● 2019年のフォンテーヌ=ガニャールをご紹介させていただきます。
いやはや・・2019年のフォンテーヌ=ガニャールは、過去最高の出来であることを確信しました。まぁ、そもそも
「2019年もののブルゴーニュは借金しても買うべき!」
であると思っています。それほどに凄い出来でした!
何せ・・希少で余り割り当ての無い「2019年クリオ=バタール=モンラッシェ」まで開ける羽目になってしまいまして、その余りの素晴らしさに放心状態になりました。その・・開ける羽目になってしまった理由は後で述べさせていただくとして、2019年ものフォンテーヌ=ガニャールの概要をお知らせいたします。
2019年フォンテーヌ=ガニャールの白は、今飲んでも滅茶苦茶美味しい・・完璧と思える凄い仕上がりです。最も飲めたアイテムはそう多くは有りませんが、下から上まで一通り飲ませていただき、
「グレートなヴィンテージの甘美なシャルドネの繊細さを積み上げた醍醐味!」
をご堪能いただけます。これ、本当に凄い・・数が無いので兎に角何でも良いので、誰が何点付けていようと飲むべきです!
2019年フォンテーヌ=ガニャールの赤も、過去最高の仕上がりで間違いありません。しかしながら・・残念ながら?・・今から飲んで美味しいキュヴェが多く無く、ほとんどのキュヴェが1~3年の熟成待ちになります。その代わり、熟した時には2019年のシャルドネ同様、ポテンシャルに花を開かせた甘美さに感動すること間違い無しです。
因みに赤で飲めるのは、
2019 パストゥグラン・・これ、エレガントで滅茶旨いです!
2019 ブルゴーニュ・ルージュ 到着時(2021年6月入荷)はパストゥグランほど開いていなかったものの、9カ月経過して美味しくなっているはず・・です。
2019 シャサーニュ=モンラッシェ1級レ・モルジョ エレガントさと複雑さが均衡、適度に開いてくれ、最高に旨いです。
以上です。これ以外は1~3年の熟成待ちです。
で・・ここからが重要なんですが・・そもそもただでさえ少なく、ヴィンテージ的にも希少な2019クリオ=バタール=モンラッシェまで開けることになってしまったのですが、その理由は、
「2019年クリオ=バタール=モンラッシェに92点!・・と言う信じられないほどの低い評価を海外メディアがしているため」
です。
発端は、まずは2019A.C.ブル・シャルドネが余りに美味しく、とてもA.C.ブル規格では有り得ない素晴らしい出来だったこと、2番目は同様にテイスティングしたシャサーニュ1級マルトロワ・ブランが素晴らしい出来だったのに、89点、90点と海外メディア2者が信じられない程低い評価をしていたことが判明した・・のが原因です。
「・・えっ?・・この素晴らしい仕上がりのワインに・・89点・・って、何考えてんの?」
と言うところから、バタール=モンラッシェやクリオ=バタール=モンラッシェを評価を見てみましたら、
2019 Domaine Fontaine-Gagnard Batard Montrachet
94 Points Vinous
93 points Bourghound.com
2019 Domaine Fontaine-Gagnard Criots-Batard-Montrachet
93 Points Bourhound.com
92 Points Vinous
そして、1級は・・
2019 Domaine Fontaine-Gagnard Chassagne-Montrachet 1er Cru Les Caillerets
93 points Vinous
91 Points Sweetspot / Outstanding Boughound.com
と言う具合なんですね。つまり、
「クリオ=バタールはシャサーニュ1級よりも評価が低い!バタールはシャサーニュ1級程度!」
と言う評価をした・・と言うことなんです。
なので、「・・そんな訳は無いだろう・・こんなに旨いんだから・・」と言う訳で、結局、虎の子の2019年クリオ=バタール=モンラッシェを開けて確かめることにした訳です。
結果・・クリオ=バタール・・・超絶に美味かったです!・・今飲んで96 、 ポテンシャル97+ 飲み頃予想 今~2045 とさせていただきました。まさに「甘露!」です!
