【完全発酵故の旨さでしょう!コルシャル的ミネラリティ!ムルソーの大人気に比較すると大人しいですが、ドゥエレ=ポルシュレ白の味筋は変わりません!】

大人気なドゥエレ=ポルシュレのムルソー群に比較すると、リーズナブルでは有りますが、人気は落ちるようです。noisy も初めて仕入れることが出来た「モンテリー・ブラン・キュヴェ・ミス・アルマンド」です。
そもそも「モンテリー」ってどこに有るかご存知でしょうか。ほとんど誰も知らないんじゃないかと思いますが、ヴォルネイの南西側に引っ付いていて、ムルソーの西に在ります。
このキュヴェ・ミス・アルマンドの区画はレ・プラントですから、そうですね・・ヴォルネイ・クロ・デ・シェヌの南側、ほんのちょっと離れたところです。
ミネラリティの組成自体は、ムルソーに近いとは言えず、むしろドゥエレ=ポルシュレのムルソーには少し似ているものの、コルトン=シャルルマーニュをやや太くしたようなイメージが近いかな・・と思います。
そもそもモンテリーのワインは、赤はやや粗雑なテクスチュアで太く、繊細な表情は出ず、ピノ・ノワールのエレガンスは出にくいかな?・・と感じます。しかし白に関しては、
「研ぎ澄まされた感じはしないが、赤ほどの野暮ったさは無く、むしろ過小評価気味」
と言うような気もします。もちろん、造り手によると思います。有名な生産者はいなかった村です。
一連のドゥエレ=ポルシュレのテイスティングで飲んでいますので、とても良く理解出来たかな・・と言う気でいますが、やはりさすがアンドレ・ポルシュレ、一貫した造りをしており、ムルソー・プレ・ド・マンシュの下級キュヴェとしての役割はしっかり果たしていると感じました。
柑橘系の果実に伸びの有る細やかな石灰系ミネラリティが感じられます。コルシャル的な白くて細やかなものです。繊細さはコルシャルのミネラリティにはとても及びはしませんが、オーセ=デュレッスほど軽くは無い感じです。
やや緑色さえ感じる濃いめの黄色から、ようやく解放が始まったタイミングのようで、少しずつ細やかな表情を見せます。粘土や珪藻土っぽいニュアンスに、クリーミーさの有るテクスチュア。全く甘くなく、完全発酵しているのが判ります。徐々に解放に向かい、時間が経つほどバランスしてくる感じです。1時間も経つと、抜栓直後のイメージを忘れてしまうほど、ムルソーっぽさが出てきました。決してチープな味わいでは無い、高級ワイン的な要素をしっかり持っていると思います。
ムルソーの造り手も、ピュリニーでも同様ですが、ほんの僅かな糖分を残した造りをされる方が結構いらっしゃいます。それはそれで非常に美味しいですし、若く早い段階から受け入れられる下地を持っていると言えるでしょう。
しかし、ポルシュレさん的にはそんなことは絶対にせず、「完全発酵こそ生命線」と言うようなイメージが伝わって来ます。これは、若いうちには、「とっつきにくさ」にも繋がりますが、甘味に頼らないでバランスさせることこそが真の醸造だと考えられていらっしゃるのでしょう。ムルソーもムルソー1級も、完全に発酵させており、非常にドライです。
そして非常にクリーミーです。粗野なテクスチュアではありません。滑らかです。現タイミングでは抜栓直後こそ、今一つのバランスですが、10分もすると膨らみ始め、実に良い感じになって来ます。30分経過すれば充分でしょう。
ですので、到着後、早めに飲まれるようでしたら30分前には栓を抜くことをお勧めします。ムルソー・プレ・ド・マンシュにさして劣らないシャルドネの美味しさに出会えると思います。ぜひ飲んでみてください。お勧めします!