● 2022年のドメーヌ・フーリエをご紹介させていただきます。なおA.C.ブルは買い葡萄を混ぜていますので「ジャン=マリ・フーリエ」名義になりますのでご了承ください。
2022年になって、確かに数量は少し回復しましたが、それでも2022年も色々と有ったのでしょう。シャンボール1級レ・グリュアンシェルの入荷が無く、代わりにモレ=サン=ドニ1級クロ・ソルベが入って来ました。シャンボール1級が無いのは残念ですが、モレ1級クロ・ソルベなら良いですよね・・あのジャッキー・トルショ・マタンも造っていたキュヴェですし、彼は決して濃く造ろうとか、新樽を掛けようとかは一筋も思わず、ただ伝統の造りをしていた人です。そんなクロ・ソルベをフーリエ風に仕上げたのでしたら・・そりゃ・・気になっちゃうでしょう?
出来としましてはどうでしょう・・総合的にはいつもとほぼ同様かと感じます。しかし、
「よりエレガントに、より繊細に」
なって来ていると感じます。
今回は2アイテムのテイスティングに留まらざるを得ない数量でしたので、完全に理解したヴィンテージとは言えませんが、
「エレガントで薫り高い、質の高いワイン」
で有ることは間違い無さそうです。
アチコチ、ネットを徘徊していましたら、2022年ものについてジャン=マリが述べている文章を見つけましたので掲載させていただきます。本来はインポーターさんがテクニカル等で教えてくれるものなんですが・・ね。
「オー・ゼシェゾー」とは対照的にこの区画はブロション村に隣接するジュヴレの最北側にあり、よりタニックなバックボーンと全体的なストラクチャーを持つワインを生産する傾向にある場所です。村名ジュヴレにしては複雑で、熟したブラックチェリーの果実と美しく絹のようなテクスチャーを持ちながらも、根底にあるミネラルの推進力とボトルの中でうまく進化するための十分なストラクチャーを備えています。」
- ドメーヌ・フーリエ
オー・ゼシェゾーと言うのは、Noisy wine のルートでは入って来ないジュヴレ=シャンベルタン村名のリューディのことで、ジュヴレの南端、G.C.マゾワイエールの下部、および南に接しており、G.C.マゾワイエールとその上部の1級レ・コンボットと同様にモレ側に出っ張っているので、
「どうしてモレ=サン=ドニじゃないの?」
みたいな区画です。
相対的な感想としてジャン=マリ本人も「絹のようなテクスチュア」だと、そして「ボトルの中でうまく進化するための充分なストラクチャーが有る」と言っているように、
「エレガントで美しく仕上がったが、まだまだこれから美味しくなるよ」
と言うことなのでしょう。ご検討くださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。
-----
2021年のフーリエをご紹介させていただきます。
まず最初に、2021年もののフーリエですが・・激減です・・仕入れ金額で半減、数量で70パーセント減、入らないアイテムも有りまして・・どうにもならない状況です。
出来栄えですが・・A.C.ブルしかテイスティング出来なかったとは言え、このように言えると思います。
「圧巻!」
「記念すべき出来映え!」

まぁ・・そんなことを言いますと、アンチ側からは・・
「また・・そんなこと言って・・。ジャスパーさんはA.C.ブル、89ポイント止まりじゃん?」
などと返されてしまいそうですが、ジャスパーさんはA.C.ブルの最高点を89にしている疑惑が有りますから・・はい・・(^^;;
ですので、ちょっと大きめに切り出した2021年のブルゴーニュ・ピノ・ノワールV.V. の写真を掲載させていただきました。どうでしょう?・・素晴らしいとしか言いようの無い色彩、照りじゃないかと思います。そして涙とグラスのワインとの接点の・・
「まるで日本刀の刃文を見るような・・」
重力で落ちつつあるワインのエキスが落ちずに留まっているかのような・・エキスの濃密さが表れたようにも見えるかと思うんですね。
そして、アロマは芳醇で冷ややかさと温かみ、両方を感じさせつつ、高く短い振幅と低くやや長い振幅を組み合わせ、非常に高質です。
2020年ものと比較しても、色彩はより淡い・・と言いますか、2020年ものが異常に濃いんですが・・エキスの質・濃度は、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールとして超えているかもしれないとさえ感じさせる、圧巻な味わいでした。
A.C.ブルでこれですから・・いや、A.C.ブルで充分な満足が得られるだろうと言う大きさが有りますので、上級キュヴェは推して知るべし..だと思います。
価格も上昇していますが、すでに現在のA.C.ブルは昔の村名クラス同様以上と言って良く、さらにポテンシャルを拾おうと頑張ってしまうと、何と上級キュヴェ並みの要素を見つけてしまう・・まぁ、その辺はA.C.ブルのコラムにも書いていますので、是非お読み下さいませ。
2021年ものは厳しかったはずですが、
「全くネガティヴさを感じさせず、むしろエレガンスや複雑性を評価すると、総合では2020年ものよりも上かも?」
