● 2022年のフォンテーヌ=ガニャール、第一陣が到着です。まだ4アイテムのみの到着ですので、2022年ヴィンテージの出来を言うまでは到達していませんが、3アイテムのテイスティングから、
「やはりフォンテーヌ=ガニャールの成長はずっと持続していて、相当高いレベルに到達している」
と感じました。
エレガントでシミジミ旨いパスグラ、高質さを見せるブル赤、ブル白は少なくて飲めず、シャサーニュ村名白は・・あと一歩、1級ものには及ばないだろうけれど、準1級と言って良い出来・・です。村名シャサーニュ白は、
「・・あれ?・・1級モルジョ、入ってる?」
みたいなニュアンスが有って理解不能なくらい高質でした。ぜひご検討くださいませ。
◇ 生産者からの新入荷ヴィンテージに対するコメント
2022年は春先から温暖な気候で開花期の5月末は素晴らしい状態で多くの房は大きくなり、粒数も多くなった。6月は十分な降水量があったが、7月になると気温が上がって雨が降らなくなり、色付きが進んでいった。夏の日照量は記録的で8月の平均気温も我々が知るところでは最高だった。その後、葡萄の色付きは進んで8月26日から収穫することにした。葡萄の果肉は集中し、果皮はとても厚く、7月から8月はほとんど雨が降らなかったのでジュースは少なかったが、収穫量は霜の被害が大きかった2021年から大きく回復した。白は凝縮して酸味と甘味とバランスが素晴らしく2020年に近い印象だったが、スタイルとしては2020年よりも豊かでアロマがとても強い。赤は色調濃く、ストラクチャーはどちらかというと固く、豊かなキャラクターがベールを脱ぎ、色鮮やかなアロマ、様々な要素がある旨味豊かなヴィンテージになっている。
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2020年のフォンテーヌ=ガニャール、下級クラスが入って来ました。2020年ものはご存じかと思いますが、数量が呆れるほどに有りません。ですので、出来もダメか?・・と思ってしまうかもしれませんが、関係者の誰に聞いても、
「本当に素晴らしい!・・ただし買うことが出来るか、飲めるかどうかは運次第・・」
と言うんですね。
なので数が無くて厳しいんですが、今回入荷の有ったパストゥグラン、A.C.ブル・ルージュ、村名シャサーニュ白を飲ませていただきました・・。ハッキリ言いましょう。
「フォンテーヌ=ガニャール、過去最高の仕上がりです!」
パスグラもA.C.ブル赤も、呆れるほどに素晴らしいです!酸が生き生きとして伸び伸びとして・・真ん丸なパレットを描いてくれ、滅茶ピュアです!・・ナチュラル感も載っています。パスグラ好きのnoisy としましては、今飲んでも最高に旨いと・・。まぁ、何でパスグラが好きか?と言いますと、昨今のA.C.ブルはしっかりし過ぎていると感じている自分がいるんですよね。なので、パスグラとA.C.ブルが有ったらパスグラを選んじゃう訳です。
ところがですね・・A.C.ブル赤がまた・・完璧です。下手なシャサーニュ赤より旨い・・しかもパスグラ同様に生き生き、伸び伸び・・しかもしなやか!・・ここまでお上手に出来てしまうと、
「高価なコート・ド・ニュイのA.C.ブルからの移動組が増えるかも?」
とも思ってしまいます。
そしてシャサーニュ白!・・これもまた凄いです!3年以上前のフォンテーヌ=ガニャールの姿は全く有りません。上品ながらも濃密・・密度の高さは相当なものが有ります。これもまた完璧な美味しさを感じさせてくれました。
いや・・余り手放しで褒めてしまうと後が怖い・・(^^;; でも飲んでいただけましたら必ずやファンになってしまうと思いますよ。
因みに noisy がフォンテーヌ=ガニャールに取り組み始めたのが2015年ものから・・です。まだ半信半疑だったんですが、大昔の味わいとはだいぶ変わって来たのは判りました。そしてそれが確信に変わったのが2017年もの・・そして2018年ものからは、さらに高みを目指して猛突進している姿が見えています。2020年ものは、ある意味・・集大成と言えるんじゃないかと思っていますが、ハッキリ言うのは上級キュヴェが届いてからにさせていただきますね。
あ、さらに因みますと・・フィネスさんの担当のK君によりますと、フィネスの藤田社長がフォンテーヌ=ガニャールを凄い勢いで仕入れ始めたのは2013年ものからだったそうです。藤田社長には2018年~2020年のこの姿がきっと見えていたのでしょう。是非飲んでいただいて、ご確認いただきたい・・noisy的にはもう、完璧と言える3品です。お勧めします!
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2019年のフォンテーヌ=ガニャールをご紹介させていただきます。
いやはや・・2019年のフォンテーヌ=ガニャールは、過去最高の出来であることを確信しました。まぁ、そもそも
「2019年もののブルゴーニュは借金しても買うべき!」
であると思っています。それほどに凄い出来でした!
