いや~・・これは飲みたいですね~・・。実は、2020年もののブルゴーニュワインを飲み始めているんですよ。
これが凄かった2019年のブルゴーニュワインとも、また違った感触を得ているんですが、それがまた凄く良いんですよ。ピノもシャルドネも果皮の割合の多い味わいで、芸術掛かったような仕上がりの2019年ものと比較し、
「努力して・・頑張って仕上げました!」
みたいな、土にまみれた手を見せられているような感覚になりました。
こちらはニコラ・フォールの手になるトップ・キュヴェのひとつですが、若くしても美味しい・・何せヴォーヌ=ロマネに引っ付いた畑ですから・・でも、その本質が極まって来るには実はそれなりの時間を必要とするアペラシオンです。是非とも、育てるように時間を掛けて熟成させるか、若くして開ける場合は1日で飲み切らずに数日後にまた飲まれるとか工夫をされるとより良いんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものはおそらく健康的でピュアさ満載!?価格も実にリーズナブルです!】---飲めないので以前のレヴューを掲載しています。
実は皆さんが思っているよりもずっとレア・アイテムなのがこのニコラ・フォールです。日本では知名度がまだ高く無く、実際に飲まれた方が少ない状況の中で、ワイン屋レベルでは非常に希少で是非とも扱いたいアイテムなんですね。そして完全に割り当てアイテムです。
2016年まで、出来る限りテイスティングするようにしていたこのニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ゼルヴュですが、2017年ものは今のところテイスティングしておりません。
と言うか、もう信頼度が抜群なんですね。美味しく無い訳が無い・・そう感じてしまっています。
そうは言いつつも2017年ものはブルギニヨンをテイスティングしていますが、もしニコラ・フォールを知るためだけだったらコトー・ブルギニヨンで充分です。
複雑緻密なブルゴーニュワインの神秘的な部分に迫ろうと思うなら、このレ・ゼルヴュやアロース=コルトンを是非お試しください。
2016年ものの評価になりますが、ニュイ・ゼルヴュが92~93、アロース=コルトンが92~93+です。2017年もののリアルワインガイドでのご紹介はおそらく第66号になるかと思います。ご期待ください。
以下は以前のレヴューです。
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【2016年ながら全くネガティヴさ無し!DRC、P.パカレ、プリューレ=ロック、マルセル・ラピエールを足して4で割ったような・・ニュアンスです!】
世の中の「流行」とか「人気」と言ったものは、ほんの些細な出来事がきっかけになって起こる・・それが大衆に起こると「ブーム」と呼ばれるようになるのでしょう。
ワインの場合は狭い世界の中ですので、日本全国的な・・とかには中々ならないものですが、それでも何度かの、
「ワインブーム」
が起きています。ただしそれは、赤ワインのポリフェノールが身体に良い・・などと言う、味わいにはほとんど関係の無いものです。
このニコラ・フォールのワインも、テイスティングする前の段階においては、
「ん?・・DRCの元従業員でプリューレ・ロックで働いてる人の始めたドメーヌ?・・ただそれだけじゃぁね~・・眉唾だよね~・・」
と言うようなイメージで、ただそれだけの情報で仕入れて中身も確認せずに販売できるワイン屋さんたちのズ太い神経に、ただただ驚いたものです。
しかしながらテイスティングしてみますと、明らかに極上と言える出来栄えですので、他の始めたばかりのドメーヌたちと比較してもやや高めのプライスも充分以上に納得できるものだと確信しました。その上で新着でご案内したんですが・・
「・・ま~・・呆れるほど売れない・・」
と言う状況でした。
「こんなに旨いのに・・」
とは思ったものの・・
「ブルゴーニュファンは保守的だからなぁ・・」
と諦めていました。
多くのワインファンは、経験を積めば積むほど保守的になる傾向が有り、冒険をしない・・つまり、敢えて損をするかもしれないようなことをしたくない・・と言うような気持ちになられるようで、飲み始めて10年もすると、大御所狙い、もしくはどこかで大絶賛され興味を抱いた造り手限定・・になってしまいます。
このニコラ・フォールはまさにそれを地で行ったかのような造り手で、noisy が、幾ら素晴らしいよと言っても動かなかったブルゴーニュワインファンたちも、リアルワインガイド第58号で2014年もののレ・ゼルヴュが、
今飲んで92 ポテンシャル93飲み頃予想 今~2045と絶賛され、それが徐々に広まるにつれ、世の中から姿を消して行きました。noisy のところも長く残っていた白(これも美味いんですよ・・)までスッカラカンになり、世の無情と自身の力の無さ・・と言うか、まぁ信用度でしょうね・・改めて知ることになる訳です。
