
本物の日本酒です。出来も非常に良い・・旨いです。ただし原酒ですので、アルコール分18度有ります。飲まれてみて
「少し強いかな?」
と思われましたら、チェイサーに美味しいお水をご用意いただくか、1割程度の割り水をすると良いかもしれません・・が、割り水や氷の使用は味わいを損ねる場合もあるのでもろ刃の剣です。
「生」と言う日本酒の表示に関しましては、多くの言葉が在りまして、我々はちゃんと理解していますがお客様はさすがにそこまでは判らないですよね。この「生詰」と言う、一見すると火入れをしていないようにも思えるかもしれませんが、実は火入れはされているんです。
この辺りのロジックは、聞いてみれば納得されるかとも思いますが、その前にまず・・
「原酒」
です。
この概念は非常に曖昧だと言うことだけは覚えていてください。要は、
「瓶詰め時に割り水(加水調整)をしない」
と言うだけです。
なので、タンクの中にある状態で加水したものについては「原酒」の表示が出来ます。なので、低アルコールなのに「原酒」が存在するんですね・・。
この「秋桜」につきましては詳細は聞いていませんが、タンクの中で僅かにアルコール分を調整(合わせる)するだけの加水はしているかもしれませんが、非常に少ないでしょう。もしくはやっていない可能性も有ります。
で、「生」ですが、「生」「本生」「完生」(これは余りない)の表示の場合は、「火入れを一切していない」生酒と言うことですね。これ以外は最低1度は火入れ(60度ちょっと以上に品温を上げること)をしています。
また、通常のお酒(火入れ酒)は醸造時(上槽後)~冬の間に一度、瓶詰の際に一度の計二度、火入れされます。これは火落ちと言って火落ち菌が動くのを防ぐためです。まぁ・・余計なことを言うと、ワインの二次発酵をやらない、させない・・みたいなことだと思ってください(・・ん・・本当に余計なこと・・)。
今回の秋上がりは「ひやおろし」「冷やおろし」などと言われまして、
「冷やのまま・・出荷(卸し)するから」
そのように言われてます。秋になると、火入れをして硬くなった酒に旨みが乗って来ますので、そのまま再度火を入れずに販売するものです。なので1回だけの火入れです。
因みに「生貯蔵酒」と言うのも有りまして、これは醸造終了後に火入れをせず、生のまま貯蔵しておいて、瓶詰め時に火入れをしたものです。生のまま貯蔵したから・・生貯蔵酒ですね。まぁ、大手さんは結構このタイプが多いですが、火落ちを嫌う中小生産者は絶対と言って良いほどやりません。と言うか、本当は本生だって余りやりたくないのが本音のようですよ。生っぽい香りを酒から検出すると、心臓が「ドキッとする・・」とおっしゃる蔵元関係者は非常に多いです。つまりは、火落ちが心配で夜も寝られない・・と言う訳なんですね~。
ま~・・随分と余計なことを書いてしまいましたが、気にしないでください。特に関係者の方は・・
で、やはりこの四季桜の秋桜、滅茶美味しいです。スイスイ入るんですが、骨太なんですね・・。濃い味わいでは無いんですが、芯が太いんですよ。エキスが美しく、香りもエゲツナクなってはおらず、非常におしとやかです。「ほんのり・・」です。
あ、因みに「吟醸」を名乗るには酒造好適米を60%以下に精米する必要が有ります。こちらは好適米の五百万石を60%精米ですんで、「隠れ純米吟醸」ですね。
そうそう・・また余計なことを言いますと、結構な頻度で間違っている場合が多いのは、これは業界の方もそうなんですが、「精白」ですね。この秋桜の場合は60%精米、40%精白と言うことになるんですが、どっちの場合でも「精白」と言ってしまう場合が在りまして・・特に蔵元さん関係者の方に多く・・そのお気持ちは良く判るんですけどね・・あくまでこの場合は40%精白です。
非常に出来の良い冷やでおろした原酒でした。さすが四季桜!・・と言いたいと思います。季節感溢れる日本の四季を四季桜で感じてみてください。お勧めします!