
何とあのジャン・ミッシェル・ダイスの息子さんがデビューです。ジャン・ミッシェルさんとは来日時に一度だけお会いしたことが有りますが、奥さん・・別れたらしいですが、ご一緒にいらしてました。noisy も、あのクレイジーなアルザスワインを醸すドメーヌ・マルセル・ダイスのジャン・ミッシェルさんと話そうとお声掛けさせていただきましたが、天才肌のジャン・ミッシェルさんは小柄・寡黙で、奥の方の椅子に座ったまま・・。
変わりに奥さんが色々と、少しせわしなく話してくれる・・そんな感じでした。まぁ・・今の時代、どこも女性が強いのでしょうか・・(^^;;
そんな奥さんの面影があるような気もするマチューさんのデビュー作が届いた・・とのことで、早速仕入れて飲んでみたんですね。いや・・中々でした。
お顔は奥さん似かな・・とも思うんですが、やはりさすがにワインはお父さん似ですね・・。ドメーヌ・マルセル・ダイスほどの集中感ではないんですが、むしろミネラリティが美しく出ていて、釣り合う果実味が心地良い・・そんなバランスです。
突出した部分・・とか、偏った強さが無い・・と言うのが良いかもしれません。エレガント系ですよね。ドメーヌ・マルセル・ダイスの方は、しっかりした・・とか、集中していて・・と言うのが良いですが、こちらはあくまでバランスに長けた・・あっけらかんとしていて中量級のアルザスワインです。
ピエール・ソヴァージュ・ブランは、ピノ系の白葡萄を中心にセパージュした白です。エチケットの写真にあるように、余り重そうには見えないが中くらいの密度の、やや軽めの石のミネラリティのような感じが受け取れます。
ほのかにスパイシーで、柑橘系、白~黄色の果実、適度に膨れる中域から高域への伸びの良い、決して重くならない味わいです。リーズナブルですしバランス良く、とても美味しいです。

リースリング・ヴィブラスィヨンは地元の樹齢約50年のリースリングを使用しています。ハキハキした酸とリースリングの持つトロッとした果実の風味、中域もしっかり膨れています。
ご紹介するまでに少し時間が掛かってしまったので、若々しかったフレーヴァーはちょうど良いバランスに成っている頃だと理解しています。・・・あ、何故って・・いや、
「エチケットの写真が紛らわしい!」
んですね~・・。
3アイテムを仕入れて3アイテムのテイスティングをしたのに、何故か1アイテム分の写真が無い!・・撮ったはずなのに・・
なので、その無かった写真のアイテムを再度テイスティング!
・・と思ってテイスティングして写真を撮って、後で加工をしようと写真を造ってみると・・
「・・あれ?」
そうなんですよ・・。すでに写真のあるアイテムを再テイスティングしちゃったんです。まぁ、美味しいので良いんですが、エチケットの微妙な色使いに誤魔化されちゃったんですね・・。いや、間違う方がいけないんですが、仕方が無いのでまたもう一本持ち帰ってテイスティングして・・
などとやっていたら、気付けばだいぶ経ってしまっていたんですね~・・。
で、リースリングとしますと、勿論ドイツワインのモーゼルのような、強い酸味、やや尖った感じとか、エッジに膜があるような・・とか、ぺトロール的な・・みたいな感じでは無くて、酸っぱく感じないが適度な強さを保持している感じです。
また、果実もとことんまで黄色が強いタイプでは無くて、黄色に透明さの強い白が混じったような、許容範囲が広いはずの受け入れられやすいタイプです。ブリッブリまでは行きませんが、気持ちの良いフレッシュさの有るもので、適度な滑らかさが有り、
「ドメーヌ・マルセル・ダイスのヴァン・ダルザス・ブランのリースリング版」
をややエレガントな方向に振ったもの・・と言っても通るようなポテンシャルを感じました。

サンギュリエ・ブランはちょっと変わった造りをしたヴァン・ダルザス・ブランです。何と、マセラシオン・カルボニックで造ったそうです。
樹齢50年のリースリング60%、ピノ・グリ40% プラスα で仕込まれていますが、MCで仕込んだアルザスワインは初めてらしい・・とのことです。
確かに、ややライトでクリアながらもエキスが充実しているニュアンスが有ります。品種の特性みたいなものは感じられませんでしたが、艶のある表情には、アロマのスピードの速さや柔らかさ、そしてやはり「鈍重さ」を全く感じないキレの良さ、余韻のクリアさが心地良いです。何しろ、2度も飲んでますから・・はい。このサンギュリエは1500本しかない、限定のキュヴェだったんですが、ピエール・ソヴァージュのエチケットとニュアンスが似ているもんで、暗いセラーから持ち出す時に間違えちゃってるんですね~・・。結構ショックでした。
でも、このライトでスムース、柔らかでアロマティックな味わいは、好きな方が多いんじゃないかと思います。なのでおおいにお勧めしたいと思います!
このレヴールさんちですが、マセラシオン・カルボニックを始め、多くのビオ系生産者がトライし始めているアンフォラ使用・・もやり始めたようで、若く意識の高い自然派生産者、しかも著名な生産者の二代目としても出て来たことは、非常に先が楽しみです。是非飲んでみてください!