
いや~・・久々にビックリしました・・数が無いマルゲの「リューディ・シリーズ」、そのシャルドネ100%の「ル・パルク」です。
訳もわからず仕入れることになってしまったこのシャンパーニュなんですが、リューディ・シリーズは当初6本ずつの仕入れだったので、
「でもな~・・飲まんと何も言えんし・・」
と言うことで、仕事を終え自宅に戻る前に適当に掴んで持って来てしまったのがこの「ル・パルク」です。
で・・飲んでみてもう・・ビックリです!まず、さっさと思い出した・・と言うか、目の前に浮かんだのが、
「アラン・ロベール!」
です!
出会ったころのアラン・ロベールのシャンパーニュは、実に色んなキュヴェが有って・・でも、エチケットは普通の「セレクスィヨン」の安い奴なんですけどね・・。自然な味わいなのにとて柔らかく、ゴージャスなのに深遠・・心に響く味わいは忘れられません。
そしてもう一つ目の前に浮かんだのは、エルヴェ・ジェスタンも造っているし、マルゲ名のものも有る「サピエンス」です。このシャンパーニュは非常に高価ですが、
「恐ろしく静かな中に存在する美しさと荘厳さ」
が特徴でしょう。その両方が唐突にイメージされ、目の前に出て来たんですね。
この、「泡」! 見てくださいよ・・これぞ「目が非常に細かいベルヴェッティな泡」です。実際、この泡だけでも倒れそうです・・まぁ・・ちょっとオーバーな物言いですが、こんな写真は普通は撮れません。

そして、異常なほどの液の純粋さです。もう、本当に軽くしか圧を掛けずに、真のフリーラン・ジュースを得て、その中の一番良い部分だけをシャンパーニュにしたと言うことが判ります。
エレガントなのに表情が凄いんです。エルヴェ・ジェスタンの恐ろしいまでの静寂の中の美しさがここにも転写されているように思います。ほんのりと緑の色合いが見て取れる、これまた異常に美しいシャルドネの色が有ります。
そして、静かな美しさの中から「繊細微細な表情」が飲み手に伝えられます。非常にナチュラルですが、少しの汚れたものも感じられません。ただただ美しく、繊細なアロマに憑りつかれ、香りを得るだけの人になってしまいます。スイスイ入るのに・・香りをいつまでも確かめていたいと思っちゃうんですね。フルーツ、柑橘、花、蜜なんてのはもう凄い種類です。
中域もきちんと膨らみますが、清楚さを失わず、自己主張はしているのに煩わしさが無いです。

非常に細やかで質感高いベルヴェッティな泡は、気品溢れる繊細なノーズを運んで来ます。口内からノーズへ抜けて行く高貴なグラン・クリュのシャルドネの姿は、本当にすごいですよ。そして余韻も実に繊細で長く、感性をゆっくり揺らしつつ消えて行きます・・が、いつまでも繊細なミネラリティと共にいるように思われます。
まぁ・・凄いシャンパーニュでした。この数年で一番魂を震わされたシャンパーニュかもしれません。
確かにエルヴェ・ジェスタンやマルゲの「サピエンス」は素晴らしいと思います。でも、まだ若い段階でのサピエンスであれば、あの静寂の中の静寂を探すような美しさを、一体誰が理解できるんだろう・・とも感じてしまうんです。磨いた水晶の中に混ぜたダイヤモンドは、その量が半端無いほど存在しないと判り辛い、探せないかもしれません。
しかしながら、このリューディ・シリーズ・ル・パルクは、アラン・ロベールのシャンパーニュが見せるような、ダイナミックな美しさを持っています。
「シャルドネの粋」と言って良いかと思いますが、
「ブラン・ド・ブランが好きなシャンパーニュファンなら、絶対にクラッと来ちゃうはず」
のあの高貴なアロマティックさが有るんですね。
話しを聞いてみると・・未確認では有りますがどうやらクリュグのクロ・ダンボネイにほぼ接する位置の畑のようです。そもそもアンボネイですから有名なのはピノ・ノワールでは?・・と思われるでしょう。しかしながら、ある意味・・そのピノ・ノワールに適した・・と言われる土地の旨さが、このシャンパーニュの美味しさを造り出している「コア」なのかもしれないと思っています。
色々書きましたが、これは飲むしか無いです。サピエンスを飲め・・とは中々言えませんが、ル・パルクだけは飲んでおけ!と言えます。是非ともこの非常に希少なブラン・ド・ブラン・エクストラ・ブリュットをご検討くださいませ。
なお、このル・パルク以外のリューディ・シリーズ2品につきましては、近々には飲めない・・それほど数が確保出来ない、時間が無い・・(^^;; ので、とりあえず保留ですが、ル・パルクの仕上がりを見てしまいましたので飲むかもしれません。もしご興味がございましたら・・少ないシャンパーニュですのでお早めにご検討くださいませ。震える味わい・・久々でした!お勧めします!