【激旨!・・ダンジェルヴィーユらしい・・「貴族の余裕」?・・みたいなゆとりと気品にしっかり濃度が出た、実に旨いピノ・ノワールです!】---すみません、こちらも激少で飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

まぁ・・ハッキリ言ってしまえば、2007年頃までのダンジェルヴィーユには余り魅力を感じていませんでした・・いや、いろんな意味ですみません・・まぁ、だから扱って無かった訳でも有ります。
ですが2008年頃からだったと記憶していますが、
「・・あれ?・・変わった・・よなぁ・・?」
と、明らかに上質な味わいになった瞬間があり、そこからはダンジェルヴィーユの大進撃が始まる訳なんですよね。そしてそれがヴォルネイ復活の狼煙ともなったんじゃないかとも思っています。
で、いまさらこのクロ・サン=ローランのテクニカルを読み返してみますと、
「櫂入れはせずに液循環」
って書いて有りますよね・・
そう・・これって、ある意味では「エマニュエル・ルジェ」と一緒なんですね。まぁ、ルジェは櫂入れは絶対にしない・・と言うことでは無いと思いますが、液循環が好きです。言ってみれば、
「以前のダンジェルヴィーユは抽出感がやや強く、その性でエレガンスが削がれ、平板になっていた」
とも言えるかもしれません。1990年代の強い抽出が求められた・・その幻影を追ってしまうことを続けていたのかもしれません。

テクスチュアは柔らかく、色合いは適度に濃いが、味わいが濃すぎるなどとは思えないエレガンス最優先の味わいです。
ドライだがふっくらと丸く優しく、なめらかでふんわりとしつつ、気品を感じる見事なアロマ、味わいで、
「クロ・サン=ローランこそデュ・ペリカンのルージュのトップ・キュヴェ!」
と言いたくなります。・・まぁ、前年のクロ・サン=ローランにもクロ・デ・デュックを持ちだしていますから、ちゃんとイメージは続いている・・そういう事なんでしょうね。素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【イメージはクロ・デ・デュック?・・横にも縦にも見事な膨らみと果実の充実さを見せる素晴らしいピノ・ノワールです!】
noisy のところには2019年ものが初のお目見えですが、実際には2018年ものからアルボワ・ピノ・ノワールから独立、リリースされている「クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール」です。
ドメーヌ・デュ・ペリカンの赤のトップ・キュヴェは激繊細な「プールサール」と思われますが、やはりこのピノ・ノワールによるクロ・サン=ローランは品種的に馴染みがある分でしょうか、また充実した果実のニュアンス、膨らみからでしょうか、実に美味しく感じられます。
やや黒みを帯びた中くらいのルビーは、輝きを見せつけ、やや官能的にも香ります。ふくよかなテクスチュアはダンジェルヴィーユのヴォルネイにも通じるようなニュアンスで・・いや、有る部分は「クロ・デ・デュック的」にも感じられてしまうのは、もしかしたら「贔屓目」によるものかもしれない・・とはしても、全くそれは感じられ無いとは言い切れないと感じました。
価格的にはダンジェルヴィーユの村名ヴォルネイの2/3ほどにも満たないですが、これは相当旨いですよ。そしてやはり「ダンジェルヴィーユ」を凄く感じさせてくれるキュヴェでも有ります。
そもそも2018年ものまでは、
「ダンジェルヴィーユが始めたアルボワ・プロジェクト」
では有っても、そこにダンジェルヴィーユの存在をワインから強く感じることは無かった・・と言えます(・・言いすぎでしたらすみません・・)。
ですが、2019年もののドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、アルボワ、サヴォワの土地のポテンシャル、土地の味わいに加え、ダンジェルヴィーユのワインが持つ高貴な風情をしっかりと感じられます。
そしてこのクロ・サン=ローランは、将来的には、ドメーヌ・デュ・ペリカンの看板として伸びて行くような・・そんな見事な風貌を味わいから想像出来てしまうニュアンスなんですね。
勿論ですが、今現状が最高の到達点だとは言えません。しかしながら、すでに大物感がビシバシ伝わって来る見事さを持ち合わせていますので、今でも充分楽しむことが可能でしょう。実際には3年後からが良い状態に入り、さらにはそこから5年後、ベストな状態になると思います。是非飲んでみて下さい。本性を見せ始めたドメーヌ・デュ・ペリカンのピノ・ノワール、トップ・キュヴェです。お勧めします!