
激旨です!・・初めて飲まれた方はビックリされるんじゃないかと・・思います。この集中力は良く出来たモンラッシェにさえ届く・・いや、少なくともかなり接近する・・と思われます。その表情こそ微妙に異なりますが、密度と複雑性、果実表現の繊細さ、磨かれたかのようなミネラリティ・・そして完成度の高さが感じられます。
面白いので是非・・2020年ものの写真と比較してみてください。2020年ものも今までにない集中度、濃密さを見せて非常に美味しかったですが、すみません・・ちょっと比較にならないほど違うかもしれません。
2021年ものはもう・・その絵の中に「凄み」を湛えているように・・見えないでしょうか?・・存在感と言っても良いかもしれません。
アロマを嗅いだ時の・・何と表現したらよいのか・・口内に入って来た時もそう・・存在感の凄みと言うべきでしょうか。多くの量を飲み干すと言うよりも、少量を愛でながらゆっくりゆっくりと味わう・・そんなスタンスを要求されているように感じられるかもしれません。
これはもう、ジュラのサヴァニャンならではの「味わい深さ」かと思うんですね。もしブルゴーニュ・シャルドネで同じようなニュアンスに仕上げるとするなら、ごく一部の極上の畑が由来でなければならないと思わせます。

余りの濃密さゆえか、もしくは酸膜由来か・・もしくは、
「ヴィンテージ由来の部分が大きいか?」
・・その辺りは判断しかねますが、ドメーヌによりますと、
「通常年の75パーセント減。サヴァニャンは1キュヴェに混ぜるしかなかった。」
とのことですので、最高に仕上がった葡萄さえもこの「2021サヴァニャン・ウイエ」に入っている訳です。
ですから、「ヴィンテージ由来の美味しさ」も50パーセントほどはあるんじゃないでしょうか。2021年サヴァニャン・ウイエは、
「奇跡のヴィンテージ!」
と言えるのかもしれません。
繰り返しになりますが、収量を落とす結果になったので密度は高くなり、ウイヤージュをそれなりにやったとは言え、ほんの僅かには酸膜が動いた形跡が見受けられ、本来は上級キュヴェに使用される葡萄さえも一つのキュヴェに仕立てざるを得なかった・・これだけでも、
「奇跡のワイン!」
だと想像できるはずです。是非飲んで・・驚いてください。そしてジュラと言う凄い生産地とサヴァニャンと言う凄い葡萄、認識していただけましたら幸いです。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ピュアでナチュラルなサヴァニャンの純粋な魅力を引き出したサヴァニャン・ウイエ2020!・・濃密な色合いからもそのポテンシャルが伝わって来るでしょう!】

こちらも少量、果皮浸漬を行った上で補酒(ウイヤージュ)をしたキュヴェです。「サヴァニャン」の方はウイヤージュは回避していますので、こちらの「ウイエ」の方がよりピュアです。なので、
「予想していないニュアンスにいきなり出会うのは・・ちょっと怖いかも・・」
と思われる方は、「サヴァニャン」では無く「サヴァニャン・ウイエ」の方をご選択ください。
でもこちらも果皮浸漬していますからその色合いが出ていますよね?2019年ものが子供のように純粋な色合いに見えてしまうほどじゃないか・・と思います。そもそもシャルドネは、
「純粋無垢で何にでも染まりやすい」
感じがするかと思うんですが、サヴァニャンは・・
「・・私はサヴァニャン!」
としっかり主張してくると思うんですね。そしてそれがまた近年、日本人にも非常に受けている・・と言うのが面白いなぁと感じています。

