
このような、ポテンシャルが高くリーズナブルなワインをどうやって見つけているのか・・と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも大したことじゃありませんで、
「飲んで旨かったら買う」
と言う、単純なことを延々と繰り返しているだけなんですね。
勿論ですが、ブルゴーニュワインなどは「数的には底のしれたもの」ですので、その辺りも按分し、かつ、流通のことも按分して考慮して・・決めています。あ、・・コンディションが良いというのは言うまでも無い大前提です。時折思うのは、
「テイスティング能力も有るし頭脳も明晰なワイン屋」
なのに・・なぜかコンディションに気を配らない方が多い・・んですよ。人当たりも良いしイケメンだし人気者だし・・でも、noisy なら絶対に仕入れないインポーターさんから平気で買ってるんですね。そりゃぁ・・海千山千のブルゴーニュワインファンにゃ通用しないですよね。良い個体に当たる確率が非常に低いです。
で、今回も・・ですね・・エージェントさんからサンプルを購入し、暮れから正月に掛けてテイスティングし、こうやってご紹介させていただいています。なので、
「時間がどうしても掛かる」
訳ですね。右から左に動かして終わりではないからです。
そんなようにしていますと、サンプルを購入してテイスティングしている間に、数が変動してしまうのは仕方が無いことなんですね。もっと有ると・・思ってたのに、無くなってしまった・・。
「・・しまった・・」
とは思うんですが、それは仕方が有りません。テイスティングの経費分は出なくなってしまうんですが、諦めるしか有りません。
この、久し振りにご紹介できることになった、「2014 ヴォーヌ=ロマネ・レ・カルティエ・ド・ニュイ 」 もそんな1本です。もっと有ったんですが結局1ケースだけになってしまいました。
ややうす暗い色合いをしていますね。このカルティエ・ド・ニュイの畑は、あの「グラン=ゼシェゾー」のはす向かいに有るリューディで、一部は「エシェゾー」を名乗れます。でもこのワインは「村名」です。
なので、どこかグラン=ゼシェゾーやエシェゾーを感じさせてくれます。ただしグラン=ゼシェゾーの上部のニュアンスでは無く、下部のやや重量感の在るニュアンスです。そしてエシェゾー的な少し乾いたニュアンスも有ります。良いワインです・・
が、ニュイ=サン=ジョルジュV.V.やブルゴーニュ・メゾン・デューV.V.のようには行かず・・
「今飲んで凄く美味しい!・・とは言えない時期・・」
に入っています。・・ん・・残念!
とは申せ、2019年の冬が終わり、桜が咲き、散ってしまった頃から・・かな・・もしくはもう少し暖かくなってきて、Tシャツや半袖シャツで過ごせるようになった頃か?と思いますが、そこからは開いてくるんじゃないかと思います。
まぁ、今まで何度か飲んでますから・・このワイン。
「・・あ・・こりゃ今は飲み頃じゃないな・・」
と思ってしまった訳です。
あのMWの「ティム・アトキン氏」も、「ワイン・アンスージャスト」も同様に93Points 付けています。言っちゃえばニュイ=サン=ジョルジュV.V.と同ポイントです。
「・・んじゃぁ、ニュイ=サン=ジョルジュV.V.の方がお得じゃん・・」
とはならないのがブルゴーニュワインファンの繊細なお心なんですね・・。
「・・でもやっぱりヴォーヌ=ロマネの方が旨いんじゃん・・・?」
と思ってしまう訳です。
このワインもニュイ=サン=ジョルジュV.V.と同様、神様風のニュアンスを感じます。ただし今はちいと硬いです。飲めないほどでは有りませんが、「虐待しちゃった・・」と心を痛める羽目になります。
ですので、すぐ飲むならA.C.ブルかニュイV.V.、少し置けるのならこのヴォーヌ=ロマネ・レ・カルティエ・ド・ニュイ と言うご選択でいかがでしょうか?・・こちらも頑張って価格を付けていますので、非常にお買い得と思います。
リーズナブルなヴォーヌ=ロマネ村名など、存在しないのがブルゴーニュワインの常識ですが、このワイン、今はやや硬くともポテンシャルは充分です。是非お買い置きくださいませ。追加は有りません。