ヴィニュロン・ブリュノ・デュシェン
ヴィニュロン・ブリュノ・デュシェン
フランス Vigneron Bruno Duchene ラングドック・ルーション
● 2022年もののブリュノ・デュシェンをご紹介させていただきます。今回は「アベック・J」-->「ディオニー」さんからでは無く、新井順子さんの「オドゥール」からの入荷です。
オドゥールにつきましては「2022 ル・バニュルス・ド・モマン」のコラムでご紹介させていただきましたので、そちらをご覧ください。
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2020年のブリュノ・デュシェン、ラ・ルナのラインナップが到着です。
ご存じかもしれませんが2020年~2021年と数量的には不作の年になっています。毎年必ずテイスティングしていたキュヴェですが・・とても飲めるほどは入荷しませんで、そのままご案内させていただくことにしました。なので実際のところ、不作とは言え滅茶美味しい2019年と同様、品質的には良いんじゃないかとは思っていますが・・何せ、2020年のラ・ルナは赤・白・ロゼ全てがサン・スフルですから・・すみません、以前のレヴューを中心にご案内申し上げますのでどうぞよろしくお願いいたします。
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2019年のデュシェンが到着です。いや~・・ラ・ルナ・ルージュ、滅茶美味しいです!・・しかもナチュール度には拍車が掛った感じがします。
また、アチコチからの情報も加味しますと、どうやらデュシェンの「So2無添加ワイン」は、さらなるデュシェン本人的自由度を増していると考えられ、感覚の鋭い方なら、
「・・あれ?・・デュシェンのワイン、ずいぶんと飲みやすくなったんじゃない?」
みたいに、すぐに気付かれるんじゃないかと思うんですね。
ただし、以前のように、ラ・パスコールやコラル・ヌーが2ケースずつとかの割り当てはもう望めませんので、買い葡萄も使用する「ラ・ルナ」が中心になって来そうです。
「本来自由度が凄かったデュシェンが、さらに自由度が増した・・ってこと?」
・・・そういうことになりますね。飲んでみたら判りますよ・・。この、身体に浸透してくる角度とか、負担だとかはほとんど無いんじゃないかと思えるほどの「優しさ」に満ちた味わいでした。
また、ラ・ルナには白もロゼも有ります・・こちらが少ないので飲めていませんが、ラ・ルナ・ルージュを飲んだ印象を本当に判りやすく言うので有れば、
「コラル・ヌー的な濃い目の味わいからラ・パスコール的なエレガントな味わいへ!」
の方が判りやすいかもしれません。是非飲んでみて下さい!・・さらなる進化を遂げた2019年ブリュノ・デュシェンです!
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こんなに自由に、全ての束縛から逃れて、ただ自然の大いなる懐に抱かれながら、土地の恵みの葡萄をワインに転換することが、こんなにも大きく心を揺さぶるなんて、本当に素晴らしいと思っています。そして、そんなワインを皆さんにご紹介できることがただただ嬉しいです。
ブリュノ・デュシュンの、心に染み入ってくる味わいをご存じ無い方にとっては、フランスの西南、有る意味、ワインの本流から外れた地域の名も無いワインなど、全く興味を持たないに違い有りません。ましてグルナッシュなどと聞いても、
「あぁ・・、シャトーヌッフの構成品種の一つだよね・・」
位の感想で、
「ルーミエのミュジニーは何とか手に入らないだろうか・・」
という寝ても覚めても頭から離れない深い願望に遮られて、いつまでも呪縛された自身の世界観から逃れることなど、他人のことのように思われてしまうのかもしれません。
でも、一途に何かを追い求めることは決して悪いことではなく、スペイン国境の南仏の辺境の地で、ダイナマイトで植樹をし、両デュガ、ジャン=フランソワ・コシュも仰天するに違いない低収量で、比類ないテロワールから比類ないワインを生み出すブリュノ・デュシュンも、きっとそうした性格の方なんだろうと思います。
