
2019年のフォンテーヌ=ガニャールの赤は、2018年もの・・これも凄く良くなっていてビックリしたのですが、それを超える出来は間違い在りません。
このシャサーニュ村名赤2019も同様で、非常にポテンシャルを感じる見事な出来です。ドメーヌの説明では、
「ミルランダージュが付いた」
とのこと・・その分、複雑性に磨きがかかったのかと想像しています。
スグリの群生を思わせるような赤い果実にブルーベリー・・ドライで集中しています。ですがその分、とてもしっかりしているので、集中した部分において・・引っ掛かりが有り、まだそれが開いてこないことにより・・スムーズさに難が有るんですね。
つまり、
「2019年は良過ぎてしまって、今のところは手を出さない方が良い・・」
と言うことになります。

とは言え、この村名シャサーニュは1年ほどの熟成でだいぶ良くなってくるはずです。半年ほどでも大丈夫かもしれません。
一般的なシャサーニュ赤は、どこか緩さが有り少し甘く、その緩慢さが特徴だ・・みたいな、悪い覚え方をしてしまっているかのようですが、こちらはそんな「緩さ」「薄さ」などとは無縁の大きな味わいを感じられます。
実際に・・開けた翌日に再度テイスティングさせていただきましたが、一皮剥けて開き加減の見事なアロマで美味しく飲めました。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
-----
【2017年ものとの比較・・是非写真を見てください・・これほどまでに違うんですよ・・海外メディアはテイスティングしているのに・・ポイントさえスルーが多かったです!】
え~・・それでもティム・アトキン氏の評価が見つかりまして・・89ポイントでした。頑張ってちゃんと見てくれた方では有りますが、この出来で89点だと・・評価の体系が崩壊してしまいます。どんなに低くても90点ですが、ヴィノスなどは全くやる気無しで87ポイント・・。そんなんじゃ評判、落ちちゃいますよ・・ヴィノスの・・。
この、2017年までのエレガントさに磨きを掛けた味わいに加えて、見事な「集中度」を得たのが2018年ものです。ベリー、チェリーの果実ニュアンスを濃密に感じさせつつも、まったくのドライで、エキスの集中度が果実の甘みに相当、素晴らしいバランスをしています。半面、2017年ものまで有ったフラワリーなアロマは・・かき消されるようになってしまいましたが、果実の伸びやかな高域の表情に変わっていると考えられます。
ミネラリティも・・
「以前の倍くらい、有るんじゃない?・・」
と言いたくなるような、フィネスバッチリの石灰的かつクリスタル的なミネラリティが折半でたっぷり存在していますから、どこかナイーヴで内向的なラモネさんのシャサーニュと比較しますと(以前のヴィンテージのイメージが比較対象では有りますが)、確実に超えて来たと感じました。
価格も実に魅力的。なので、ここを避けて通ってしまうと、
「何か飲もうと思ってセラーの扉を開けたものの、飲めるようなワインが入っていない・・」
ことに気付き、そっと扉を閉じる・・なんて良く有りそうなシュチュエーションを避けることができます。・・おそらくnoisy のお客様には、そんな経験をされた方が多いんじゃないかと思うんですね・・。
で、そんな時に飲んでいただいたら、
「フォンテーヌ=ガニャールのピノって・・美味しいじゃん!」
と感じていただけると確信しています。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【甘さゼロ!タイトに締まったスレンダーな躯体からエレガントなニュアンスが滲んで来ます!】
良い傾向だと思います。豊かだがやや甘く、少しダレた感じに仕上がりかねないシャサーニュ=モンラッシェのピノ・ノワールなんですが、そんな傾向は・・「ゼロ」です。非常にドライですし、現状はスレンダーと言うかスタイリッシュと言うか、やや細身の身体をしています。
そもそもフォンテーヌ=ガニャールの赤と言えば・・いや、下のクラスのシャルドネもそうでしたが、確かに元々からドライでスレンダーでは有りました。
しかし、ミネラリティの支えや、「豊か」の反対である「貧しい」と表現したくなる言葉を使うか、「エレガント」と言う誉め言葉になるかは、テイスターの感覚によるものになってくる訳ですね。
むしろ以前は「少し貧しい感じ」しかしなかった訳ですが、この2~3年で急に(noisy的には)変わって来た訳です。やはりワインが売れ始めたのもあると思いますし、高い価格で売れるようになったことも一因かと思います。どんどん・・変わって来ているんですね。
