● 昨年より復活し再度ご紹介させていただいたフォンテーヌ=ガニャールの2016年をご紹介させていただきます。

2016年はご他聞に漏れず、霜害などで大きな被害を受けたブルゴーニュです。左の二枚の写真は、同日に撮影された畑ですが、霜で芽がやられた畑には、葉っぱすら・・伸びて来ていません。
フォンテーヌ=ガニャールでは1/3~1/5ほどの仕上がりのようで、特にグラン・クリュはほんの少ししかできなかったようです。
しかしながら仕上がって来たワインの出来には・・ビックリしました!..A.C.ブル・ブランでさえ・・村名並み以上の仕上がりを見せてくれましたし、しかも・・・こんな例えはどうかな?・・大丈夫かな?・・とは思いますが一応・・、そうですね、2015年までは「上品な絹ごし豆腐」だとするなら、その絹ごし豆腐にクリスタルのコーティングをし、様々なミネラリティを蒸着させたかのような表情をしています。
まぁ・・やっぱりそんな例えは難しいでしょうか。言ってしまえばミシェル・ニーロンさんそっくり・・なニュアンスに、シャサーニュならではの柔らかで多彩なアロマ、表情を、ほんのりと植え付けたような感じ・・なんですね。
これ、滅茶美味しいですよ!・・高級料飲店さんで受けるのも判る素晴らしい味わいでした。

赤、ピノ・ノワールも2015年同様に素晴らしいです。
「2015年が少し甘めだ・・」
とお考えの方は、よりドライでピュアなのが2016年だとお考え下さると良いと思います。白ほどの変化振りでは有りませんが、非常にピュアです。
2015年ものポマール・リュジアンの素晴らしさにはノックアウトされてしまいましたが、2016年ものは僅かしか入荷せず、残念ながらこのトップ・ワインは飲めていません。申し訳ありません。ですが、飲まれた方ならお判りの通り、
「ポマール・リュジアンの素晴らしさには脱帽!」
すること、間違い無いでしょう。
数が無く、テイスティングの厳しい2016年フォンテーヌ=ガニャールでした。是非飲んでみてください。超お勧めの生産者です!
■エージェント情報
2016年は4月末の霜で多くの畑が被害を受けたが、さらに北風が吹いていた影響で霜の範囲が広がって標高の高い1級や特級の畑でも被害が出てしまった。春から初夏にかけて雨が多く寒い日が続いてベト病も発生してしまい、その対処で通常7月中旬に終わる畑作業が8月初旬までかかった。
夏の天気は素晴らしく収穫できた葡萄は悪くなかったが、霜の影響により区画ごとに収穫量にかなりの差がある。特にブルゴーニュルージュは2区画ある畑の片方がほぼ全滅してしまったので、通常20~24樽ほど造っているのに対して2016年はわずか4樽分しか造れなかった。
全体的に見るとピノノワールよりシャルドネのほうが収穫量が減少しており、例年の1/3ほどになっている。近年の雹の影響による葡萄の木へのストレスで醸造当初はとても固かったが、マロラクティック醗酵が進むにつれてバランスが良くなってきて相対的には悪くないヴィンテージになっている。
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フィネスさん輸入のフォンテーヌ=ガニャールをご紹介します。昨年、かなり久しぶりにフォンテーヌ=ガニャールのACブル赤をご紹介させていただき、かなり好評をいただいています。
「こんなにエレガントでバランス良いとは思わなかった」
と言うようなご意見が多かったです。
実はnoisyも2014年ものは幾つか飲ませていただいておりまして、それまでnoisy 自身がドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャールのワインに抱いていた印象を、一度再構築する必要が出て来たな・・と感じていました。
その、それまでのフォンテーヌ=ガニャールのワインの印象はと言えば、
「上級のシャルドネ、モンラッシェやバタールは非常に良いが、それ以外は普通・・と言うか、エレガントでは有るかもしれないが密度不足で結果として薄いし妙な硬さが気になる。」
と言うものです。おそらく長いワイン歴をお持ちの皆さんの印象も近いものが有るかと思います。
そんな状況でしたので、良年と思われる2015年こそは、経費を増やして・・(^^ フォンテーヌ=ガニャールのワインの真の姿のイメージを、自分なりにつかむ必要が有ると考えた訳でして、それなりに多いアイテムのテイスティングを行いました。
結果、今まで自身が持っていたイメージを大きく覆す結果になりました。まぁ、フィネスさんからいただいているワインのコンディションに問題が無いのも大きな一因かと思いますが、一言で言うならば、
「超絶フィネス!非常に贅沢な味わい!」
と言えます。
まぁ、このように言ってしまうのは非常に簡単ですが、それをちゃんと言葉にするのには、イメージを掴めるようにならないといけない訳でして、そのイメージを掴めたからこそ、そう書ける・・と言うことなんですね。
シャルドネは言うに及ばず、実はピノ・ノワールも滅茶美味しくて感動しました。ぜひ素晴らしい2015年もののフォンテーヌ=ガニャールをお試しになられ、その結果・・ファンになっていただければと思います。

このドメーヌは1985年に設立され、当主のリシャール フォンテーヌ氏はシャサーニュ モンラッシェ村の名家であるガニャール ドラグランジュ、ブラン ガニャールを一族に持ちます。所有する畑はシャサーニュ、ポマール、ヴォルネイ村に約10haで、コクがあり力強くてトロみのある白と、色調が濃く肉厚な赤を造っています。畑の土壌は基本的には粘土石灰質ですが、区画によって様々な特徴があり、それがワインのキャラクターに個性を与えています。葡萄の木の仕立てはギュイヨ式で、1株につき6~8房に制限します。
収穫は全て手摘みで除梗は100%、醗酵前に低温浸漬を行います。アルコール醗酵は白の場合は228ℓの樫樽で、赤はコンクリートタンクで行います。温度調節には冷却パネルを使用し、白は最高15~26℃、赤は15~32℃で醗酵させます。ピジャージュ、ルモンタージュは1日2~3回でアルコール醗酵終盤はルモンタージュのみ行います。
熟成は白は約12ヵ月、赤は約18ヵ月でいずれも228ℓの樫樽で行います。
このドメーヌではフランス中央のCHERという地方の樫の木を自ら購入し、庭で2年間乾燥させてから樽業者に製造してもらっています。新樽率はブルゴーニュとヴィラージュが20%、1級と特級が30%になります。