
美味しい日本のお酒のご紹介です。岩手の南部美人、大吟醸初ばしりです。昨年度も一度飲まれた方から、
「・・残ってないの?」
とお問い合わせをいただいたほどです。旨いですよね~・・初ばしり。
槽(ふね)で絞り、ろ過をしないので、細かな澱が絡んだ酒ですが、瓶を少し静置しておくと澱が下がり、左の一枚目の写真のように澄んだものになります。
ところで皆さんは大吟醸は皆同じだと・・思っていないでしょうか?・・もしくは純米酒と書いてあれば、使用米は違ってもどれもほぼ同じ造りだと・・。
ところがですね・・表に出てくるテクニカルには余り書いてないデータに重要なのがあるんですよ。・・まぁ、この数値が良いから何でもかんでも良いんだ!・・とはならないのが難しいところなんですけどね。
この数値は、ワインで言えば、
「フリーランのみで仕上げた」
とか、
「収穫量を減らした・ヘクタール辺りの収穫量」
とかに、もしかすると該当する可能性が有ります。それは・・どれだけ粕を出したか・・という数値で、元のお米の総量と取った粕の総量の割合で、「粕歩合」と言われるものです。
粕歩合が高い=高級酒・旨い
と、単純には行かない世界では有りますが、それでも丁寧な造りをしないとこのようにはならないのが普通です。

この南部美人の初ばしりは、品評会出品用のものに近い造りをしたものを限定で販売しているものです。品評会用はおそらく槽では無く、袋吊りをすると思いますが・・。
で、この初ばしりはものの見事に・・
「粕歩合の高いお酒の味わい」
をしています。
昨今は価格を抑える意味も有って、大吟醸や純米大吟醸とはうたいながらも、そこまで丁寧な造りをしないものが多いです。高いとやっぱり・・売れないじゃないですか・・。
しかし、この酒は見事に・・滑らかです。エッジなど立ちません。「ふるん・・・」と無くなってしまいます。
でも、澱が入ってくる二杯目などは、結構な厚みも出てきます。滑らかさに厚みも加わり、これまた吟醸香も物の見事に「粕歩合の高い自然な香り」になっていますんで・・とても美味しく飲めちゃうんですね・・。
そして、これも「粕歩合の高い酒」に共通するかもしれないんですが、
「日本酒としては酔いが軽い」
です。コンディションの良い、美味しいワインを飲んだときは少し飲みすぎるくらいでも、酔いが軽いですが、日本酒の場合は飲みすぎるとほとんどキツイですよね?・・
人にもよるとは思いますが、スルスル飲めて、高級感バッチリで、酔いの軽い高級酒・・そして南部美人的な伝統と先端の技術がそれを支えている・・そんなお酒です。
でもとても美味しいので・・飲みすぎないようにしてください。一杯目は澄んだお酒でお刺身を・・二杯目以降は少し濁ったお酒で焼き魚や肉を・・と楽しんでみてください。お奨めします!