2008年に鬼籍に入られたロマーノ・レヴィ氏。彼の造るこの上ない極上のアルコールの雫は、貴重な人生における時間と引き換えに得た代償とも言えるものでした。直火式の超旧式蒸留器に、自然由来、醸造由来、蒸留由来の廃物を燃し、のんびりと一滴一滴を拾い集めるような仕事振りだったのだと思います。
人間、どんな仕事についていたとしても、また、仕事と呼べるようなことをしていなくとも、お腹は減り、時間を消費しますから、少し賢くなったつもりの者たちは、その時間をどのように有益に費やそうかと考えますが、結局は、自分に合った過ごし方を選択するようになるんじゃないかと思います。そして彼はそんな自然の中でのゆったりとした流れの中に、自分の居るべき場所を見出したのでしょう。
そんなロマーノの手助けをしていたオッターヴィオさんが、ロマーノ式のグラッパを後世に残したいと考えたのでしょう。何しろ彼はロマーノ...