現在に至ります。現在は9.5haの畑と契約を結び、年間約5万本を生産しています。
■太陽と酸に恵まれたバランスの良い年
byフィリップ・パカレ
「私にとって2011年は質も量も申し分無い天国の様な年だった」乾燥した冬の後にやや雨が多く寒い春が続いた。その後は夏と秋は順調に天候に恵まれた。収穫は例年よりも随分と早い8月28日より開始。日照時間も十分でフェノール類の熟度がしっかりと上がった。2009年に近い年だがよりフレッシュな酸が残り何よりもバランスが良い。リリース直後から飲みやすいヴィンテージに仕上がった。
“天然酵母”ワインに「個性・典型」をもたらす要素
フィリップ・パカレが理想とするのは、それぞれの畑が本来持つ「個性・典型」(=AOC)をワインに表現する事。その役割を演じるのがなによりも“自然酵母”であると考える。“自然酵母”を殺してしまう除草剤や殺虫剤を撒かないビオロジック栽培にこだわるのもそれ故である。土地毎の独特の風味やその年のワインの特徴は、その土地に宿る酵母が造りだすもの。つまり昔ながらの伝統的な農業方法をとり微生物や昆虫がたくさん住みついた「活性化した土地」から収穫した葡萄にこそ、畑に個性をもたらす“天然酵母”が生きていると考える。醸造中に亜硫酸を一切添加せず、瓶詰め前にのみ極少量を加えるのも、発酵前の“天然酵母”を殺さない為なのである。
「僕らがやっている事は、全て科学的に説明できる」
また土壌の鉱物(マグネシウム・鉄などの微量元素)構成からくるミネラルもワインに土地毎の個性を与える要素のひとつである。根から吸収した複雑なミネラル分がその土壌のサインとして、ワインの中に現れる。「鉱物の豊富な土壌から“天然酵母”で作られた我々のワインは、より自然に体内に吸収される。まさに自然のスポーツ飲料だよ。」
●2008 Puligny-Montrachet 1er Cru les Referts
ピュリニー=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ルフェール
【激レア?・・どこかに在ったと思ってましたが・・出て来ました!・・見た目の状態は完璧かと思います。】
何で残っているんだろう?・・と思い出せないまま・・ですが、さすがに17年目を迎えたパカレのピュリニー1級ルフェールですから、
「おそらく最高の飲み頃・・に近いはず!」
などと思っています。
何せ2022年のバシュレ・モノのレ・ルフェールがとんでもない出来で、超絶に美味しかったので・・
「どこかにパカレの古いのも有ったような?」
と思い出し、でも他のワインを探している時に見つけたんですね。
多分ですね・・滅茶苦茶お美味しかったのに余りご購入には結びつかず・・イラっとして下げてそのまんま・・ということなんじゃないかと思ってますが真相はいかに?
なので、おそらくですが Noisy wine に15年ほど居候していたと思われますので、少しだけ乗させていただいてのご案内です。あ、あと1本、何かご購入くださいね。パカレの2022年のピュリニー村名は3万円だそうで・・かなりお得じゃないかと思っています、ご検討くださいませ。
以下はリリース時のレヴューです。
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【これは今飲んでもその凄さが判ります。半端無い!】
これはもう・・・涙がチョチョ切れる位に旨いです。瓶を抱えて飲みたい位です。呆れる旨さ・・・
「パカレの美味しさって、ピンと来ないんですよ・・」
とおっしゃられる方もいらっしゃいますが、まあ、これを飲んだら何も言えなくなってしまうでしょうね。本当に凄い。大きさと、その空間を埋め尽くす要素・・圧倒されます。
実は、このレ・ルフェールとともに、2008年パカレ白には、量の少ない対抗馬、ムルソー=シャルムが有ったんですね。このレ・ルフェールは、実はムルソー=シャルムの真横に位置するんですよね・・・。で、モロに対抗馬だったんです。
ムルソー=シャルムはとても美味しかったんですね。でも・・・残念ながら、このレ・ルフェールが余りにも凄すぎて、全く霞んでしまったんです。ムルソー=シャルムのテイスティング・メモですが、
かなりのミネラル。半端無いレベル。しかもエレガンスを失わない。押し味が長く続く。実にシャルムらしい余韻。
どうでしょう?全く悪くは無いコメントです。しかし、シャルムはシャルムでも、物凄く凝縮した感じの出る、斜面上部の良い畑・・・とは思えなかったんです。物凄くエレガントなんですが、そこから大物感を受け取れなかったんですよ。対してこのレ・ルフェールの存在感、圧倒感。構造の大きさ。そこに目が行ってしまうと、ほぼ同価格で、同じようなクラスだとしたら、ムルソー=シャルムを強く推せない・・・そう考えました。シャルムには、もう一歩存在感が欲しかった・・・それが実感です。
ですので、素晴らしいムルソー=シャルムにウッチャリを食らわせるほどの仕上がりです。
色合いは結構濃い目。重厚、煙、蜜。さすがにピュリニーのプルミエ。バタール的存在感。厚みと凄み。凛々しさがクッキリと浮かび上がる。それでいてこの繊細さ!さすがだ。これは本当に美味しい。この濃度にバンザイ!
以上がテイスティングメモです。現時点ではコルシャルも大きく上回る味わいで、もしこのレ・ルフェールを飲まれる幸運が有ったとしたら、その方のワイン観そのものを大きく変えてしまうかもしれません。今でも滅茶苦茶旨いです。2007年も旨かったが2007年には存在しない果肉の分厚さが有ります。素晴らしいボーヌのシャルドネ、これを超えられるグラン・クリュは、時間を掛けて自身の味わいに磨きを掛ける必要が有ります。是非ご検討ください。一推し!
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