
美味しいはずです・・なんて・・飲んでるんだかどうだか良く判らないかもしれませんが、実は・・
「このA.C.ブルとパスグラは2021年6月入荷!」
だったんですね。
ちょうど親父が亡くなった頃に2アイテムだけ赤が先着していまして、テイスティングはしたもののご案内出来ずに今になってしまった訳です。だからと言って、テイスティング内容を覚えていないと言うことは無く、ちゃんとアリアリと覚えています。
リアルワインガイドの評価テイスティングでも、noisy が担当レヴューのボトルを持ち帰らないので、
「・・noisy さん、それで良く・・書けますね~・・」
と言われます。でも、noisy の自宅の食卓には、常にボトルが50本以上・・下手をするとあとプラス20本・・。まぁ、この50~70本の間のうちにテーブルの上をある程度片付けないとカミ山が大噴火してしまう訳ですね。なので、リアルの担当テイスティングボトルを毎回数本持ち帰ると、溶岩が流れ出してしまう訳で、そんな理由も有るんですが、
「印象深いアイテムはほぼほぼ覚えている」
ので、持ち帰って再度飲む必要はないんですね。それに印象深く無い・・ごく普通の味わいとかでしたら、「あれと同じ感じ」で覚えておけますし、駄目だなぁ・・こりゃみたいなアイテムは、評価点そのものが低いし印象も悪いですから、還って覚えてしまう訳です。もっともそんな場合、そのアイテムの担当になることはまず無いですけどね。
で、このA.C.ブル・ルージュ2019...覚えてますよ。2019パスグラの、余りに可憐でバランス良く、流れて行くような見事な味わいに比較して、
「より深いピノの味わいの中に、2018年ものまでには無い複雑な要素が凝縮していて、その分やや引っ掛かりの在る感じ」
がした訳です。
ですんで、
「パスグラは紹介したい・・けどA.C.ブルは半年..掛かるよなぁ・・」
と覚えていたんですね・・。
色合いを見ていただくとお判りかと思いますが・・あ、初夏のテイスティングですからボトルもグラスも曇り気味・・なのがバレバレですね・・2018年ものの暗い色合いからは激変して、「赤」ですよね。エレガントな感じは変わりませんが、
「赤果実が相当凝縮している感じ」
なので、いつもよりも複雑な味わいがしました。2016年に似ていますがもう少し積層した感じの色合いです。
ですので、9カ月ほど経過し、ようやく美味しくなって来た頃だと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【・・はい・・写真を見比べて・・是非ご購入ください・・。飲み心地も最高!密度の高い極上ピノ・ノワールの純な美味しさに触れてみましょう!】
「・・これ、マジか・・?」
と、最初は信じられませんでした。
何か間違ったのか?・・どこかで入れ違えたとか?・・とか、色々考えてしまいまして、結局、この2018年のフォンテーヌガニャール、2本も開けてしまいました・・。
だって、劇的に・・それまでのフォンテーヌ=ガニャールのA.C.ブルとは、見た目が全然違うじゃないですか。
2016、2017年と来て・・とても美しいピノ・ノワールでしたし美味しかったです。人気が有るとか無いとかではないですが全く残らないワインです。
でもどちらかと言えば、淡くてエレガントで、しなやかさも有って・・でも凝縮感は感じないけれどエキスはしっかり有る・・そんなイメージでした。
ところが、これですよ。この色彩。余程健康的に葡萄が育って熟したものが収穫でき、かつ、選別も相当にきっちりしないと、こんな色合いにはならないはずです。
なので、もう一枚、貼っちゃいます。2本目です。

杞憂でした。同じです。一枚目の写真は結構に前にテイスティングしており、「ボトルの底の方」をグラスに入れています。ので、ちょっと透明度が出ていないかな。
二枚目の写真は6月30日~7月1日の撮影だと思います。これは見ていただけますとお判りのように、ボトルの上の部分ですね。より明るく透明感がアップして撮れていると思います。
凝縮感・・と言ってしまうと、
「ん?濃い味なのかな?」
と伝わってしまうのを恐れて・・そうは言いません。密度がとても高いです。
しかしながら味わいの延長はあくまで2016、2017年ものの上に有ります。実にエレガントです。そして非常にドライ・・。酸のバランスも心地良く、果実のニュアンスが、まだ花の内からのアロマと熟した果実のアロマが混然一体となっています。