と感じました。是非ご検討いただきたく、A.C.ブルは必飲、その他はお財布に相談して・・とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
-----
2020年のフーリエです。昨今の円安傾向から仕方が無いとは言え、厳しい値付けに追い込まれています。しかも数が有る訳では無く、フーリエの人気アイテムからどんどん減らされ続けていまして、
「もう減りようがない」
ところまで来ています。
ですので、以前のような・・今となってはゴージャスなテイスティングは行えず、A.C.ブルと村名ジュヴレV.V.の寂しいテイスティングになってしまいました。
ですが!・・
いや~・・驚きました!・・A.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2020年の美味しさったら・・まるでフーリエが大変身した伝説の2006年を彷彿させる美しさなんですよ!まぁ・・世間の間ではリアルワインガイドが書いたように2007年と言うことなのでしょうが、noisy のお客様は2006年だと・・ご理解いただいているものと思います。
まぁ、微妙にも異なる部分は有りますが、イメージ的に、感覚的には、あの・・心底、ハッとさせられた物凄い美しさにまた出会えた喜びを是非お客様にも判っていただきたいと思います。価格はちょっと上がり過ぎ・・と言うことで、Noisy wine の取り分を減らして対応していますので結構お買い得なはずです。
まず、美味しくないと言うかたは「いない」はず・・(^^;; 頑張ってコラムを書きましたので、テイスティング出来たA.C.ブル・ピノ・ノワールと村名ジュヴレV.V.のコラムはぜひお読みいただけましたら幸いです。
また、世界的にも評価が高くなっていますので、グリオット=シャンベルタンやクロ・サン=ジャックのみならず、1級コンブ・オ・モワンヌ、1級シェルボード、シャンボール1級グリュアンシェルもグレートワインの仲間入りをしています。非常に少ない入荷で飲めてはいませんが、今回はジャスパー・モリス氏、ティム・アトキン氏の評価が見当たりましたので掲載させていただきました。
なお村名ではモレ=サン=ドニ・クロ・ソロンが最も安い価格になっていますし、日本の価格も上昇していますが、海外の方が相当に高いです。これもドルのアヴェレージ価格が見当たりましたので、判ったものは掲載させていただきました。
何は無くともA.C.ブル、そして村名ジュヴレV.V.です。村名ジュヴレV.V.は、昔は山ほどいただけましたが、2020年ものはたったの2ケースの入荷です。早々に完売するかと思いますので早めにどうぞよろしくお願いいたします。
------
2019年のドメーヌ・フーリエ、ジャン=マリ・フーリエをご紹介させていただきます。今回分は通常、「ドメーヌもの」として理解されている分ですが、A.C.ブルの赤に関しましてはネゴス部門でのリリースで、ジャン=マリ・フーリエのクレジットになっています。
2019年もののブルゴーニュワインの生産は、有名ドメーヌ、実力派ドメーヌになればなるほど、大変に厳しい生産量になっていますので、今回ご紹介させていただくフーリエも、
「オファーを見てビックリするほどに少ない・・」
です。
まぁ、この先の年末に向けて、ジョルジュ・ルーミエやメオ=カミュゼ、ダンジェルヴィーユなどの大御所が入ってくる予定ですが、
「すでに聞いている割り当て分は、金額ベースで昨年2018年ものの50~75%ほど。」
と言う厳しい状況で、数量ベースになりますとそこから値上げ分をマイナスすることになりますので、さらに10%以上は減る計算になり・・noisy としましても、大変に厳しい状況に頭を抱えています。
しかも2020年もの、2021年ものはさらなる減産だと聞いていますので、どうしたものかと・・
ですが、今回のフーリエの2019年ものもそうですが、やはりこのクラスの生産者ともなりますと、ワインは本当にキッチリ・・仕事キッチリ、味わいバッチリに仕上げてくれているのを確認させていただきました。
最もA.C.ブルと村名位しかテイスティングに回せるアイテムが有りませんでしたので、上級キュヴェのテイスティングは回避しています。それでも、素晴らしいA.C.ブルと、官能さまで出てきている完成度の高い村名を飲めば、
「やはりジャン=マリ・フーリエ風の見事なジュヴレ・・半端無い出来をさも簡単なように仕上げてくれる!」
と言わざるを得ません。
海外メディアもその辺はしっかり評価しているようで、ジャスパー・モリス氏は、
「2019年のグリオット=シャンベルタンに96~98ポイント、クロ・サン=ジャックに95~98ポイント!」
と、フーリエの大看板2アイテム両方に上値98ポイントを献上?しています。
まぁこの辺りは、日本向けでは無い樹齢100年以上のスペシャル・キュヴェ、クロ・サン=ジャック・キュヴェ・セントネールの分を、テイスティング出来る、できないとか、ノーマルよりもより素晴らしい、そうでもないに関わらず、98~100ポイントのスペースを開けて置く・・みたいな考え方も在るのか?・・などと勘ぐってしまいます。噂ではそこまでの違いは無いと聞きますが・・どうなんでしょうね。