この色合いを是非みていただきたいと思います。もし甘さを感じるシャサーニュだとしたら、こんなに美しい赤にはならないでしょう。もっと黒みや茶が入った色で、強さを感じさせてくるでしょう?誰がどう見ても、「エレガント系だよね・・」と言いたくなる色合いです。
ベリーやチェリー、そしてそれらの花、果実に加え、天を目指して伸びようとするその弦の先までピュアに表現してくれています。
もっともパスグラやA.C.ブル赤のように早飲みしても良いかと思いますが、少なくとももう少し暖かくなるまで・・4月とかまで待つと、さらに膨らみが増すでしょうし、2~3年の熟成で果実感が非常に向上するのが判りますので、スレンダーなボディも良いけれど、「もう少し胸やお尻のでっぱりも欲しいぞ!」と言うようなご希望も有るようでしたら、セラーでお待ちください。むしろ、フォンテーヌ=ガニャールのヴォルネイ・クロ・デ・シェヌなど、今飲んでも「超繊細で超エレガント」な美味しさで迎えてくれますので、予算さえ許せばクロ・デ・シェヌを先に飲むのも有りだと思います。
リーズナブルなシャサーニュ赤です。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【滅茶美味しいです!そして非常にリーズナブル!】
まぁ確かに、シャサーニュのピノ・ノワールには裏切られて来た感の有る・・と言うか、若干のネガティヴ感を持ち合わせていらっしゃる方もおられるかもしれない・・とは思います。
と言うよりも、それはボーヌの赤全体に言えることかと思え、ニュイの赤に比べれば、各段に低い場所にヒエラルキーを構成しているんじゃないかと思うんですね。
しかしながら、ここまでブルゴーニュワインが高騰してくるとなると・・いや、それは実は間違いで、
「今までがリーズナブル過ぎた」
とも言える訳ですしね・・。
なので、
「例えボーヌだろうがシャロネーズだろうが、美味しいピノ・ノワールをリーズナブルに探すべき!」
と言うのが本題になるべきなのに・・それが判っていながらも、やはりニュイの人気ドメーヌの人気ワインにだけ意識が行ってしまう方がほとんどで有ることも事実でしょう。
ただし、noisy としましては、そんな両方を扱っている訳ですし、ニュイでもボーヌでも、
「タイムリーなプライスで、ドンピシャに美味しいピノ・ノワールを探し続けている」
と言うことを判っていただきたいな・・と思うんですね。
「・・いや、判ってますよ・・noisyさん!」
とおっしゃってくださるお客様も大勢おられるんですが、それでもまだ、自身では「力量不足」を嘆いてはいる訳です。
2014年のドメーヌ・ド・ベレーヌのニュイ=サン=ジョルジュにせよ、A.C.ブルにせよ、このフォンテーヌ=ガニャールとは全くタイプは違うものの、滅茶苦茶美味しいし滅茶苦茶リーズナブルだと・・思うんですけどね。非常に良く売れておりまして・・でもその割には、言葉での反応は薄いかなぁ・・などとも思ってしまいます。
むしろ、ヴォルネイ的な、エキスたっぷりタイプにシャサーニュのやや重厚な味わいで支えている・・そんなイメージなのがこのシャサーニュ=モンラッシェ村名です。
ヴォルネイの明るさとシャサーニュのほんのりとした重量感があり、チェリーそのもののリアルな果実、それはフォンテーヌ=ガニャールならではの「エレガンス」と言う言葉で評したい・・と思います。
2015年ものは「あっけらかん」とした軽やかな美味しさ・・が、非常に心地良い佳酒でした・・残念ながら余り売れてはいませんが・・。
2016年ものは、そんな軽やかさもどこかに持ちつつも、ブルゴーニュワインの醍醐味・・と言うか、「彼と彼女」で比喩される「ブルゴーニュとボルドー」の対比を思えば、「彼」で有る「ブルゴーニュ」の重厚ささえきちんと持ちつつ、エレガンスを失っていないと言うことに驚かされる訳です。
非常に良いワインなんですが何故か人気に火が付かない・・まぁ仕方が無いにせよ、今回も、
「是非一度は飲んでみてください!」
とお勧めしたい訳ですね。旨いです。是非飲んでみてください。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【超絶にエレガントで滅茶ゴージャスです!このフォンテーヌ=ガニャールのピノ・ノワール、是非とも一度トライされてください!】