エッジを感じないまろやかな口内感覚で、僅かな襞の触感を感じさせながら、質の良さを漂わせつつの余韻です。
しかもこれ、相当に長い期間も良い熟成をするんじゃないか?・・とさえ思わせるんですね。結構、長く検証させていただきましたから・・。
そして、So2もかなり少ないと思われますが非常に健全。なので・・
「ど~しちゃったの?フォンテーヌ=ガニャール!」
と言うことになっちゃった訳です。少なくともラモネさんのシャサーニュより美味しい・・(すみません・・)。
なので、これは是非とも飲んでみていただき、ご意見を頂戴いただければと思います。何せ、今のブルゴーニュで、
「12.5度のピノ・ノワールを、この葡萄の熟度で出来る!」
のが信じられません。ある意味、圧巻・・ビックラしたのもお判りいただけると思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ドライでピュア!こちらも化粧ッ気無しの、ほんのりナチュラルさも感じるピノ・ノワールです!】

ヴォルネイのレ・ロンボワとシャサーニュ=モンラッシェのプラティエールのブレンドです。どちらもA.C.ブルの畑ですが、惜しいところで村名になってない感じの畑でして、例えばレ・ロンボワの真上はクロ・マルタンで村名畑ですし、プラティエールの約半分は村名畑です。
ですので、結構にしっかりしていますよ。非常にドライですがピノの味が濃いです。この、ドライな味わいと言う部分が味噌でして、シャサーニュの赤は甘くなりがち、レ・ロンボワ辺りはシャルドネに向いた畑が多いので石灰が強くなりがち・・と言うことで、シャサーニュのプラティエールをしっかり発酵させてボディを造り、レ・ロンボワで石灰系ミネラリティの支えにする・・と言うような設計なのかもしれません。
パスグラ同様に非常にエレガントで、樽の要素もほぼ感じません。非常にピュアです。価格もリーズナブルですから、さらっと今飲んでも良いですし、2年ほど置いても深みが出て来て、ややワイルドさが加わり、さらに良化してくると思います。是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【フォンテーヌ=ガニャールならではのエレガンスをバランス良く表現している、とても良い仕上がりの2016年です。】
これも美味いです。最も、素晴らしいリュジアン並み・・などとは絶対に言いません。A.C.ブルクラスとして、またA.C.シャサーニュ村名クラスを比較にしての視点で、とてもピュアで美味しいと感じます。
どうやらヴォルネイとシャサーニュの各村の畑をブレンドしているようですが、例えばシャサーニュの赤・・と聞くと、
「もしかしたら少し甘め?」
と想像される方は、かなり経験の有る方だと思われます。
そう、確かにシャサーニュの赤系のワインは・・遅熟させてやや甘く仕上げるパターンが多かったと言えます。濃くマッチョなワインを造ろうとしていたと思うんですね。
しかしながら、世界の愛好家たちの嗜好がPKさん誘導のものから解放されたのも原因の一つかもしれませんが、
「ん?・・濃いブルゴーニュ?・・甘いって?・・それはブルゴーニュワインじゃないよ。」
と、彼らは少し前までの自身が造っていたワインのことなど他人事のように言うかもしれません。
それほどまでに、やや甘いシャサーニュ赤は一斉に姿を消し、黒くて酸の無い、でも横方向にだけはパレットが拡がることも無くなったと言えます。
このA.C.ブルもそんなエキスたっぷり、ブルゴーニュワインらしいピュアでエレガンスを強く感じるものに仕上がっています。
「2016年って、オフヴィンテージでしょ?」
と言われるかもしれません。
しかしながらここに来て判ったことは、
「2016年ものは量は物凄く少ないが、出来たワインの90%ほどは非常に質が良い(良質な造り手のもの限定)」
と言うことですね。
なので、質が悪いと言う意味の「オフ・ヴィン」で有れば、「それは間違い」であり、量が無いと言う意味なら「正解」と言うことになります。
純でピュア、アロマも味わいも伸びの良い、エレガントなワインです。ルイ・ユエランのワインのような、「シミジミさ」では無く、むしろ、
「ハツラツとしながらも愛らしい表情を持ったA.C.ブル」
です。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【超絶にエレガントで滅茶ゴージャスです!このフォンテーヌ=ガニャールのピノ・ノワール、是非とも一度トライされてください!】
