
どうでしょう?・・右の無加工の写真、何とも官能的じゃないですか・・。僅かにブケが出始めた感じのタイミングで、まだ若々しさも幾分かは残る・・通常リリースから10年ほどのタイミングになります。
このコレクスィヨン・ベレナムは、ニコラ・ポテルがドメーヌを回ってテイスティング、気に入ったキュヴェを仕入れて、必要ならさらにエルヴァージュ、仕上げてリリースするものです。なので、ニコラ・ポテルの醸造によるものではありません。
レ・ダモード2008年ですが、2008年らしい・・厚みのある美しいボディながら「凪ぎの風情」の中に官能感が浮かんでくる感じで滅茶美味しいです!・・
ここはヴォーヌ=ロマネとモロに接する畑ですが、接しているのは1級マルコンソールと村名のレ・ダモード(ヴォーヌ=ロマネの)です。
なので、
「レ・マルコンソールにソックリ!」
などと何も考えずに言ってしまうと、ちと恐ろしいことになります。実はあんまり似ていない・・(^^;; 僅かに「こってり」した部分に「お隣さんの資質」を感じる感じです。むしろレ・マルコンソールの下の「1級レ・ショーム」には結構に似ています。あとは東側に接しているラ・リッシュモンヌの下のレ・ミュルジュ的なニュアンスも有ります。
やはりニュイ=サン=ジョルジュ1級とは言いながらも半分はヴォーヌ=ロマネっぽいなぁ・・と思える感じで、ヴォーヌ=ロマネのワインのエレガントな部分、そしてニュイ=サン=ジョルジュの「みっちり詰まった」風な部分が半々、その上で土ムサクないのが実に良い感じです。

結構に良いドメーヌから仕入れたんじゃないかと想像します。何しろ価格が安いので、これは非常にお買い得です。
また、マジ=シャンベルタン2004年ですが、こちらは数が無いのでそのままお出しすることにしました。そろそろ良い頃でしょう?しっかり休めて、そおっと・・澱を混ぜないようにグラスに注いでお楽しみください。
これから先はグラン・クリュを開けるのは段々難しくなってくるでしょうね。他のコラムでも書きましたが、
「リーズナブルでエレガントなヴォーヌ=ロマネ」
でご好評をいただいていたあの「ラマルシュ」も入手が難しくなってしまいました。まぁ、「今の内に買っておいてね・・」と散々言って来ましたから、その言葉に騙されて「買ってみた」方は、ホッと胸を撫で下ろされていらっしゃるでしょう。「・・いや・・まだ大丈夫でしょう・・その内に」と思ってらした方は、機会を逸してしまわれたんじゃないかと・・。
やはりワインは一期一会なんだなぁと・・あの、超エレガントなフランソワ・ラマルシュの味わいはもう無くなってしまったんじゃないかとも思いますし・・いや、2018年のニコル・ラマルシュは、それなりに濃度が有りますから・・。2013年頃から2017年頃までの、あのA.C.ブルやオート=コートの超絶にエレガントな味わいは、1997年までのデュジャックにも通じるものが有りました。
コレクスィヨン・ベレナムは、ニコラ・ポテル自身の醸造では有りませんから、
「エレガント派か、充実派か?」
は開けてみないと判りませんが、それもまた楽しみなんじゃ無いかと思います。ご検討くださいませ。