本当に海外メディアって・・信用なりませんね。嘘ばっかりです。「どうせ飲まないんだからバレないだろう」と位にしか思ってないのでしょう。評価も価格もビックリするほど高い。バキバキのルフレーヴさんの硬いピュリニー系を若くして飲むより、数段旨いです。
まぁ・・本来ならこんなことは書きたく無かったんですが、この2019年フォンテーヌ=ガニャールの評価は余りに酷い・・。あのジャック=フレデリック・ミュニエが余りの評価の低さに呆れてミュジニーを仕舞い込んでしまった理由がここにあるのでしょう。
「君たちにちゃんとした評価が出来るのか?」
と、彼は問いたかったのでしょう。
希少なミュジニーを仕舞い込んで、ボトルを熟成させてからリリースすることにしましたが、それでもドメーヌでのテイスティングは毎年されていて、すでに海外メディアも評価をきっちり上げています。
「今までとはだいぶ違う・・高い評価を」
です。
ですので、noisy も出来る限りのテイスティングをさせていただき、正当な評価をお伝えしたい・・とそう思っています。
話は脱線してしまいましたが、
「2019年フォンテーヌ=ガニャールは過去最高!・・しかもシャルドネはトップ・クラスで今も飲めるしなやかさ!ピノ系はポテンシャルは過去最高・・だがすぐ飲んで良いアイテムと要熟成アイテムに分かれる!」
そう思ってください。・・いや・・クリオ=バタール..滅茶旨い・・し、1級マルトロワ白、リーズナブルで最高です!・・是非飲んでみて下さい。
■ ドメーヌによる2019年ヴィンテージの感想
2019年は年初は暖かかったので4月頭には芽吹きが始まったが、気温低下による霜のリスクは何度かあった。4月5日には気温が氷点下まで下がって霜が降りてしまったので1級モルジョの区画で大きな被害が出てしまった。幸運にもストーブを焚いた特級を含むいくつかの区画では被害は免れたが、4月はとてもストレスが多く疲れる月だった。開花期の天候も最良の状態で経過はせず、花ぶるいやミルランダージュが発生した。夏の間はずっと良い天気で気温も高く葡萄の成長は加速したが、雨がほとんど降らなかったので丘の上の区画では水不足のストレスもあった。収穫は9月10日から始めたが、ミルランダージュの影響で葡萄の房が小さくジュースの量が少ないので生産量は減少してしまっているが、葡萄の状態は素晴らしく凝縮されていたので、赤白ともにアロマ豊かで酸味のストラクチャーもしっかりとした素晴らしい味わいに仕上がっている。
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フォンテーヌ=ガニャールの2018年です。いや~・・輝きを増しています!・・凄いです。上昇気流に完全に乗ったと言って良いと思います。しかも、
「下のクラスから上まで、神経を行き届かせた見事な仕上がり!」
でした!・・もっともグラン・クリュ3兄弟まではテイスティング出来なかったので、全18アイテム中15アイテムのテイスティングにおいての判断になります。ご了承くださいませ。
どうでしょうか・・やはり、ガニャール・ドラグランジュとの合併が功を奏した一番の理由と言えるかと思います。エレガントだが希薄さがまだ見えた下のクラスも、充実した見事な味わいを見せています。そして、
「シャルドネのドメーヌだから・・仕方ないよね・・」
と、どこか、そのように想起させてしまうような部分も在ったかと思いますが、シャサーニュのピノ・ノワールの美味しさは別格になってきました。
こうなって来ますと、シャサーニュの巨人と言えばだれもが思い浮かべるのが、「ドメーヌ・ラモネ」では有りますが、トップ・キュヴェの「モンラッシェ」「バタール=モンラッシェ」は飲めていないので除外させていただきますが、それ以外のシャサーニュ1級、シャサーニュ村名の各赤白については、
「確実にラモネ超えした!」
と申し上げておきましょう。
クロ・デ・ミュレの繊細さが際立つ表情には鳥肌が立ってしまいます。良くご存じのはずのモルジョ・ブランの、気品溢れるアロマとオイリーなノーズ・テクスチュアには、いつまでも触れていたいとさえ思ってしまいます。・・いや、昨夜のマルトロワ・ブランも滅茶美味しくて・・・。赤もクロ・デ・シェヌの見事な完成度に感動させられましたし、パワフルなエネジーが漲るリュジアンも最高でした!