いや~・・驚きました。フォンテーヌ=ガニャールのピノ・ノワールがここまで旨いとは思いませんでした。長い間飲んでいなかったとは言え・・と言うか、余りに初期のイメージが良く無かったのが響いたことも有りますし、エクスクルーシヴを持つエージェントさんとの付き合いがちょうど無かったことも有るかと思います。
それにしても、
「あの、紙を加えたままピノを飲んでいるかのようなイメージ」
は何だったんだろう・・と思ってしまうほど・・の超絶なエレガンス、フィネスです。
左の写真は上から順にポマール・レ・リュジアン、シャサーニュ=モンラッシェ、ACブルゴーニュになります。色合いなどぜひご覧くださいませ。
勿論ですが上級キュヴェほど、その造り手の真の姿を映し出しますが、さりとて下級キュヴェもその延長上になければ飲み手の理解は深まらず、しかも、
「・・高いクラスだけ美味しくてもね・・駄目だよね・・」
と言うような、余り良く無いイメージを植え付けてしまいます。最初に言わせていただきますが、下から上まで、ちゃんと統一され、造り手の意思が全てのワインにキッチリ現れています。
ポマール・レ・リュジアンは、言わずと知られたポマールのテート・ド・キュヴェ(トップワイン)です。濃密ながらエレガンス、複雑性とも、他の1級畑ものを引き離すと理解されています。
この非常に淡く美しい色合い・・感動的ですよね。やや黒みを深く持つシャサーニュ=モンラッシェとも、大きく異なる色合いで、ポマールの1級畑が持つ上品さを見せてくれているように思います。
で、このレ・リュジアン2015年ですが、ビックリするほどの超絶なエレガンスとフィネスを感じさせてくれます。しかも、
「まったく濃く無い!」
です。しかし、ちゃんとキッチリエキスが出ています。これ、どういう事かと言いますと、
「最適な状態に熟した葡萄のみを使用し、ほぼ圧力を掛けずに優しく絞った、非常に贅沢な味わい」
なんですね・・。

例えば日本酒でも、モロミを絞る時に、ギューっと強い圧力を掛けて、最後の最後まで絞ったら・・どうなるでしょう?・・渋みやエグミ、雑味が出てしまいますよね。でもその分、量が沢山造れる訳です。
ワインも同じです。絞れるだけ絞ってしまうと、そりゃぁ量は出来ますが、雑味の多い味わいになってしまいます。
このワインからは、そんな雑味は感じられないどころか、一点の曇りのない美しい姿のみを感じさせてくれます。
勿論ですが、葡萄の質が良く無ければ、醸造も、絞りも全く意味が有りませんが、
「上質で健康な葡萄だけを使用している・・と感じさせてくれる高質感」
が感じられます。
なので、今飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・しかし、こんなもんじゃないんですよね・・実際は。このワインが熟してきますと豹変するはずなんですね・・だって、素性が滅茶苦茶良いんですから。
むしろ今は、その姿は「淡泊」に感じられるかもしれません。・・そう、強さは全く無いに等しいほど、スムーズな飲み口なんです。でも少し飲めば判るでしょう・・
「・・これ、只者じゃぁ無いぞ・・」
と言うニュアンスがヒシヒシと伝わってくるはずです。
言わば、例のルイ・ユエランのような、余り饒舌では無いタイプなんです。非常に贅沢な、葡萄の芯の部分だけをワインにしたような感じです。なので、
「ガシッとした味わいが好きな方にはもしかしたら向かない」
かもしれませんが、
「シルヴァン・パタイユのフルール・ド・ロゼが非常に美味しいと感じられる方には、これ以上無い味わい!」
と感じていただけると思います。

いや・・贅沢ですよ、これ。最高の贅沢です。高名な生産者のレ・リュジアンが雑に感じてしまう人もおられると思います。それほどまでにこの表情は素晴らしいです。やや高額では有りますが、
「こんなワイン、レストランさんで飲みたいよなぁ・・」
と思っていただけると思います。
二番目のシャサーニュ=モンラッシェの赤は、レ・リュジアンとはテロワールが全然違うことが色合いからも判ると思います。軽やかなレ・リュジアンに比較し、しっかり強い粘土とシャサーニュらしい強い果実感が特徴です。
しかしながらレ・リュジアンと同様に非常にエレガントでフィネス感たっぷりです。粘土由来の重厚さを第一に考えるのでしたらこちらのシャサーニュ=モンラッシェ赤をお勧めします。価格もよりリーズナブルですし、
「他の生産者のシャサーニュ=モンラッシェ赤のような鈍重さが無い」