何せ・・希少で余り割り当ての無い「2019年クリオ=バタール=モンラッシェ」まで開ける羽目になってしまいまして、その余りの素晴らしさに放心状態になりました。その・・開ける羽目になってしまった理由は後で述べさせていただくとして、2019年ものフォンテーヌ=ガニャールの概要をお知らせいたします。
2019年フォンテーヌ=ガニャールの白は、今飲んでも滅茶苦茶美味しい・・完璧と思える凄い仕上がりです。最も飲めたアイテムはそう多くは有りませんが、下から上まで一通り飲ませていただき、
「グレートなヴィンテージの甘美なシャルドネの繊細さを積み上げた醍醐味!」
をご堪能いただけます。これ、本当に凄い・・数が無いので兎に角何でも良いので、誰が何点付けていようと飲むべきです!
2019年フォンテーヌ=ガニャールの赤も、過去最高の仕上がりで間違いありません。しかしながら・・残念ながら?・・今から飲んで美味しいキュヴェが多く無く、ほとんどのキュヴェが1~3年の熟成待ちになります。その代わり、熟した時には2019年のシャルドネ同様、ポテンシャルに花を開かせた甘美さに感動すること間違い無しです。
因みに赤で飲めるのは、
2019 パストゥグラン・・これ、エレガントで滅茶旨いです!
2019 ブルゴーニュ・ルージュ 到着時(2021年6月入荷)はパストゥグランほど開いていなかったものの、9カ月経過して美味しくなっているはず・・です。
2019 シャサーニュ=モンラッシェ1級レ・モルジョ エレガントさと複雑さが均衡、適度に開いてくれ、最高に旨いです。
以上です。これ以外は1~3年の熟成待ちです。
で・・ここからが重要なんですが・・そもそもただでさえ少なく、ヴィンテージ的にも希少な2019クリオ=バタール=モンラッシェまで開けることになってしまったのですが、その理由は、
「2019年クリオ=バタール=モンラッシェに92点!・・と言う信じられないほどの低い評価を海外メディアがしているため」
です。
発端は、まずは2019A.C.ブル・シャルドネが余りに美味しく、とてもA.C.ブル規格では有り得ない素晴らしい出来だったこと、2番目は同様にテイスティングしたシャサーニュ1級マルトロワ・ブランが素晴らしい出来だったのに、89点、90点と海外メディア2者が信じられない程低い評価をしていたことが判明した・・のが原因です。
「・・えっ?・・この素晴らしい仕上がりのワインに・・89点・・って、何考えてんの?」
と言うところから、バタール=モンラッシェやクリオ=バタール=モンラッシェを評価を見てみましたら、
2019 Domaine Fontaine-Gagnard Batard Montrachet
94 Points Vinous
93 points Bourghound.com
2019 Domaine Fontaine-Gagnard Criots-Batard-Montrachet
93 Points Bourhound.com
92 Points Vinous
そして、1級は・・
2019 Domaine Fontaine-Gagnard Chassagne-Montrachet 1er Cru Les Caillerets
93 points Vinous
91 Points Sweetspot / Outstanding Boughound.com
と言う具合なんですね。つまり、
「クリオ=バタールはシャサーニュ1級よりも評価が低い!バタールはシャサーニュ1級程度!」
と言う評価をした・・と言うことなんです。
なので、「・・そんな訳は無いだろう・・こんなに旨いんだから・・」と言う訳で、結局、虎の子の2019年クリオ=バタール=モンラッシェを開けて確かめることにした訳です。
結果・・クリオ=バタール・・・超絶に美味かったです!・・今飲んで96 、 ポテンシャル97+ 飲み頃予想 今~2045 とさせていただきました。まさに「甘露!」です!
本当に海外メディアって・・信用なりませんね。嘘ばっかりです。「どうせ飲まないんだからバレないだろう」と位にしか思ってないのでしょう。評価も価格もビックリするほど高い。バキバキのルフレーヴさんの硬いピュリニー系を若くして飲むより、数段旨いです。
まぁ・・本来ならこんなことは書きたく無かったんですが、この2019年フォンテーヌ=ガニャールの評価は余りに酷い・・。あのジャック=フレデリック・ミュニエが余りの評価の低さに呆れてミュジニーを仕舞い込んでしまった理由がここにあるのでしょう。
「君たちにちゃんとした評価が出来るのか?」
と、彼は問いたかったのでしょう。
希少なミュジニーを仕舞い込んで、ボトルを熟成させてからリリースすることにしましたが、それでもドメーヌでのテイスティングは毎年されていて、すでに海外メディアも評価をきっちり上げています。
「今までとはだいぶ違う・・高い評価を」
です。
ですので、noisy も出来る限りのテイスティングをさせていただき、正当な評価をお伝えしたい・・とそう思っています。
話は脱線してしまいましたが、
「2019年フォンテーヌ=ガニャールは過去最高!・・しかもシャルドネはトップ・クラスで今も飲めるしなやかさ!ピノ系はポテンシャルは過去最高・・だがすぐ飲んで良いアイテムと要熟成アイテムに分かれる!」
