
・・どうです?・・いや・・2014年ものとの色合いの違いですよ。・・判るでしょう?
そう。色合いの密度が全然違うんですよね。かなり濃密になって来ていると思います。
「・・でもマスカットベイリーAでしょう?・・好みじゃないなぁ・・」
と思われるかもしれません。
でも、そんなことを言ってると、世の中に置いてけぼりにされちゃうんですね・・。どんどん変わっていきますからね・・。
なんせ、この「カミオギノト 843-5」だって、2年前の実績が有るから・・仕入れが可能だったんですね。そうじゃないと販売できないそうです。とても足りなくて・・。
世の中もそうですよね。
「インターネットなんて・・難しいし判らないからやらないよ」
と言ってた友人も、今じゃパソコン、スマートフォンの達人です。もっと早くにやっていれば、noisy レベルには成れたかも・・しれません。・・何て言ってますがnoisyは大したことは無いです。長いだけ。
で、さっそく飲んでみると・・良いですね~・・まだ若さも感じますが、2年ぶりにリリースできたこの「カミオギノト 843-5」は、果皮の厚み、構成の深さをしっかり感じさせてくれます。若さゆえに「磨り潰したような果実のニュアンス」が有りますが、これがやがて丸みを帯びてくると・・仕上がりですね。中域も2014年に比べ密度高く、大きく膨らむようになっています。
日本発祥とも言えるマスカットベイリーA、ワイン好きには避けて通れない葡萄でしょう。・・じゃないと「語れませんから」ね。是非飲んでみてください。限定ですのでこの数量で終了です!
以下は2014年のこのワインのレヴューです!
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【天童のマスカットベリーAで仕上げたタケダワイナリーの限定高級シリーズです!】
山形県天童市の花輪農園産マスカットベリーAを使用し、単一畑ものとして限定醸造されたワインです。
そもそもマスカットベリーAは、正確にはマスカットベイリーAと言うべきなのかもしれませんが、マスカットベーリAでもマスカットベーリーAでも良いことになっています。でも母系はアメリカ系のベーリー種、父系がヨーロッパ系のマスカット・ハンブルグ種ですので、
マスカットベーリーA、マスカットベイリーA
と言うことなのでしょう。横文字では「Muscat Bailey A」で有って、「Muscat Berry A」では有りません。
タケダワイナリーの有る上山は、あの山形蔵王への入り口ですよね。noisy も何度か山形蔵王には行ったことがあり、頂上から樹氷の間のコースを滑ったことが有ります。寒くてね・・。今はどうなのか判りませんが、その頃はゴンドラを2本乗り継いで頂上にたどりついたものですが、冷えて途中でトイレに行こうにもゴンドラ待ちからの頂上なので・・貯蔵臓器がパンパンになってしまって死にそうでした。何せ、ゴンドラの中間駅ではマイナス9度、頂上はマイナス15度でして、我慢に我慢を重ねて・・何とか持った苦しい記憶が有ります。
頂上からのコースの初めは、カリンカリンのアイスバーンが100メートル位続いてまして、その脇、左奥が樹氷原でした。吹雪いてると余り見えないんですが、天候が良いと実に綺麗ですよ・・。アイスバーンはスキーのエッジがまるで立たず・・ほとんどスキーならぬスケート状態。まぁ・・そんな時は無理にエッジを立てずに体重移動だけで何とかするのが良いのかと。あ・・ど~でも良い話しでした。でもまぁ・・冬場はその位寒い地域・・と言うことですね。
このワインは、そんな上山から北に、山形市を通り越して天童の花輪葡萄園の葡萄を使用しています。25キロ位北でしょうか。天童ですからサクランボとか、将棋の駒とかが有名ですよね。お酒ではやっぱり出羽桜でしょうか。
タケダワイナリーではドメイヌシリーズと言って、高級ワインのラインが有り、今回のKamioginoto843-5 もその仲間入りをした?ワインのようです。限定数で初リリースと言うので飲んでみたいな・・と仕入れたものです。
色合いもしっかりしています。濃密な色合いですよね。淡い色合いのフレッシュタイプが結構多いマスカットベリーAでは有りますが、こちらは本格派、しかも完全にドライです。
アロマも「フレッシュさだけが命!」・・のような安い日本ワインのものでは無く、それなりに複雑性を持っています。ジューシーなものじゃ無く、本格派だと思ってください。
ほんのりとスパイシーで、実際の色よりも黒が強い果実のイメージです。ロワールのコットとか・・いや、イメージですよ。結構な厚みの有る果皮のニュアンスに蝋のトッピングが有る辺りは結構似ています。
口入れは滑らかで、薄い感じはしません。
「・・おっ!・・なかなか・・やるじゃん!」
と言う感じ。
日本のワインとしてみると結構肉厚で、タンニンもそれなりにあり、中域も造れています。ミネラリティも日本のワインとすると結構なクラスに分類出来ると思います。石灰系はあまり強くなく、鉄分系はソコソコ、粘土のニュアンスも有ります。余韻もソコソコしっかり有って、充分に評価できるワインでした。
ドライでタンニンも有りますので、ロワールやボルドー辺りのワインを足して割ったような感じの熟成をするんじゃないかと思います。10年は平気でしょう。勿論ですが今飲んでも美味しいです。
ただし、冬場はどうしても品温が下がりますので、少し上げ気味に持って行く努力をしてくださいね。16度以上が推奨です。18度までは大丈夫かと思いますが、16度位からお試しいただくのが良いでしょう。14度でも飲めますがだいぶ沈んでしまいます。
有機栽培、天然酵母の健康なワインでした。良い出来だと思います。是非ご検討くださいませ。