で、さぞかし海外メディアも2018年のフォンテーヌ=ガニャールには驚いているに違いないと踏んで、勇んで検索をかけてみましたところ・・・いや、駄目ですね~。権威主義で価格通りのポイント付けしかできない・・しかも以前のヴィンテージの自身が付けた評価さえ、余り覚えてはいないんじゃないかと思えるような、非常に安易なレヴューが多く、
「全体的に相当にブラッシュアップしたフォンテーヌ=ガニャールの姿に誰も気付いていない!」
と感じました。
まぁ・・ティム・アトキンさんのレヴューが多く見つかれば、少しは面白かったんですけどね。
ですので、グラン・クリュクラスは書けませんが、それ以外のキュヴェにつきましては、しっかり書かせていただきますので是非ご覧くださいませ。
2018年のフォンテーヌ=ガニャール、大いにお勧めさせていただきます!・・1級(を含む)以下は滅茶お買い得ですのでお見逃しなく!是非ご検討くださいませ。
フォンテーヌ=ガニャールの2017年が入荷して来ました。少なかった2016年ものとは異なり2017年は量的にもしっかり出来た様です。
このところのフィネスさんのブルゴーニュワインは、少なくとも5年前とは相当に景色が異なっています。
確かにジョルジュ・ルーミエ、エマニュエル・ルジェと言った両巨頭のみが目立って良かった5年前で、申し訳ないがそれ以外は少し劣ると言った感じでした。
しかしながらこの3年ほどの間に、本当に見違えるような美しいテクスチュアと果実を感じさせてくれるものに変化しており、このドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャールも、「激変」と言えるような変わり方をしています。
最も昔からトップ・キュヴェ3つ(モンラッシェ、バタール、クリオ=バタール)には定評のある生産者で有った訳ですが、それらが持つ見事なミネラリティを、全てのキュヴェが持つようになったと言えます。
大体にて・・noisy 自身が余り好きじゃ無かった訳ですから・・ね。別にnoisyが主旨替えをした訳では無くて、フォンテーヌ=ガニャールのワインが本当に美しい輝きをし始めたのが原因です。

そう、少し話は脱線しますが、例えば色々有ったのでハッキリ言って嫌いだったデゾネイ=ビセイですら、今では、
「滅茶美味しい!」
と言ってる訳ですから・・あ、デゾネイ=ビセイのワイン、So2 の存在は極めて希薄ですよ。驚くほど使ってないはずです。
また、フォンテーヌ=ガニャールは、シャサーニュ近辺に多くの畑を持っていますので、赤も白も有り、しかもそれぞれが今、非常に輝いています。So2 の使用量はデゾネイ=ビセイには叶わないですが、口にした時の高質さの判りやすさは「ぴか一」ですから、誰が飲んでも美味しい!・・と言える仕上がりかと思います。
価格もまだ非常にリーズナブルでしょう?・・以前のイメージは一旦捨て、是非とも飲んでみて欲しい生産者です。・・あ、デパートさんなどで試飲会をやると一番売れる、評判の良いのがフォンテーヌ=ガニャールだそうですよ・・時代は変わっています。どうぞよろしくお願いいたします。
(写真は2017年のバタール=モンラッシェの健康そのもののシャルドネ)
2017年は2016年と同じく4月末に霜の危険性があったが、藁を燃やしたりして予防をし、さらに風が強かったことも助け舟になって標高が低く湿気が溜まりやすいブルゴーニュクラスの畑で少し被害が出ただけだった。5月から6月の天候は素晴らしかったので開花期はスムーズに過ぎ、7月末に雨が降るまでずっと暑く乾燥していたので葡萄の成長はさらに加速し、収穫は9月初旬と2015年と同じくらい早くなった。収穫された葡萄は乾燥の影響で少しジュースが少なかったが健康状態は完璧で果皮は厚く梗も良く熟した。軽やかで飲みやすいヴィンテージになっているが予想よりもしっかりしており、フレッシュでエレガントなクラシックなブルゴーニュタイプになっている。
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昨年より復活し再度ご紹介させていただいたフォンテーヌ=ガニャールの2016年をご紹介させていただきます。

2016年はご他聞に漏れず、霜害などで大きな被害を受けたブルゴーニュです。左の二枚の写真は、同日に撮影された畑ですが、霜で芽がやられた畑には、葉っぱすら・・伸びて来ていません。
フォンテーヌ=ガニャールでは1/3~1/5ほどの仕上がりのようで、特にグラン・クリュはほんの少ししかできなかったようです。
しかしながら仕上がって来たワインの出来には・・ビックリしました!..A.C.ブル・ブランでさえ・・村名並み以上の仕上がりを見せてくれましたし、しかも・・・こんな例えはどうかな?・・大丈夫かな?・・とは思いますが一応・・、そうですね、2015年までは「上品な絹ごし豆腐」だとするなら、その絹ごし豆腐にクリスタルのコーティングをし、様々なミネラリティを蒸着させたかのような表情をしています。
まぁ・・やっぱりそんな例えは難しいでしょうか。言ってしまえばミシェル・ニーロンさんそっくり・・なニュアンスに、シャサーニュならではの柔らかで多彩なアロマ、表情を、ほんのりと植え付けたような感じ・・なんですね。
これ、滅茶美味しいですよ!・・高級料飲店さんで受けるのも判る素晴らしい味わいでした。

赤、ピノ・ノワールも2015年同様に素晴らしいです。
「2015年が少し甘めだ・・」
とお考えの方は、よりドライでピュアなのが2016年だとお考え下さると良いと思います。白ほどの変化振りでは有りませんが、非常にピュアです。
2015年ものポマール・リュジアンの素晴らしさにはノックアウトされてしまいましたが、2016年ものは僅かしか入荷せず、残念ながらこのトップ・ワインは飲めていません。申し訳ありません。ですが、飲まれた方ならお判りの通り、
「ポマール・リュジアンの素晴らしさには脱帽!」
すること、間違い無いでしょう。
数が無く、テイスティングの厳しい2016年フォンテーヌ=ガニャールでした。是非飲んでみてください。超お勧めの生産者です!
