
いや・・参りました。2017年、2018年と扱わせていただいて、この2019年がそれなりの値上げになったんですね。・・そう、20%も仕入値が上がった上に、ボリュームディスカウントもまともに出来ないとおっしゃる・・。
なので、2千円台で販売していたものが3千円を超えての値付けになってしまうので、
「価格競争力も低下。ある程度大きな造り手だし・・扱いはどうしたものか・・」
と悩んでいまして、でもそこそこリーズナブルで扱いやすさは抜群なので、
「まぁ・・少し仕入れてみて、20%アップ分の魅力が有ったら続けようか・・」
と言うことにしたんですね。で、この年末も年末、押し詰まったのにまだまだ新着を出さないと年を超えられないNoisy wine のテイスティングに無理矢理出した訳です。
で、開けたてをグラスに注ぎ、ノーズにグラスを近づけると・・何ともまろやかな、素晴らしいメルロが放つ高級ショコラ的アロマと、そこにトッピングされた、ちょっとお高い高級フルーツ専門店ならではの、一粒「ん百円か、ん千円?」みたいなベリーをジャムにしたような・・それでいて口に含むと見事にドライで、まんまるなパレット・・いや、違うな・・球体に近い立体感を持ったパレットを、余分なトゲが全く見当たらないがごとくに、描き切ります。

マイルドだし、甘く無いし、でもフルーツやケーキさえ彷彿させるし、中域の膨らみ方も実に上品で、しっかりと長く持続する余韻がまた・・少しだけビター感を添えてくれるものだから、その高質感を助長してくれちゃうんですね。
「・・これ・・ズ、ズル~い!」
思わず言葉に出ちゃいましたよ。まるで、ワンクラス上のキュヴェ、レ・セッレ・ヌォーヴェにかなり近いポテンシャルまで、ブラッシュアップして来ているようにさえ感じました。
「・・どこにもツッコミどころが無いじゃん・・」
もしどこかをツッコめる・・と言うか、ネガティヴなことを言えるポイントが有るか?・・とするなら、それは、
「完璧過ぎて・・何とか」
しか無いように思います。
まぁ、二枚目や美人さんは3日で飽きる・・などと揶揄されますが、そんな系統でしょうかね。
しっかり濃度が有るのにダレず、キレもちゃんとあるので次のグラスにもついつい・・なので、ゆっくり味わいながらも、それなりにクイクイ行っても、そのどちらにも対応できる懐の深さも有ります。
なので、しばらく様子見で・・販売を持続することにしました。それでも他社さんよりリーズナブルなんじゃないかと思います。是非ご検討くださいませ。ホント、「ズル~いワイン」です。
以下は以前のレヴューです。
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【オルネライアを小さくしたような・・見事な味わいです!しかも非常にリーズナブル!】
セカンドワインのレ・セッレ・ヌオーヴェの下・・と言うことは、サードワイン的存在なのがこのレ・ヴォルテなんですが、どうでしょう・・飲んだ印象だと、
「確かにサード(3番目)的な格では有るが、オルネライアの風味をそのままイメージさせてくれるのはレ・ヴォルテ!」
と感じてしまいます。
セカンドのレ・セッレ・ヌオーヴェはボルゲリの良いメルロが多い分も有ると思いますが、オルネライアと言うよりはマッセートを強くイメージさせます。
まぁ、どこかのエノロゴさんは、メルロの聖地とも言うべきボルドーのポムロルの粘土を、
「ん?・・大したことないよ。こちらに比べれば砂・・だね・・」
と言ってのけた位ですんで、粘土を好むメルロの深~い表情を出せるのはイタリア・トスカーナの大地だと言わんばかりだったのを覚えています。
そんな粘土系の深いメルロの味わいを奥底に持ちつつ、サンジョヴェーゼのしなやかさが繫ぎになり、赤く華やかなカベルネのアロマと明るさを見事にマッチさせ、
「流石!」
と言ってしまいたくなるほどの
「高貴さ」「エレガンス」
の創り込みの上手さには、思わず唸ってしまいますよ。
しかもこれ、結構にリーズナブルでしょう?・・この位のプライスで、オルネライア的エレガンスや存在感の端っこでも覗ける訳ですから、とても面白い存在だと思います。
今回は正規品です。ちゃんと入れました・・(^^;; そして価格交渉もして、頑張ってロープライスを実現していますので、是非ともイタリアワインも飲んでみていただけますと幸いです。特に断わるほどの自然に配慮した造りでは無いですが、伸びやかで良く香り、存在感の有る味わいです。お勧めします!