彼の生み出すワインは、ブルー色彩が基本の、鮮烈なエチケットに描かれた、そのまんまの香りと味わいをみせます。強い日差し、青い海、(見えないけど風・・・)、丘、段々畑、そして淡い海の色の空(見えないけど空気・・・)。そしてブリュノ・デュシュン・ヴィニュロンと書かれたカプスュルが、全てを物語っているようです。ドメーヌでは無く、ヴィニュロン、葡萄栽培者で有ると言う事なんでしょう。
もしかしたら、ブリュノのワインは高いんじゃないか?と思う方もおられるかもしれません。どのように感じていただいても、それは全く構わない訳ですが、noisy的には、とても安いと感じています。わざわざお奨めしなくても、きっとすぐ売切れてしまうとは思うのですが、何ゆえにワインが好きなのか、とかの本質の部分で知っていただきたくてゴタクを散々並べています。グラス一杯の中から感じ取れるものがとても多い、本当に素晴らしい表現のワインです。希少すぎて、勿体無くて、とても飲んでからのご案内には成りませんで申し訳ないのですが、本当にお奨めです。
【きっと飲めないんだろうな・・・(T.T! 】
個人的には本当に素晴らしいワインだと・・・思っています。誰が言い始めたのか知りませんが(本当は知ってる・・)、南仏のロマネ=コンティなどと言われているようです。言いたい気持ちは判りますが、ロマネ=コンティとは飲んだイメージもテロワールも全く違うし一致しそうな部分も感じないので、そんな呼び方は当てはまらないかと・・思います。ブリュノ・デュシェンはロマネ=コンティを造りたい気持ちはあるのかもしれませんが、ロマネ=コンティ、もしくはその複製物を造ろうと思ってこれらのワインを造っているわけじゃ無いでしょう。
このような、モロにエチケットどおりの太陽と山と海と丘(岩盤だらけのね・・)を感じさせるワインは、もしかしたら飲む人を選ぶのかもしれませんよ。ブルゴーニュと同じものを期待してもそれは無理!ブルゴーニュのワインはブルゴーニュでしか納得できないものです。何かと比較の対象にするべきワインじゃ有りません。
しかし、本当に岩の味がする(土じゃなくて・・・)、太陽のメチャ強い光を感じる、海から吹きつける風が吹いているワインなど、いや、それがまざまざと感じられるワインなど有ったでしょうか。しかも、ワインとしてかなり高レベルな出来をしていると感じています。
まあ、着たばっかりで、しかも今回は、前よりも多く戴けたので、飲んだ数は少ないとは言えnoisyは前のヴィンテージを飲んでいるわけですので、皆さんにも是非飲んでいただいて、塩と石灰(そんな小さなものじゃあ無いが)と太陽光とほんの少しの乾いた土の産物を評価していただければ・・と思います。え~、絶対お薦めなんてしませんよ。残ったら全部 noisy のもの・・です!
●2023 le Banyuls de Moman Vin Doux Naturel
ル・バニュルス・ド・モマン・ヴァン・ドゥ・ナチュレル
【何だか良く判りませんが、また入ってくるようになったデュシェン..しかも、ブリュノの地元の特産?・・特殊な造り方のバニュルス!・・ヴァン・ドゥー・ナチュレルです!】----以前のレヴューを使用しています。
少な過ぎて飲めないので・・でも何だかダメになりそうになると復活するんですよね・・。お客様には何の話だか、全く判らないと思いますけど。
新井順子さんとはもう四半世紀に渡るお付き合いになりました。某ビールメーカーで勤務されてワイン担当になり、辞めて東京でレストラン、ワインサロンをしていたと思ったら渡仏されて醸造家を目指して醸造学校へ・・と思ったら自然派ワインのインポーターをされ、その頃に持っていたインポーターの名前が「オドゥール」。「ヴァンローブ」はコンサルタントだったのかな?・・他にもお持ちだったか忘れてしまいましたが・・その頃順子さんを手伝っていた若者たちも、インポーターを始めたり、務めたり・・しています。そして順子さんはフランスでドメーヌを開かれ、その頃のインポーターの名前は「コスモ・ジュン」に。でも彼女も自身で始めたドメーヌ・デ・ボワ・ルカが忙しくなり過ぎて・・他のインポーターさんに卸す形になり「アベックJ」に・・なっていた訳です。
で、順子さんはもうインポーターはやらないつもりなんだろうと思っていたところ、「オドゥール」を再開した?・・のか、一時的なものなのか良く判りませんが、お声掛けをいただき・・今回のブリュノ・デュシェン・・そしてボージョレ・ヌーヴォー航空便が入ることになったんですね。
