
「食わず嫌い」と言う言葉が有る位、人間の思い込みと言うのは結構に恐ろしいもので、食べても飲んでも、ロクに見てさえいないのに、
「私、これ嫌い・・」
と思いこんじゃってる場合が良く有ります。
日本人はナチュラルチーズ嫌い・・と言うのが定番だった昭和の時代から、いつの間にかフロマージュと言う言葉が広まったかと思った時には、氾濫に近い状態にまでなってしまっています。
「モンテリー?・・それってブルゴーニュなの?」
位の理解が日本では一般的かと思いますが、あのアンドレ・ポルシュレが養子に入った位ですから、よっぽど将来性が有ると見込んだに違いない・・と言う見方も出来ると思うんですね。
noisy も余り馴染みは有りませんから、少しずつテイスティングして行こう・・と思いつつ、中々進展しない状況でした。そして2016年のシャルドネは、今この時点ではすでに、
「2016年のブルゴーニュ・シャルドネはグレートイヤー!」
を大声で宣言したいほど、その素晴らしさを堪能していますが、このモンテリー1級レ・デュレッスの素晴らしさには思わずうっとりしてしまいました。
やや濃い目の色合いで黄色が強いです。写真ではそこまで見えないと思いますが、実際はもっと濃いです。緑も実はしっかり入っているのが判ります。
アロマは「蜜」。そう・・ムルソーでこのアロマが出るのはまず「レ・ペリエール」だけ。レ・ペリエールのように「岩・石に入り込んだ蜜」と言う訳には行きませんが、濃密なアロマはペリエールと同類かと感じます。厳しいミネラルのニュアンスは無いですが。
そして伸びる伸びる・・伸びてもいつまでも決して伸び切らず、そこから熟した柑橘のフレーヴァーがたっぷり出て来ます。色合いも濃い目ですが、柑橘もギュッと凝縮した感じです。でも甘くは無いですよ。
中域も適度に膨らんでくれ、余韻がまた滅茶苦茶長い!・・まだ有る・・まだ続いてる!・・と言う具合です。そして石灰や美しい砂、土のニュアンスを僅かに綻ばせます・・それがまた独特のミネラリティで、
「ん・・これがモンテリー・レ・デュレッスのニュアンスなのかな・・もしくはモンテリーそのものか・・?」
などと嬉しくなってしまいました。
そもそもこのモンテリー、どこに有るかご存知でしょうか。ヴォルネイに続く畑でやや西にオフセットして存在する感じです。一般的にはヴォルネイにストレートに連なるのがムルソーで、西にズレて連なるのがモンテリーだと思ってください。
いや~・・これは嬉しい発見でした。実はモンテリー1級レ・デュレッスはオーセ=デュレッスの1級レ・デュレッスと隣り合っています。ここまで素晴らしいとは思いませんでした。個性も有り、大きさも・・構造もしっかりした密度有るシャルドネです。是非飲んでみてください!滅茶推します!旨いです。