まぁ・・何と言おうか・・このピエール・ボージェと言う人のワインの真の豊かさ・・みたいなものに惚れていらっしゃる自然派ワインファンは多いと思うんですね。
別にさして樹齢が高い訳でも無く、さらには「フランスのヘソ」とは言いながらも、優秀とされる産地でも無く、さらにはそのアペラシオンも取得していない・・
つまり、
「頭で飲んでも判らないワイン」
で有って、
「心で感じるワイン」
なのかな・・と思う次第です。
確かにこの人懐っこい鄙びた(・・失礼・・)味わいは、例えば「マッサヴェッキア」に直通しかねないものかな・・と感じますし、それでいて、
「ピエール・ボージェならではの強烈な個性」
をも感じさせてくれる訳です。

懐かしいですよね・・シャンピニヨン・マジック。思わず写真を探してしまいました。2004年のソーヴィニヨンですが、もう9年以上前にご案内していました。
「・・高くなったなぁ・・」
と、売れるかどうか判らないので心配だったんですが・・5千円くらいでしたね。
でも瞬殺だったんですよね。
「人気」と言う、訳の判らないものの恐ろしさを知ったワインでした。ふんわりとして・・芯が無いようで、実は全体が芯のようなワイン・・。捉えどころが難しいか?・・などと考えている、ワインを頭で飲む可能性が非常に高い評論家やワイン屋(・・noisy もふくめ)のどうしようもなく凝り固まった判断以上に、お客様の自由な感性が、ピエール・ボージェのワインを受け入れたのでしょう。

これも懐かしいですね~・・レトゥルディ2003年のガメ。これ、確か、2千円代でしたよ?・・
「ピエール・ボージェは失敗作だと言ってる」
と言うので、
「・・そんなもん、自分で失敗だって言ってるものを売るのかい?」
と、ある種の反感を持ちつつ飲んだワインです。・・しかし、
「・・うわっ・・滅茶旨いじゃん!」
追加に追加をして、それなりに販売させていただいた覚えが有ります。
思えば、失敗作と言うのは、本人にとっての元のヴィジョンを外れてしまったワインになった・・と言うことで有って、「駄目なワイン」と言う意味では無かったと思うんですね。
この頃はまだ、世に知る人の少ない状況でしたが、どうやら世界もピエール・ボージェのワインの良さに気付いてしまったんですね。
確かに高価にはなった。でも、何年かに一度しか出会えない。まして買えるかどうかさえ判らない訳ですから、仕方が無いのかもしれません。
そこに価値観を見いだせる方にお勧めしたいと思います。
「頭で飲まず心で飲んでね!」
そんなピノ・ノワール・ワインになっているかと思います。ご検討くださいませ。