■エージェント情報
2016年は4月末の霜で多くの畑が被害を受けたが、さらに北風が吹いていた影響で霜の範囲が広がって標高の高い1級や特級の畑でも被害が出てしまった。春から初夏にかけて雨が多く寒い日が続いてベト病も発生してしまい、その対処で通常7月中旬に終わる畑作業が8月初旬までかかった。
夏の天気は素晴らしく収穫できた葡萄は悪くなかったが、霜の影響により区画ごとに収穫量にかなりの差がある。特にブルゴーニュルージュは2区画ある畑の片方がほぼ全滅してしまったので、通常20~24樽ほど造っているのに対して2016年はわずか4樽分しか造れなかった。
全体的に見るとピノノワールよりシャルドネのほうが収穫量が減少しており、例年の1/3ほどになっている。近年の雹の影響による葡萄の木へのストレスで醸造当初はとても固かったが、マロラクティック醗酵が進むにつれてバランスが良くなってきて相対的には悪くないヴィンテージになっている。
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フィネスさん輸入のフォンテーヌ=ガニャールをご紹介します。昨年、かなり久しぶりにフォンテーヌ=ガニャールのACブル赤をご紹介させていただき、かなり好評をいただいています。

「こんなにエレガントでバランス良いとは思わなかった」
と言うようなご意見が多かったです。
実はnoisyも2014年ものは幾つか飲ませていただいておりまして、それまでnoisy 自身がドメーヌ・フォンテーヌ=ガニャールのワインに抱いていた印象を、一度再構築する必要が出て来たな・・と感じていました。
その、それまでのフォンテーヌ=ガニャールのワインの印象はと言えば、
「上級のシャルドネ、モンラッシェやバタールは非常に良いが、それ以外は普通・・と言うか、エレガントでは有るかもしれないが密度不足で結果として薄いし妙な硬さが気になる。」
と言うものです。おそらく長いワイン歴をお持ちの皆さんの印象も近いものが有るかと思います。
そんな状況でしたので、良年と思われる2015年こそは、経費を増やして・・(^^ フォンテーヌ=ガニャールのワインの真の姿のイメージを、自分なりにつかむ必要が有ると考えた訳でして、それなりに多いアイテムのテイスティングを行いました。
結果、今まで自身が持っていたイメージを大きく覆す結果になりました。まぁ、フィネスさんからいただいているワインのコンディションに問題が無いのも大きな一因かと思いますが、一言で言うならば、
「超絶フィネス!非常に贅沢な味わい!」
と言えます。
まぁ、このように言ってしまうのは非常に簡単ですが、それをちゃんと言葉にするのには、イメージを掴めるようにならないといけない訳でして、そのイメージを掴めたからこそ、そう書ける・・と言うことなんですね。
シャルドネは言うに及ばず、実はピノ・ノワールも滅茶美味しくて感動しました。ぜひ素晴らしい2015年もののフォンテーヌ=ガニャールをお試しになられ、その結果・・ファンになっていただければと思います。

このドメーヌは1985年に設立され、当主のリシャール フォンテーヌ氏はシャサーニュ モンラッシェ村の名家であるガニャール ドラグランジュ、ブラン ガニャールを一族に持ちます。所有する畑はシャサーニュ、ポマール、ヴォルネイ村に約10haで、コクがあり力強くてトロみのある白と、色調が濃く肉厚な赤を造っています。畑の土壌は基本的には粘土石灰質ですが、区画によって様々な特徴があり、それがワインのキャラクターに個性を与えています。葡萄の木の仕立てはギュイヨ式で、1株につき6~8房に制限します。
収穫は全て手摘みで除梗は100%、醗酵前に低温浸漬を行います。アルコール醗酵は白の場合は228?の樫樽で、赤はコンクリートタンクで行います。温度調節には冷却パネルを使用し、白は最高15~26℃、赤は15~32℃で醗酵させます。ピジャージュ、ルモンタージュは1日2~3回でアルコール醗酵終盤はルモンタージュのみ行います。
熟成は白は約12ヵ月、赤は約18ヵ月でいずれも228?の樫樽で行います。
このドメーヌではフランス中央のCHERという地方の樫の木を自ら購入し、庭で2年間乾燥させてから樽業者に製造してもらっています。新樽率はブルゴーニュとヴィラージュが20%、1級と特級が30%になります。