● ラシーヌさんのヴァルポリチェッラの造り手をご紹介します。ラルコも美味いですが、このモンテ・ダッロラも、スタイルは微妙に異なるものの非常に素晴らしいワインをリリースしています。
まずはヴァルポリチェッラの2種をご紹介しますが、これまたまるで性格が反対です。それでいてどちらも捨てがたい魅力がたっぷり有る・・是非飲んでいただきたいワインです。

ワイナリー名 Monte dall’Ora
モンテ・ダッローラ
創業年 1995年
国・地域 ヴェネト ・ イタリア
地区/村 ヴァルポリチェッラ/サン・ピエトロ・カリアーノ
代表者 Carlo Veturini
カルロ・ヴェントゥリーニ
畑面積 5 ha
主要品種コルヴィーナ(Corvina)
平均生産量 25.000本/年
【ドメーヌについて】
モンテ・ダッローラ ワイナリーは、ヴァルポリチェッラ・ゾーンの歴史的な中心地に位置しており、郊外の歴史あるカステルロットの丘から降りてくる道の脇にある。カステルロット丘陵地域内、ワイナリーの畑の近くで、ヴィティス・ヴィニフェラ種のブドウの種が存在していたことを裏づける考古学的な発見は、5世紀このかた当地域でブドウが栽培され、果汁を絞られ、発酵されていたことを確証するものである。カステルロットは、古くから商業の要所であった。古代ローマ人はまさしく、今日レチョートやアマローネという名前で知られるヴァルポリチェッラ地域の、ワインのプロモーターにして商人だったのだ。
レチョートとアマローネのための最高のブドウは、モンテ・ダッローラの南東向きの畑から収穫される。畑の表土は、石灰質および泥灰質土壌で、深さ30~70cmの層にはモレーン土壌がある。こういう土壌構成のため、ブドウの根の組織は地中に進んで根を張り、岩盤に到達することができるす。また、夏季には水分を補い、多雨のときにはブドウの樹の水分バランスを保ちながら、過剰な水分を地下深くに排水する機能がある。現在のテラス(段丘)の配置は人為の産物であり、過去2000年におよぶ、人類の絶え間ない営為の所産なのだ。
栽培は家族がおこなう仕事であり、幾世代にもわたって伝承されていくもの。ブドウ畑と大地に対する彼らの愛情は、モンテ・ダッローラを購入した1995年に、現実のものとなった。この地で私たちは、昔からある土壌を守るための石壁を修復し、オゼレータやクロアティーナというヴァルポリチェッラの古くからある土着の品種の樹を植えなおした。また、新しいセラーをつくり、「畑の購入後、数年以内にワインをボトルにつめたい」という当初の夢を実現させた。醸造設備には、最新の醸造技術を体現した機器をそろえました。ストックの保管とワインの熟成にあてられるセラーは、最上級ワインであるレチョートとアマローネを寝かせるのに最適な湿度と温度を保つため、凝灰岩をくりぬいて造った。
カステルロット丘陵にある畑以外に、カリアーノのサン・ピエトロ周辺、肥沃な平野部に、別の区画のブドウ畑がある。ここからは、ヴァルポリチェッラ・クラッシコと、ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・スペリオーレという、伝統的なワインができる。前者は、ボリュームのある味わいを持ち、なめらかで若々しさがあって、1年以内に飲まれるべきワインだ。スペリオーレのほうは、最低でも1年間のバリック(フレンチ・オークの小樽)で熟成させることにより、より高度のまろやかさと骨格をそなえられる。
「私たちのワイナリーの哲学は、優れた品質のワインを探求し続けることだ。それは畑の中での、忍耐を要する手作業によって可能になる。冬季の剪定では、より重要な一年目の若枝を選択して残すことができる。4月から5月にかけては、樹勢を抑え、かつ風通しをよくするために、枝と複数出てしまった芽をさらに間引きし、7月には、太陽の光を最も浴びやすい位置にある、優れたブドウの房だけを成熟させるために、余分な房を切り取る。結果、一本の樹になるブドウの数は2~3房となります。絶好な畑の向きと、風とおりの良さという、私たちの畑の気候条件が、偉大なワインを生み出すのだ。豊かで偉大な個性を持つワインという賜物を生み出すこのすばらしいブドウ畑に、私たちは惜しまず労力を捧げ、あとは季節の移り変わりを見守るだけ。私たちの大地が年毎もたらす新たな喜びに、私たちは大いに満足している。私たちは、畑の中で科学的な合成物や除草剤を用いない。土壌の耕作のためにおこなう農作業としては、ブドウの樹列の間に草を生やさせることと、樹列そのものに働きかける軽めの作業が挙げられる。ブドウ畑における
植物の衛生状態の劣化を招かないために、湿度を測る雨量計や、昆虫の動きを監視するための罠やフェロモンを用いて、定期的に管理している。この方法を用いる上で、私たちが施すのは、唯一、銅と硫黄を用いた処置だけなのだ。」 (生産者HP抄訳)
【畑について】
土壌:石灰質および泥灰質で、深さ30~70cmの層にはモレーン土壌がある
【醸造について】
醗酵:
熟成:ステンレスタンク、バリック(フレンチ・オークの小樽、主に旧樽)、またはタランソー産のフレンチオーク製大樽(5hl:トノー)、25hlの大樽
ビン詰め後さらに10ヶ月間~12ヶ月間落ち着かせる。
マセレーション:低温浸漬