
懐かしい味、大和煮です。Wikipedia によりますと、「砂糖・醤油や生姜などの香辛料で濃く味付けをした煮物」で明治の初期に登場した比較的新しい食べ方だとのことです。
まぁ・・昭和の戦後生まれ・・しかも戦争が終わってから干支が一巡してちょっと経ってから生まれた・・回りくどいですが・・noisy たちのこども時代は、缶詰や大和煮などと言うもんは高級品で、滅多に口に出来ないものでした。
何しろ・・肉なんてさして食べさせてもらったことが無い。ようやく小学校に上がる頃に豚肉や鶏肉が生鮮で出回るようになったように記憶していますが、それまでは魚肉ソーセージや周りが異常に赤いハムが良いところ・・でした。
牛の大和煮なんて缶詰が有りましたが、やはり高級品で・・でもそのまま食べても子供ながらに・・
「何だかな~・・」
な印象だったように覚えています。まだ野崎のコンビーフにマヨネーズを掛けて食べる方が美味しかったかと。・・いや、貧しい少年時代を思い出しちゃいました。
まぁ、こちらも「大和煮」ですから、良くも悪くも、
「ある程度の個性を無くす」
料理法では有ると思うんですね。
現在は「トド」とか「鹿」とかも出回っているようですが、その臭みを無くすための料理法でも有ります。
こちらはマグロの尾の肉でして、常に動かしている部分ですから比較的「硬い」部位で、でも味わいはしっかり有る部分です。牛で言えば「すね肉」みたいな感じでしょうか。
まぁ、ここは普通は最初に切り落とされ、放っておかれる残念な部位でも有りますが、何とか美味しく食べられないかと言うことで開発されたのでしょう。
noisy は温めていただきましたが、やはりなんとも懐かしい感じに包まれました。やや硬めながら、かみしめるほどに旨みが湧いてきます。
卵で閉じてごはんに掛けて食べるとさらに良いかな~・・などと感じました。

温めると写真のセラチン質が溶けて旨みが拡がります。その溶けたゼラチンを卵で包む感じですね。肉は結構に味わいが有るので、ある程度ほぐし気味にした方が良いかもしれません。
また、味付けはけっこうしっかりしていますから、調理される場合は塩分は控えて、最後に調整する程度が良いかな・・と思います。
とても懐かしい味わいでした。
「昭和は遠くになりにけり」
感傷的な気持ちになるかもしれませんが・・この飽食の時代、まだとても安かった子供時代のマグロを思いつつ、一貫数千円の本マグロの大トロを想像しつつ、ガーリックと鷹の爪と胡椒と、お気に入りのオリーブオイルで炒めたこのマグロの尾肉をつまむのも一興かと思います。ご検討くださいませ。