いや~・・驚きました。フォンテーヌ=ガニャールのピノ・ノワールがここまで旨いとは思いませんでした。長い間飲んでいなかったとは言え・・と言うか、余りに初期のイメージが良く無かったのが響いたことも有りますし、エクスクルーシヴを持つエージェントさんとの付き合いがちょうど無かったことも有るかと思います。
それにしても、
「あの、紙を加えたままピノを飲んでいるかのようなイメージ」
は何だったんだろう・・と思ってしまうほど・・の超絶なエレガンス、フィネスです。
左の写真は上から順にポマール・レ・リュジアン、シャサーニュ=モンラッシェ、ACブルゴーニュになります。色合いなどぜひご覧くださいませ。
勿論ですが上級キュヴェほど、その造り手の真の姿を映し出しますが、さりとて下級キュヴェもその延長上になければ飲み手の理解は深まらず、しかも、
「・・高いクラスだけ美味しくてもね・・駄目だよね・・」
と言うような、余り良く無いイメージを植え付けてしまいます。最初に言わせていただきますが、下から上まで、ちゃんと統一され、造り手の意思が全てのワインにキッチリ現れています。
ポマール・レ・リュジアンは、言わずと知られたポマールのテート・ド・キュヴェ(トップワイン)です。濃密ながらエレガンス、複雑性とも、他の1級畑ものを引き離すと理解されています。
この非常に淡く美しい色合い・・感動的ですよね。やや黒みを深く持つシャサーニュ=モンラッシェとも、大きく異なる色合いで、ポマールの1級畑が持つ上品さを見せてくれているように思います。
で、このレ・リュジアン2015年ですが、ビックリするほどの超絶なエレガンスとフィネスを感じさせてくれます。しかも、
「まったく濃く無い!」
です。しかし、ちゃんとキッチリエキスが出ています。これ、どういう事かと言いますと、
「最適な状態に熟した葡萄のみを使用し、ほぼ圧力を掛けずに優しく絞った、非常に贅沢な味わい」
なんですね・・。

例えば日本酒でも、モロミを絞る時に、ギューっと強い圧力を掛けて、最後の最後まで絞ったら・・どうなるでしょう?・・渋みやエグミ、雑味が出てしまいますよね。でもその分、量が沢山造れる訳です。
ワインも同じです。絞れるだけ絞ってしまうと、そりゃぁ量は出来ますが、雑味の多い味わいになってしまいます。
このワインからは、そんな雑味は感じられないどころか、一点の曇りのない美しい姿のみを感じさせてくれます。
勿論ですが、葡萄の質が良く無ければ、醸造も、絞りも全く意味が有りませんが、
「上質で健康な葡萄だけを使用している・・と感じさせてくれる高質感」
が感じられます。
なので、今飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・しかし、こんなもんじゃないんですよね・・実際は。このワインが熟してきますと豹変するはずなんですね・・だって、素性が滅茶苦茶良いんですから。
むしろ今は、その姿は「淡泊」に感じられるかもしれません。・・そう、強さは全く無いに等しいほど、スムーズな飲み口なんです。でも少し飲めば判るでしょう・・
「・・これ、只者じゃぁ無いぞ・・」
と言うニュアンスがヒシヒシと伝わってくるはずです。
言わば、例のルイ・ユエランのような、余り饒舌では無いタイプなんです。非常に贅沢な、葡萄の芯の部分だけをワインにしたような感じです。なので、
「ガシッとした味わいが好きな方にはもしかしたら向かない」
かもしれませんが、
「シルヴァン・パタイユのフルール・ド・ロゼが非常に美味しいと感じられる方には、これ以上無い味わい!」
と感じていただけると思います。

いや・・贅沢ですよ、これ。最高の贅沢です。高名な生産者のレ・リュジアンが雑に感じてしまう人もおられると思います。それほどまでにこの表情は素晴らしいです。やや高額では有りますが、
「こんなワイン、レストランさんで飲みたいよなぁ・・」
と思っていただけると思います。
二番目のシャサーニュ=モンラッシェの赤は、レ・リュジアンとはテロワールが全然違うことが色合いからも判ると思います。軽やかなレ・リュジアンに比較し、しっかり強い粘土とシャサーニュらしい強い果実感が特徴です。
しかしながらレ・リュジアンと同様に非常にエレガントでフィネス感たっぷりです。粘土由来の重厚さを第一に考えるのでしたらこちらのシャサーニュ=モンラッシェ赤をお勧めします。価格もよりリーズナブルですし、
「他の生産者のシャサーニュ=モンラッシェ赤のような鈍重さが無い」