2019年ものよりもハッキリ言って濃密です。ウイヤージュをしていない「サヴァニャン」には追いつきませんが、それにしても重厚で複雑・・です。そして何より・・
「何故かそこに(ギョーム・)ダンジェルヴィーユが!」
と言う気になってしまうんですよね。
サヴァニャンと言う、ある種、シャルドネとは全く違う強い個性を持った品種、そしてアルボワと言う土壌、気候を強く感じるワインなのに・・何故か「気品」も備わっているんですね・・なので、そこに・・
「あ、ギョームさん・・いらっしゃったんですね。」
と・・(^^;
フレッシュ系の果実柑橘、そして熟した果実柑橘・・甘みさえ持つその果実を、
「昇華されたエキスから薫り高く放出されている!」
のが判ると思います。
数日掛けて楽しませていただきましたが、ま~・・へたらないです。シャルドネも美味しいですが・・サヴァニャン、是非挑戦してみてください。産膜酵母は動いてませんから、その分は「綺麗でピュア」(・・・)です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャン!・・サヴァニャンこそ、新たな白葡萄の代表選手になるでしょう!・・非常に官能的な2019年ものです!】
すみません、2018年ものは飲めていませんで・・お詫び申し上げます。でも、2019年ものはしっかりテイスティングさせていただきました!
他のコラムでも書いていますが、とにかく2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンは凄いです!そして白のエロさが半端無い訳です!そしてサヴァニャンが滅茶旨い訳です・・ある種の温かみを感じる空気感、その地に根付いた細菌・・いや酵母による実に複雑な味わいがする訳ですね。
ですが、決して「産膜酵母」は動かしていない訳です。そんな意味では・・2018年ものも2019年ものも同じだと思われます。
「産膜酵母が動いていないサヴァニャンは複雑では無い?」
そう問われますと・・中々に微妙では有ります。シャトー・シャロンクラスの凄いサヴァニャンは、やはり産膜酵母の働きを必要とする訳ですね。ウイヤージュ、補酒をしないことにより、そのサヴァニャンの潜在能力を凝縮て高め、熟成させるわけです。
将来的にダンジェルヴィーユがそんなワインを造らないとも限りませんが、現在はそんな雰囲気は「ゼロ」です。ピュアなのに滅茶複雑性が高いんです。
2018年ものはおそらく・・それ以前のラインを踏襲しているはずですので、「ピュアで複雑、ストレートなサヴァニャンの美味しさ」を見せてくれるはずです。ですが・・2019年ものは実にエロティックです。酸膜を動かしたサヴァニャンもそんなニュアンスを含みますが、むしろ2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、もっと官能的なエロティシズムを感じさせてくれます。
素直に果実のピュアな美味しさを見せる(に違いない)2018年ものと、そこにエロティックさを大盛にした2019年・・しかも密度が素晴らしく高いです。これは是非飲んでいただきたい・・勿論、上級キュヴェのサヴァニャンはもっと素晴らしいんですが・・是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【とてもナチュラル!でも酸化・産膜酵母の動いた痕跡の無いピュアでポテンシャル高いサヴァニャンです!】
このところ、非常にグイグイ品質を上げているダンジェルヴィーユです。noisy も実はしこたま仕入れているんですが、
「・・・レヴューを書く時間が取れない」
ので完成度が低く、まだご紹介していないアイテムがズラリ・・と並んだ状態です。
「何とかせんといかんぞ・・」
と思いつつも、日々の諸業務、毎週の新着のレヴュー作成、サーバー環境の更新、業務ソフトの開発、エージェントさんとの楽しい会話・・などでどんどん時間が削られてしまいます。ましてや某運送会社さんの度重なる変更による業務ソフトの書き直しとか送料アップの交渉後事とか・・いらぬ気遣いやら、本来はやらなくても良い仕事がどんどん積み重なり、気付けばいつも、
「いつの間にか翌日になっている」
ものですから、出荷のご案内なども皆さんもご存知のように、物凄く遅い時間になって送るようになることさえ有ります。
さらには2、5、8、11月のリアルのテイスティングも有りますから、その月は常に臨戦態勢・・自分でも何をやっているのか分からなくなることも・・いや、それはオーバーですが、予定がきっちり詰まっちゃってることが多いんですね・・。
・・と取り敢えず言訳を咬ましたところでこの「ドメーヌ・ペリカン」のサヴァニャン2015年です。
若いうちは硬くてテクスチュアがイマイチだった2000年台のダンジェルヴィーユもこの2010年台はビックリするほどのしなやかさ、ピュアさを見せてくれています。このサヴァニャンは、
「産膜酵母由来のアロマは全く無い!」
非常にナチュラルで美しいサヴァニャンです。すでに赤ワインご紹介済ですから、飲まれた方はその美しく伸びやかなアロマとテクスチュアに驚かれたことでしょう。ドメーヌ・ペリカンではこの酸膜由来のアロマを出さないようにしているそうです。
以前、noisy のところでも、非常にポテンシャルの高い、僅かに酸膜由来の薫りのするサヴァニャンをnoisy もビックリするほどご購入いただきました。飲まれた方は、そのポテンシャルに驚き、数本、12本と言う単位でご購入されたものですから、結果とんでもない・・驚くべき数量になったんですね。
しかしその一方では、やはり酸膜由来のアロマが受けつけられない・・もしくは、傷んでいると感じられる方もいらしたようです。最終的にはご理解いただき、新たな世界を発見できたとおっしゃられた方がほとんどでしたが、声に出さない方もおられるでしょうから・・そこは難しい部分でも有ります。
さすがにそこまでのポテンシャルは・・このサヴァニャンには無いと断言できます。そりゃぁそうです・・産膜酵母由来だからこそ、その複雑精緻なとんでもポテンシャルが生まれる訳ですから。
しかしながら、酸膜を動かさず、ピュアな味わいをナチュラルさを失わずに造ったサヴァニャンだとするなら、これもまた素晴らしい味わいだと言えます。
とてもマッタリしていて艶やかで、中域低域の膨らみから、超高域までの細やかなアロマまで、素晴らしい表現をしています。果実も白から黄色、そして赤味を帯びたものまで多彩です。ほんのりオイリーで、やや黄色を感じる石灰系ミネラリティを多く含んだ余韻から、また果実の還りが有ります。
素晴らしいサヴァニャンだと思います。特に「酸膜由来の香りが苦手な方」には、やや赤みの有る粘っこいシャルドネ・・?みたいなイメージで美味しく楽しめるはず・・などと感じています。ぜひペリカンのサヴァニャン、挑戦してみてください。美味しいです!