あ、今回の仕入れは全て「オドゥール」名義です。これは確かレストランやワインサロン時代のお店の名前「ラ・メゾン・オドゥール」だったか・・違ってたらすみません、そこから取ったようです・・と言いますか、自店向けの輸入ワイン会社だったのでしょう。現在はインポーターとしてはこの「オドゥール」で活動されるようです。
で、まぁ・・もう少し沢山いただけるかと期待していましたが、ん・・微妙な数かな・・(^^;; 昔のような数には行きませんが、それでもアイテムによっては何とか・・です。
こちらはバニュルスですから、酒精強化ワインです。発酵が始まったところにアルコールを加えて発酵を止める・・ですから、そのタイミング次第で葡萄の糖分や酸バランスが変わる訳ですね。ラタフィアも似たようなものですんで、この葡萄本来の自然な甘みを楽しむ感じになります。非常に希少です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アンフォラのバニュルスを含む多彩なキュヴェが到着!】
noisy も大好きなデュシェンです。毎年・・少しずつ入荷数量が減ってますが、結局あ~だこ~だ言う必要の無い、素晴らしいキュヴェです。強さはそれなりには有りますが、ブルゴーニュのワインとも共通項の見つかる味わいです。滅茶苦茶凝縮していますがエレガントさもたっぷり・・です。ブルゴーニュの赤い果実が、やや黒味を帯びているだけ・・、そしてやや強い酒質になっているだけとお考え下さい。
今回リリースされたキュヴェは、例年・・と言うか昨今は時々リリースされる「コラル・ヌー」が無く、「トミュ」が久しぶりに、そして「バニュルス」は何と、アンフォラ仕込みのものもドメーヌものから届いています。
また、ベースの素晴らしいワイン、ラ・ルナにも買い葡萄が使用されるようになり、圧倒的に少ないブリュノの葡萄を補完する形になっています。
まぁ・・買い葡萄とは言ってもブリュノ自身が育てているようなものですから、品質には全く影響していないと思われます。
「ラ・ルナ」はご存知ブリュノのベースのワインです。ドライでエキスがキッチリ出たピュアな力強い・・そして精緻さをしっかり持った優れもののリーズナブルワインです。ブリュノ・デュシェンの入門編としても最高ですが、単にリーズナブルなだけでは無くその熟成力にも驚かされるでしょう。
「パスコール」はご存知でしょう。ブリュノのエキスたっぷりな看板ワインです。コラル・ヌーがパワーならパスコールはしなやかさ、エレガントさに長けたキュヴェです。さっさと飲んでしまうワインでは無く、少なくとも3年ほどは寝かしていただきたいです。入荷は両手が不要になってしまうほどの本数に激減しています。
そして「ラノディーン」。ブリュノのトップワインです。こちらはまさに「コリウールの魂」をブリュノが表現している・・とさえ言えるキュヴェです。例年マグナムのみのリリースですが、5~6年は放置すべきかと思います。
「ル・バニュルス・ド・モマン」はこのスペイン国境に近いバニュルスの歴史有るやや甘口~甘口のワイン、ヴァン・ドゥー・ナチュレルです。因みにヴァン・ド・ナチュレルでは無く、「ドゥー」=甘口です。発酵途中に葡萄で得た蒸留酒(ブランデー)を足して発酵を止め、甘さを残して仕上げたもので、驚異的な長寿さを誇るこの地域独特の製法のワインです。もっと因むと・・最高の「バースデイイヤーワイン」と言えます。2016年生まれの方が赤いちゃんちゃんこを着る年になられても、おそらく全然へっちゃら、への河童で美味しく飲めるでしょう。しかも今回は「アンフォラ仕込み」のキュヴェも極少量、届いています。
「トミュ」は何年振りかの入荷です。こちらは遅摘みのグルナッシュとカリニャンを自然酵母でほんのり甘く仕上げた・・と思われるキュヴェです。何しろ毎回少ないので、中々飲めません。
白ワインに移りまして、「ヴァル・ポンポ」です。グルナッシュ・ブランで造られるブリュノの凄いワインです。noisy も大好きでして・・このミネラル感は、目の前にその畑の状況をアリアリと想像させてくれるような石や岩の存在、そして海の香りを運んで来ます。凄いワインだと思います。
ビオロジックで自然酵母、So2を使用せず、無濾過、無清澄と言うナチュラルさですが、全く危うさの無い、見事なピュアさを演出してくれる凄いワインたちです。お早めにご検討、ご注文くださいませ。
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