
そもそもモンテリーって、どこに有るかご存じでしょうか。結構、知らない方も多いんじゃないかと思います。マランジュと間違えてたりして・・(^^;;
例えば、コート・ド・ボーヌのボーヌ村から南(南南西)へ向かうとしますと、
●ボーヌ-->ポマール-->ヴォルネイ-->ムルソー・・・
と続きます。
で、モンテリーとオーセ=デュレッスが見当たらないですよね。ムルソーの南はピュリニー=モンラッシェですから・・。
実は、「ヴォルネイ-->ムルソー」のところが問題でして、ムルソーはヴォルネイに接していますが、ヴォルネイの東側半分に接しています。なので、ヴォルネイの西側半分に接しているのが「モンテリー」です。モンテリーの南がオーセ=デュレッスです。
なので、正確には、
●ボーヌ-->ポマール-->ヴォルネイ-->ムルソー・・・
●ボーヌ-->ポマール-->ヴォルネイ-->モンテリー&オーセ=デュレス
の、2つの流れが有るんですね。モンテリーとオーセはムルソーの西側に接していて、ムルソー村のピノの素晴らしい畑、サントノはモンテリー村に接しており、ヴォルネイ1級・クロ・デ・シェヌに接したモンテリー1級レ・シャン・フォリーは最上のモンテリーの畑の一つです。
そして、モンテリーの南南西方向に皆さんもご存じのオーセ=デュレッスが有り、その最上の畑が1級のレ・デュレッスです。
オーセ=デュレッスは、かのマダム・ビーズ・ルロワが本拠を置く村で、ドーヴネのオーセ=デュレッスは本当に素晴らしいです・・いや、このところは飲めていないので・・素晴らしかったと言うべきでしょうか。
そのマダムがドメーヌ・ルロワを創めるに当たって、最も頼りにしたのがアンドレ・ポルシュレ氏で有り、引き抜かれたオスピス・ド・ボーヌは品質が落ちた・・とまで言われたんですね~。noisy も良く覚えています。
で、結局ポルシュレさんはルロワを94年頃までやってからまたオスピスに戻ったんですが、89年にアルマンド・ドゥエレさんの養子に入ったんで、ドメーヌ・モンテリー=ドゥエレ=ポルシュレ が生まれ、またオスピス・ド・ボーヌと掛け持ちをした・・と言うことになります。
しかもですね・・オーセ=デュレッス最上の1級畑「レ・デュレッス」は、モンテリー側にも存在しています。若干畑の向きや傾斜が違うんですが、似た様な素晴らしい味わいになる畑です。
2017年のレ・デュレッス・ルージュは、あっけらかんとした外交的で健康的、エレガントさに満ちた味わいです。その上、充分な深みとエキスの押し味、目の詰まり具合、細やかな複雑性を持っています。2016年も滅茶美味しかったんですが、2017年には叶わないかな?・・と思えるほど、ほぼ完ぺきな出来です。
まぁ、これを言うのはどうかとは思いますが、ちょっとルイ・ジャドの上級ラインに似たニュアンスが有って、敢えて言えば、それをもう少しナチュラルに振った感じ・・とnoisy は捉えています。
モンテリーと言うのが良く判らなければオーセ=デュレッスだと、もしくはオーセとヴォルネイを掛け合わせたような感じだと思えば良いかもしれません。
そしてこのレ・デュレッスは、白がまた滅茶苦茶美味しいんですね・・あ、これは別のコラムで書きますが・・。
ヴォルネイ・レ・カイユレを僅かにエレガントに振った感じ、もしくはレ・シャンパンを足したような感じだと思ってください。だとすれば、結構にリーズナブルでしょう?超お勧めのリーズナブルな1級です。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は2016年もののレヴューです。
━━━━━
【リーズナブルなヴォルネイ1級同等!・・と思っていただいて良いかと思います!】
左の写真は・・結構良く撮れたかな・・と自画自賛しています。
いや、写真として良く出来た・・と言うことじゃなくて、写真としては全然ダメだと思いますが、
「正確に香りや味わいを想像させてくれる感じに撮れた!」
と言う点だけですね。
何せ、抜栓後にグラスに注いで即写真を撮るので、「こんな風にしたい・・」と言う意識は働かないんですね。なので時折、全く自身の感覚とは違う方の映り方をしていることも有ります。言ってしまえば、
「ポルシュレのレ・デュレッス・ブラン'16 は失敗・・」
と思っています。レ・デュレッス・ブラン...滅茶美味しいんですが、美味しそうには撮れなかったと残念に思ってます。
しかしこの赤の方は、見ていただいたら全くそのまんま・・とnoisy は思っています。プラムに石灰や綺麗な土、そこに軽い黒果実が入ったニュアンス。ヴォルネイ1級の軽やかなタイプと重厚なタイプの中間的な重量感がそのまんま・・映っているかと思います。勿論、完全に開いてはいないものの、適度な締まりと解放が有り、構造の深い部分からの訴えも届きます。
「・・意外に・・いいなぁ・・」
と言う感じです。ヴォルネイの、どちらかと言えば軽薄にも感じるライトな美味しさも、どこかに持ちつつ、ムルソーに近い方の重厚複雑な粘土由来の美味しさもそれなりに持っている感じですね。ヴォルネイ1級で・・良いんじゃないの?・・と思ってしまいました。
良く出来たワインだと思います。さすがポルシュレ...と言う感じがします。是非飲んでみてください。お勧めです!