そう思ってください。・・いや・・クリオ=バタール..滅茶旨い・・し、1級マルトロワ白、リーズナブルで最高です!・・是非飲んでみて下さい。
■ ドメーヌによる2019年ヴィンテージの感想
2019年は年初は暖かかったので4月頭には芽吹きが始まったが、気温低下による霜のリスクは何度かあった。4月5日には気温が氷点下まで下がって霜が降りてしまったので1級モルジョの区画で大きな被害が出てしまった。幸運にもストーブを焚いた特級を含むいくつかの区画では被害は免れたが、4月はとてもストレスが多く疲れる月だった。開花期の天候も最良の状態で経過はせず、花ぶるいやミルランダージュが発生した。夏の間はずっと良い天気で気温も高く葡萄の成長は加速したが、雨がほとんど降らなかったので丘の上の区画では水不足のストレスもあった。収穫は9月10日から始めたが、ミルランダージュの影響で葡萄の房が小さくジュースの量が少ないので生産量は減少してしまっているが、葡萄の状態は素晴らしく凝縮されていたので、赤白ともにアロマ豊かで酸味のストラクチャーもしっかりとした素晴らしい味わいに仕上がっている。
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フォンテーヌ=ガニャールの2018年です。いや~・・輝きを増しています!・・凄いです。上昇気流に完全に乗ったと言って良いと思います。しかも、
「下のクラスから上まで、神経を行き届かせた見事な仕上がり!」
でした!・・もっともグラン・クリュ3兄弟まではテイスティング出来なかったので、全18アイテム中15アイテムのテイスティングにおいての判断になります。ご了承くださいませ。
どうでしょうか・・やはり、ガニャール・ドラグランジュとの合併が功を奏した一番の理由と言えるかと思います。エレガントだが希薄さがまだ見えた下のクラスも、充実した見事な味わいを見せています。そして、
「シャルドネのドメーヌだから・・仕方ないよね・・」
と、どこか、そのように想起させてしまうような部分も在ったかと思いますが、シャサーニュのピノ・ノワールの美味しさは別格になってきました。
こうなって来ますと、シャサーニュの巨人と言えばだれもが思い浮かべるのが、「ドメーヌ・ラモネ」では有りますが、トップ・キュヴェの「モンラッシェ」「バタール=モンラッシェ」は飲めていないので除外させていただきますが、それ以外のシャサーニュ1級、シャサーニュ村名の各赤白については、
「確実にラモネ超えした!」
と申し上げておきましょう。
クロ・デ・ミュレの繊細さが際立つ表情には鳥肌が立ってしまいます。良くご存じのはずのモルジョ・ブランの、気品溢れるアロマとオイリーなノーズ・テクスチュアには、いつまでも触れていたいとさえ思ってしまいます。・・いや、昨夜のマルトロワ・ブランも滅茶美味しくて・・・。赤もクロ・デ・シェヌの見事な完成度に感動させられましたし、パワフルなエネジーが漲るリュジアンも最高でした!
で、さぞかし海外メディアも2018年のフォンテーヌ=ガニャールには驚いているに違いないと踏んで、勇んで検索をかけてみましたところ・・・いや、駄目ですね~。権威主義で価格通りのポイント付けしかできない・・しかも以前のヴィンテージの自身が付けた評価さえ、余り覚えてはいないんじゃないかと思えるような、非常に安易なレヴューが多く、
「全体的に相当にブラッシュアップしたフォンテーヌ=ガニャールの姿に誰も気付いていない!」
と感じました。
まぁ・・ティム・アトキンさんのレヴューが多く見つかれば、少しは面白かったんですけどね。
ですので、グラン・クリュクラスは書けませんが、それ以外のキュヴェにつきましては、しっかり書かせていただきますので是非ご覧くださいませ。
2018年のフォンテーヌ=ガニャール、大いにお勧めさせていただきます!・・1級(を含む)以下は滅茶お買い得ですのでお見逃しなく!是非ご検討くださいませ。

このドメーヌは1985年に設立され、当主のリシャール フォンテーヌ氏はシャサーニュ モンラッシェ村の名家であるガニャール ドラグランジュ、ブラン ガニャールを一族に持ちます。所有する畑はシャサーニュ、ポマール、ヴォルネイ村に約10haで、コクがあり力強くてトロみのある白と、色調が濃く肉厚な赤を造っています。畑の土壌は基本的には粘土石灰質ですが、区画によって様々な特徴があり、それがワインのキャラクターに個性を与えています。葡萄の木の仕立てはギュイヨ式で、1株につき6~8房に制限します。
収穫は全て手摘みで除梗は100%、醗酵前に低温浸漬を行います。アルコール醗酵は白の場合は228Lの樫樽で、赤はコンクリートタンクで行います。温度調節には冷却パネルを使用し、白は最高15~26℃、赤は15~32℃で醗酵させます。ピジャージュ、ルモンタージュは1日2~3回でアルコール醗酵終盤はルモンタージュのみ行います。
熟成は白は約12ヵ月、赤は約18ヵ月でいずれも228Lの樫樽で行います。
このドメーヌではフランス中央のCHERという地方の樫の木を自ら購入し、庭で2年間乾燥させてから樽業者に製造してもらっています。新樽率はブルゴーニュとヴィラージュが20%、1級と特級が30%になります。