
グレートイヤーの2019年だから旨いのか、若きマルク・アントネーさんがコツをつかんだからなのか・・は、2018年ものパストゥグランの入荷が無かったため、判断のしようがないのが残念です。2017年ものはそれ以前のものに比較すると非常に伸びやかで美味しかった・・と記憶していますが、
「2019年ものとは比較にならない」
としか言いようが無いほど2019年ものは充実し、洗練され、滅茶旨いです。
まず、このギリギリまで寄ったグラスの写真をご覧ください。・・いや・・これパスグラですよ。まずガメが素晴らしい出来だと思います。このワインの「伸びやかさ」「軽妙な旨さ」を担当すべき品種です。
そしてピノ・ノワール。これも充実しています。繊細さと高質感を担当していると思いますが、これもまた・・素晴らしい出来です。
どちらも非常にピュアに、ほんのりナチュラルに仕上げられてブレンドされています。
ですが、2016年までとは全然違う・・。もっとクラシカルでしたし、もう少しピュアさが欠損していたと思うんですね。ですが、この20年の間にブルゴーニュワインが培ってきた、
「若くても美味しい!」
味わいを、このパストゥグランは高いレベルで実現している・・そう感じてしまうんです。

ですので、2016年以前はブラン=ガニャールのチームがガニャール=ドラグランジュを醸造していたものを、その指揮をブラン=ガニャールの息子さんのマルクさんが取るようになり、この2019年の葡萄の仕上がりの良さと若い感覚の成長が、
「この素晴らしいパストゥグランを造り上げた!」
んじゃないかと思っています。
noisy も、普段飲むなら「パスグラ」が良いと・・本気で思ってます。ピノオンリーよりも美味しいんですよ・・。重くならないし。華やかだし。樽っぽく無いし。食事に合わせやすいし。
なので、Noisy wine でも思いっきりパスグラをお薦めしています・・が、
「数が有る訳でもないので追加出来ず完売状態」
が続いてしまうんですね。
美味しいものはさっさと無くなってしまいます。それに加えリーズナブルですから・・ま、ある意味、この3千円以下でヨーロッパからのとてもおいしい飲み物が届いて楽しむことが出来る・・今の世の中の状況を見ると、
「もしかしたらそれも幻想?・・と言うか、素晴らしい出来事だったんだ。」
と認識するべきなのかもしれません。是非飲んでみて下さい。安くて滅茶旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ピュアです!果実感もバッチリ!・・2017年ものはちょっとルイ・ユエラン、入ります!】

いや~・・すみません、撮ったはずの写真が見当たらず、小一時間も掛かってようやく見つけましたが、どうやってもそれをPCで開けず、何とか・・したんですが、やはりちょっと画質が落ちてしまいました。
ですが、2017年のガニャール・ドラグランジュ、良いですよ・・。完全にルイ・ユエラン、入ってます。ピュアさはこちらの方が上かもしれません。今飲んでも美味しいですが、少し寝かせたら・・抜群でしょう!
決してポテンシャルを言うべきワインでは有りません。ですが、
「これがブルゴーニュ!」
と言いたい、何とも心地良い美味しさです。ドライでピュア、鄙びた美味しさに是非トライされてください!
以下は以前のレヴューです。
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【一体感、シームレス感バッチリ!ややライトなベクトルを持ったピュアな果実が嬉しいパストゥグランです!】
良い色合いをしていますよね・・。感じられる通りの味わいだと思いますよ。明るくて、あっけらかんとしているのに、実は最後にしっかり押してきてくれる、やや軽めに振られたガメ、ピノ・ノワール半々のパストゥグランです。
昨今のブルゴーニュ・パストゥグランは、ほとんどが、
「・・ガメ、入ってるのかな?・・判らない・・」
ほど、ほぼ完成されたパレットを描いてくれ、ブルゴーニュ・ルージュとの差が見事に無くなって来ています。まぁ、その分価格も上がってはいますが・・。
ガニャール・ドラグランジュの2016パストゥグランは、そんな濃密さの有るパストゥグランまでは持って行かず、やや軽めのポジションを保ったまま、ピュアに、ほんのり妖艶に、良い感じの仕上がりを感じさせてくれます。
驚いたのは以前の様に、ややタニックさが後味に残る感じが無い・・と言うことですね。タンニンは有るのでしょうが、それを感じさせることが有りませんでした。
そして特筆すべきは、ピノ・ノワールとガメが一緒に植わっており、一緒に醸造している・・と言うことですね。これもゲミシュターサッツでしょうし、マルセル・ダイス的なアプローチと言えます。
しかしその効果は絶大で、品種をブレンドしていることがまず判らないんですね。一体感、シームレス感と言う言葉をnoisy は使っていますが、その「継ぎ目の無さ」は滑らかな舌触り、テクスチュアにも現れて来ます。
ピジェアージュ(櫂入れ)のやり方・回数などやウイヤージュ(補酒)の頻度などの作業は、テクスチュアやピュアさに影響を与えると思いますが、ピジェアージュはそこそこにやり、ウイヤージュはさほど頻繁では無い造りかと・・想像します。半年ほど置くとさらに滑らかさが増し、色艶も増大、押し出しも増すでしょうが、現時点で美味しく飲めますので、少し休めてからお楽しみください。
見事にドライな味わいから、酸度は低く無く高過ぎないバランスの、明るさ満点、ややライトでピュア、エロストッピングのパストゥグランです。お勧めです!