「何だかなぁ・・」
と言うようなある種の脱力感に支配されるような気持ちになります。
2016年のニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ゼルヴュは、2014年もののような濃密さまでは持ち合わせていないものの、やはり同様なD.R.C.やプリューレ・ロックに似たワイン的ニュアンスを多く持っています。決して薄く無く、バランスに優れ、ブルゴーニュの自然派的な健全さとピュアさに満ちています。
罰線直後は少し閉じこもり気味では有りますが、グラスを振っていると・・もしくは若干温度が上がってくるとどんどん元気になり、全房発酵由来風のナチュラルなアロマより、心地良い軽やかなスパイスとベリーやダークチェリーの果実感を見せます。
中域は適度な膨らみを持ち、余韻も軽やかで美しいです。中盤以降はやはりマルセル・ラピエールやフィリップ・パカレ、プリューレ=ロックに良く似た風ですが、それらより少しパワフルと言えますがDRCよりは少し弱い・・感じです。
しかしながらこの質感はそれらと同様のものを感じます。2016年的な・・と言うか、あくまで2016年を弱いヴィンテージだと決めつけた場合のイメージでは有りますが、ネガティヴに捉えられるほどのものは無く、エレガントでピュアな仕上がりを褒めるべきだと判断しました。
また、ニュイ=サン=ジョルジュのワインに在りがちな「土臭さ」は全く無い・・と言って良いレベルで、これからの瓶熟でさらなる高みへと昇る姿が素直にイメージされます。素晴らしい仕上がりでした。
まだまだ知名度は低いと感じますが、それでも一部のブルゴーニュ・ファンに認められて来ています。仕入れも非常に難しく、「完全に割り当て」状態に近くなっています。今回はA.C.アロース=コルトンの輸入も有ったのですが、割り当てになることと数が少ないことで、断りました。入れたら初めてのアイテムですので飲まなければならず、さりとて飲んだら利益率を心配するどころでは無くなりますし、1級では無く村名でニュイ=サン=ジョルジュ・レ・ゼルヴュと同価格・・と言うことでしたので、扱いは次回以降に持ち越した次第です。
色合いも実に良いですよね~・・味わいも、フィリップ・パカレより安定していますし、時に平板で厚みの無い味わいに成ってしまう同クラスのパカレよりも旨いんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。素晴らしいです!
以下は2014年もののレヴューです。
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【素晴らしいです!・・あのマルセル・ラピエールがニュイのワインを造ったら、きっとこうなるでしょう!!】

かの世界一のワイン、もしくはブルゴーニュワインのトップと言えばD.R.C.で有ることは、誰も疑わない衆知の事実でしょう。でも、D.R.C.の栽培はビオの思想が息づいており、厳密に言えばビオディナミでは無いとしても、ほとんどそれに近く、自然派ワインであることは意外に知られていないのかもしれません。
このニコラ・フォールのNSGレ・ゼルビュはヴォーヌ=ロマネ村に接するリューディです。ニュイの村がヴォーヌ=ロマネの村に食い込んだ形になっていまして、その形から言えば、ヴォーヌ=ロマネのアペラシオンでもおかしくは無いです。
そんな位置にありますんで、結構ヴォーヌ=ロマネ的でして、柔らかく強くない酸と穏やかなスパイス感がこのワインの特徴でしょう。
しかもワインのニュアンスが、まるでマルセル・ラピエールのモルゴン・・・しかもSo2無しのものに非常に似ており、
「ラピエールがニュイ、もしくはヴォーヌ=ロマネを造るとこうなる?」
と思えるようなニュアンスです。
何しろこのニコラ・フォールはD.R.C.に居て、辞めてプリューレ・ロックに居りますから、DRC的でも有り、ロック的でも有ると言えるかもしれません。
しかしDRCっぽくは有るものの、「凄み」までは備わらず、ロックも上出来の時は(つまり大将が口を出さなかった時は?)素晴らしいですが、結構不安定なヴィンテージも有りますので・・ なので、ラピエール的・・と言う判断なのかもしれません。
非常にナチュラルでピュアです。揮発酸などのアヴァンギャルドさは有りません。エレガンス有り、エッジに引っかかりの少なく滑らかです。さすがに早いかな?・・と思いますが、今でも結構に美味しく飲めてしまいました!
どうやら・・noisy が知らなかっただけ?・・なのかもしれません。ほぼ割り当て状態なのかな?・・ACブルはたったの数本です・・価格も決して高く無いと言えますので、ピノ・ノワール・ファンの方!・・是非ご検討くださいませ!かなり・・お奨めです!