のが特徴です。強い抽出をせず、フェザーのように軽くしか圧を掛けていない感じを受けます。アメリカン・チェリーやブラック・ベリー風の果実味が、非常に高質に感じられます。美味しいです。
最後はA.C.ブルゴーニュの赤ですが、これはやはりフォンテーヌ=ガニャールのエレガントスタイルを見事に表現できていますので、
「もし、レ・リュジアンやシャサーニュに手を出すのが怖いのなら・・」
このACブルを飲んでみるのが良いかと思います。
勿論、レ・リュジアンの超絶なエレガンスや、シャサーニュらしい重厚なピノの味わいをエレガントに表現できてはいないです。
しかし、テクニカルにあるように、ヴォルネイとシャサーニュに有るACブルの区画のブレンドですので、これ、かなりバランスが良いんですね。ヴォルネイが持つ雅さとシャサーニュが持つ大きさや重量感をブレンドしており、しかも、フォンテーヌ=ガニャールの質の良い葡萄とゴージャスなワイン造りにより、とてもエレガントにチェリー風味をエキス味で表現してくれます。
2014年も美味しかったですが、2015年ものも負けずに・・いや、それ以上に旨いです。
2015年ものは3アイテム、ご紹介させていただきました。どうしても上級キュヴェのレ・リュジアンの記事の比重が大きくなってしまいますが、これは仕方が無いです。滅茶素晴らしいですから。
でも、例えば濃密さ、凝縮感命の方が飲まれたら・・
「ん?・・全然言うほどじゃ無いじゃん!」
と怒りを覚えるかもしれませんよ。それほどまでにエレガントなんです。
濃いものはアバタを隠せます。でも淡いものは隠しようが無いんです。少しの汚れも浮き上がらせてしまうんです。だから淡いワインは造るのが非常に難しいんです。濃いものは最初から濃く造るつもりなら出来ますし、アバタも隠せる訳です。
素晴らしいピノ・ノワールでした。まだ飲まれていないようでしたら是非とも飲んでいただきたい逸品です。ご検討くださいませ。
以下は2014年ブルゴーニュ・ルージュのレヴューです。
━━━━━
【ドライでピュア、柔らかでしなやかなエキス系の・・ストレートど真ん中に投げ込んだような高質ピノ・ノワールです!】
いつ以来なのか・・覚えていないほどですが、フォンテーヌ=ガニャールのワインをご紹介します。へそ曲がりの noisy は、シャルドネでは無くてピノ・ノワールです。
おそらくシャサーニュ村近郊の畑産と思われる、柔らかでしなやかなテクスチュアを持った秀逸なピノ・ノワールです。シャサーニュ系のピノに有りがちな「甘いピノ・ノワール」では無く、しっかり完全発酵させたドライでエキシーな味わいです。
やや赤いフラワリーさを感じるノーズにチェリーの果実、粘土がいっぱい・・と言うよりは、白い石灰が透けて見えるような美しい色調、口内を「もっさり」させてしまうような重ったるさも無く、しかししなやかで伸びの良い味わいです。ほんのり煙のようなアロマに石のヒントも高貴さを感じさせてくれます。
まぁ、シャサーニュの赤は、良いのに当たると滅茶美味しいんです。例えばニーロンさんちの1級の赤などは、非常に少ないし余り評価されていないですが・・時折ご紹介させていただいてますのでご存知ですよね。妙に鉄っぽく重さの有るムルソー赤とも違い、もう少し低域に厚みの有る重厚さが出やすいワインです。
その辺りの処理が、むしろこのドメーヌが伝統的な造りを続けてきたやり方に、非常にマッチしていると思われますが、滅茶心地良いんですね。これ、とても面白いポイントでして、シャルドネの造り手なのにピノ・ノワールの方が安定して美味しい・・ありゃ・・こんなこと書いちゃうと怒られちゃうかな?・・そのまま誰にも言わずに黙っててくださいね。
このドメーヌのシャルドネは、滅茶出来が良いものと垢抜けないものが同居していまして、中々に選択が難しいんですね。しかも、出来が良いものが毎年一緒・・と言う感じでも無く、ただ、上級キュヴェは総じて出来は良いです。中級クラスが今一つの場合、もしくは良いものと、もう少し安いなら・・とか、もうちょっと頑張ってくれよ・・みたいななのが混じる感じで、中々にね・・ムズイんですね。・・内緒の話しです。なので当たると・・
「フォンテーヌ=ガニャールのシャルドネってこんなに素晴らしいの?」
と驚く羽目になります。なのに・・ACブルは毎年非常に安定感が有ります。
これなら納得していただけるだろう・・と言う魂胆でのご案内です。ぜひ飲んでみて欲しいと思っています。ご検討くださいませ。

収穫時の「Les Longbois」の区画