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「絶メシ・・ならぬ絶ワイン!・・ここに極まれり!」 いや~・・ノスタルジーです。何と言えば良いのか・・言葉にすればするほど陳腐な表現にしかならないと感じてしまいます。
2017年もののガニャール・ドラグランジュをほぼほぼ・・飲ませていただきましたが、いや・・適当な言葉が本当に見つからないです。
イメージ的に一番近いのは、
「長く熟成したワインが、最後の力を振り絞ったかのように繰り出してくるテロワール由来の物凄いアロマ」
でしょうか。
勿論ですが、そんな熟成したアロマなんか、2017年のワインには有りません。感覚とか感性とか・・なんですね。ワインの味わいや香り、全体の姿そのものが、そんなイメージなんですね。
なので、最近テレビで遅い時間にやっている「絶メシ旅」(だったか?)を思い出してしまったんですよ。
「もう、この機会を逃したら二度と食べられない味」
です。
確かに最近のブルゴーニュワインは、本当に美味しいです。ニューウェーブ(古っ)と言うか、何よりもとても判りやすいし、外交的で必ずと言って良いほど、飲み手の方向を向いてくれるワインです。
でも・・例えば2016年のヴァーゼンハウスでしょうか・・。ま~最初は判りにくいバランスでした。でも飲んで行くうちに、ノスタルジックになって来ちゃいました。そして・・思い出したんですよ・・70年代のブルゴーニュワインの味わいを・・。
さらに言ってみれば、2017年から再始動するはずだった「ルイ・ユエラン」です。まだ入荷したなどと言う話は聞きません。あれが入ってこなくなったので、noisy の店は苦しくなってしまいました・・。
でも、そんなルイ・ユエラン的な「シミジミ」と染み入って来る感じとか、「ワビサビ」を心得ている感じだとかが、2017年のガニャール・ドラグランジュにはしっかり有るんですね・・ちょっと涙が出てきそうです。
今回の2017年ものは、流石にバタール=モンラッシェだけは飲んでいませんが、その他は全て開けさせていただきました。リーズナブルですし、何より
「心に直接訴えてくるような優しくも華やかな・・シミジミした味わい」
のブルゴーニュワインです。
小さい頃好きだったおじいちゃんとかおばあちゃんとか・・そんなイメージなのかもしれません。・・いや、年寄りの匂いはしませんよ・・大丈夫。ブードリオットなんて感動ものです!
なお、勝手にリンクして良いのか判りませんが、面白いブログが有ったので、コピーペーストでご覧ください。10数年前まではトップクラスに最も近い位置にいたのがドラグランジュです。
http://blog.partywine.com/2013/01/post-155.html
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ガニャール・ドラグランジュをご紹介します。ガニャール・ドグランジュは当主のジャック・ガニャールさんが亡くなられましたので、2008年が彼の最後の作品になりました。
現在は近親のブラン・ガニャールとフォンテーヌ・ガニャールへ畑を徐々に譲渡しているようですが、古木から生まれる正にブルゴーニュ的クラシカルな味わいは、懐かしくも有り、惜しくも有り・・飲むとついつい、センチメンタルな気持ちにさせられます。
しかしながら、むしろ最近はこのようなクラシカルな味わいのブルゴーニュは絶滅している・・と言って良い状況でして、改めて飲んでみると・・
「・・いや~・・派手さは無いけど、シミジミ美味しい・・」
と思われるんじゃないかと思い直しています。
noisy の店でもルイ・ユエランがあれほどに支持されたのには、あんな「シミジミ伝わる美味しさ」にほだされたお客様が多い・・と言うことなのかと思うんですね。
それに、ガニャール・ドラグランジュのワインも全く変わっていない訳では無く、徐々に近代的な造りの方に引っ張られていますので、大昔のガニャール・ド・ラグランジュの味わいとも異なっています。
それはどういうことかと言いますと近代的な造りは、
「過度の空気接触を避ける」
「過度のピジェアージュ、ルモンタージュをしない」
こと等によりピュアなフレーヴァーを失わないようにするような側面が有りますが、徐々にそちらに寄って行っていると感じます。
なので、以前よりも大幅にピュアになっています・・が、過渡期と言うか、徹底していないことによるのか判りませんが、
「良い感じに中間的な味わいになっている」
ものでして、なので余計に
「シミジミとした美味しさが伝わってくる」
「ピュアなのにブルゴーニュ的なエロスがノーズをくすぐる」
と言う、嬉しい状態にもなっているんですね。
ドメーヌ・ガニャール・ドラグランジュがいつまで存続するのかは微妙ですが、こんな「シミジミエキスのエロストッピングワイン」、是非飲んでみていただき、以前のブルゴーニュワインが持っていた表情を想像してみていただきたいと思います。
■エージェント情報
ドメーヌ フォンテーヌ ガニャールの当主リシャール フォンテーヌ氏の義父である故ジャック ガニャール氏が当主として運営していましたが、惜しくも2009年7月に享年80歳で他界され、現在はリシャール氏と、ドメーヌ ブラン ガニャールの当主で同じく義理の息子にあたるジャン マルク ブラン氏の助力の下、ジャック氏の奥様がドメーヌを引き継ぎました。
2009年ヴィンテージの醸造においては、特にジャン マルク氏の息子であるマルク アントネー氏が中心となって行っており、ジャック氏は醸造に携わっていないので2008年物がジャック氏の造った真のラストヴィンテージと言えるでしょう。
1960年からワイン造りをしていた故ジャック氏の畑は約2haと非常に小さいですが、その多くは樹齢50年以上の古木です。しかし、畑は年々フォンテーヌ ガニャール、ブラン ガニャールの2つのドメーヌに譲渡されていっており、近い将来、すべて譲渡する予定のようです。手摘み収穫後に白は低温浸漬してアロマを出し、樫樽で16~18ヵ月間醸造。赤は除梗後に2~3週間かけてアルコール醗酵をさせ、樫樽で16~18ヵ月間熟成させます。ドメーヌ フォンテーヌ ガニャールのワインは瓶詰前にフィルターを掛けていますが、ガニャール ドラグランジュのワインはフィルターを掛けていないのでよりタニックな仕上がりになっています。