のが特徴です。強い抽出をせず、フェザーのように軽くしか圧を掛けていない感じを受けます。アメリカン・チェリーやブラック・ベリー風の果実味が、非常に高質に感じられます。美味しいです。
最後はA.C.ブルゴーニュの赤ですが、これはやはりフォンテーヌ=ガニャールのエレガントスタイルを見事に表現できていますので、
「もし、レ・リュジアンやシャサーニュに手を出すのが怖いのなら・・」
このACブルを飲んでみるのが良いかと思います。
勿論、レ・リュジアンの超絶なエレガンスや、シャサーニュらしい重厚なピノの味わいをエレガントに表現できてはいないです。
しかし、テクニカルにあるように、ヴォルネイとシャサーニュに有るACブルの区画のブレンドですので、これ、かなりバランスが良いんですね。ヴォルネイが持つ雅さとシャサーニュが持つ大きさや重量感をブレンドしており、しかも、フォンテーヌ=ガニャールの質の良い葡萄とゴージャスなワイン造りにより、とてもエレガントにチェリー風味をエキス味で表現してくれます。
2014年も美味しかったですが、2015年ものも負けずに・・いや、それ以上に旨いです。
2015年ものは3アイテム、ご紹介させていただきました。どうしても上級キュヴェのレ・リュジアンの記事の比重が大きくなってしまいますが、これは仕方が無いです。滅茶素晴らしいですから。
でも、例えば濃密さ、凝縮感命の方が飲まれたら・・
「ん?・・全然言うほどじゃ無いじゃん!」
と怒りを覚えるかもしれませんよ。それほどまでにエレガントなんです。
濃いものはアバタを隠せます。でも淡いものは隠しようが無いんです。少しの汚れも浮き上がらせてしまうんです。だから淡いワインは造るのが非常に難しいんです。濃いものは最初から濃く造るつもりなら出来ますし、アバタも隠せる訳です。
素晴らしいピノ・ノワールでした。まだ飲まれていないようでしたら是非とも飲んでいただきたい逸品です。ご検討くださいませ。

「 Les Voillenots Dessus」の区画
以下は2014年ブルゴーニュ・ルージュのレヴューです。
━━━━━
【ドライでピュア、柔らかでしなやかなエキス系の・・ストレートど真ん中に投げ込んだような高質ピノ・ノワールです!】
いつ以来なのか・・覚えていないほどですが、フォンテーヌ=ガニャールのワインをご紹介します。へそ曲がりの noisy は、シャルドネでは無くてピノ・ノワールです。
おそらくシャサーニュ村近郊の畑産と思われる、柔らかでしなやかなテクスチュアを持った秀逸なピノ・ノワールです。シャサーニュ系のピノに有りがちな「甘いピノ・ノワール」では無く、しっかり完全発酵させたドライでエキシーな味わいです。
やや赤いフラワリーさを感じるノーズにチェリーの果実、粘土がいっぱい・・と言うよりは、白い石灰が透けて見えるような美しい色調、口内を「もっさり」させてしまうような重ったるさも無く、しかししなやかで伸びの良い味わいです。ほんのり煙のようなアロマに石のヒントも高貴さを感じさせてくれます。
まぁ、シャサーニュの赤は、良いのに当たると滅茶美味しいんです。例えばニーロンさんちの1級の赤などは、非常に少ないし余り評価されていないですが・・時折ご紹介させていただいてますのでご存知ですよね。妙に鉄っぽく重さの有るムルソー赤とも違い、もう少し低域に厚みの有る重厚さが出やすいワインです。
その辺りの処理が、むしろこのドメーヌが伝統的な造りを続けてきたやり方に、非常にマッチしていると思われますが、滅茶心地良いんですね。これ、とても面白いポイントでして、シャルドネの造り手なのにピノ・ノワールの方が安定して美味しい・・ありゃ・・こんなこと書いちゃうと怒られちゃうかな?・・そのまま誰にも言わずに黙っててくださいね。
このドメーヌのシャルドネは、滅茶出来が良いものと垢抜けないものが同居していまして、中々に選択が難しいんですね。しかも、出来が良いものが毎年一緒・・と言う感じでも無く、ただ、上級キュヴェは総じて出来は良いです。中級クラスが今一つの場合、もしくは良いものと、もう少し安いなら・・とか、もうちょっと頑張ってくれよ・・みたいななのが混じる感じで、中々にね・・ムズイんですね。・・内緒の話しです。なので当たると・・
「フォンテーヌ=ガニャールのシャルドネってこんなに素晴らしいの?」
と驚く羽目になります。なのに・・ACブルは毎年非常に安定感が有ります。
これなら納得していただけるだろう・・と言う魂胆でのご案内です。ぜひ飲んでみて欲しいと思っています。ご検討くださいませ。

収穫時の「Les Longbois」の区画