いずれにしましても、2019年から3年間のドメーヌ・フーリエのワインは、生産量の減少と新興国への供給で、日本への割り当てがさらに減り、酷いことになりそうです。出来が良いだけに残念では有ります。
2019年ものの上級キュヴェは本当に少なく、全て1本~3本・・・多くて6本のキュヴェが有ると言う状況です。是非お早めにご検討くださいませ。
フーリエの2018年メゾン・セクションが到着しました。ドメーヌものに先駆けて入って来ました。
2020年は世界的に特別な状況に置かれてしまった年です。新型コロナ感染症で多くの方々が命を落としてしまいましたし、さらには大国のエゴのぶつかり合いと言いますか、新しい冷戦時代に入ったかのようにさえ見えて来ます。
2000年代前半は経済成長を始めた中国が、香港を筆頭にボルドーワインを物凄い勢いで買い占め始めたのは記憶に新しいところです。
「ボルドーを水で割っても、オンザロックでも文句言わないからブルゴーニュには興味を持たないでくれ!」
みたいな論調がブログなどでも散見された頃では有りますが、その後はその懸念通り、ブルゴーニュワインまで買い占めてしまう結果となり・・今では貨物船さえ、日本直行便は無くなってしまっています。
しかしながらその香港は一国二制度を撤廃したと見える状況になっています・・。それにこの新型コロナウイルス騒ぎに便乗してかどうかは判りませんが、結果として世界中で中国を取り巻く環境は悪化しています。
そんな現況の性なのでしょうか・・。あれだけ数量の無かったフーリエのブルゴーニュ・ピノ・ノワールの割り当てが急激に増えたんですね。それに、まともな案内の無かったジャン・マリ・フーリエの上級キュヴェさえも、少量では有りますがオファーが有ったんです。
皆さんもおそらくそれにはお気付きかと思いますが、幾つかのインポーターさんがフーリエの2018年ものを扱い始めています。
以上を考え併せてみると、やはり「中国ワイン市場の購買力の低下」が、この状況を生んだとみるのが正解かと思われます。
それに上級キュヴェは据え置きか、僅かな価格上昇では有りますが、
「正規品2018年ものブルゴーニュ・ピノ・ノワールはまぁまぁの値下げ!」 と言う結果なんですね・・。
味わいにつきましてはコラムをご覧いただきたいと思いますが、この数年は中国と言う存在にどれだけ振り回されてきたのかを思い知ったところです。
因みに・・量は結構有ると言っても、A.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2018年のみですよ。上級キュヴェ(次回以降ご案内予定)は例年並みですし、もう少し後に入港すると思われるドメーヌものの数量や価格についてはまだ判りません。
ですので、リーズナブルになった2018年ブルゴーニュ・ピノ・ノワールを飲んでいただくことで、2018年ドメーヌものをどうされるか、ご判断いただくのも良いかな・・と思います。ご検討くださいませ。

栽培はラ・リュット・レゾネを採用。農薬は主に低濃度の硫酸銅を使用。肥料は遺伝子組み換えでないものを2~3年に1回撒いている。剪定は集団選抜クローンに適しているギュイヨ仕立て。株が均一化するとワインの複雑味が損なわれるとの考えから、市販のハイブリッドクローンは用いない。収穫量を制限するため摘芽は非常に厳しく行う。収穫は、収穫人を急がせず、ゆっくりと選別しながら摘み取りを行わせ、またカビが飛び移らないよう手洗いも励行している。
収穫果は100%除梗し半分だけ破砕。低温浸漬は自然の温度(朝の収穫果の温度)で3~4日行う。マストが15℃を超えるときは温度を下げる。自然に任せて発酵を開始し、発酵開始直後と末期に液循環、最盛期には1日4回手作業によるピジャージュを組み合わせ、トータルの発酵期間は18~20日間。熟成は、新樽は多用せず20%程度の使用に留める。18ヶ月の熟成中、澱引き、清澄、フィルターも一切行わない。
ドメーヌについて:
ジュヴレ・シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ヴージョに9.5haを所有し、その内1級とグラン・クリュが70%程度を占めます。現在の当主は1971年生まれのジャン=マリー・フーリエ氏。ボーヌのワイン農業学校を卒業後、ブルゴーニュ大学の醸造講座に通いました。1988年には半年間アンリ・ジャイエで研修、その後父親の元で修行を積み、1993年オレゴンに渡りジョセフ・ドルーアンでアメリカのピノ・ノワール造りを学びました。1994年の帰国後23歳の若さで父の跡を継ぎ、自ら「テロワリスト」と名乗り、醸造にテクニックを求めず、自然を支配することを好みません。高度な技術に頼らず、自然に任せていた20世紀初頭のヴィニュロンの流儀の再現を目指しています。
ネゴシアンについて:
ネゴシアン事業は、高品質の葡萄であること、ドメーヌ生産量の3割を超えないことを自らに課し、2011年ヴィンテージが初リリース。これらのワインは、ドメーヌワイン同様のフィロソフィーで選ばれ、造られており、ジャン=マリー氏曰く「新たに養子に迎えた子供のような存在」なのです。