
皆さんが持たれているランゲのネッビオーロに対するイメージはどのようなものでしょうか。人それぞれですから様々な印象が有ると思われますが、例えば、
「タンニンが多い(場合が多い・・)から渋い」
「濃いめで重厚」
「単一品種だから若干なりともピノ・ノワールとも重なるけれどそこにタンニンとやや高めのアルコール分を感じる」
「バローロとかバルバレスコにならなかった(名乗れなかったネッビオーロ?」
などなど・・でしょうか。
まぁ、ネッビオーロの場合は「種子」が大きいので、そのまま醸すとどうしてもタンニンが出易いですね。なので、その種子をどう扱うか・・で、結構違ってくると思います。
昨今は技術の進歩で、種を潰さずに赤ワインの醸造が可能になってきましたから、その場合は、基本、
「重厚で果実味もたっぷり」
な味わいになります。
でも種を潰した場合はどうなるかと言うと、種からのタンニンが多くなりますから、
「多くのタンニンをそのまま抽出して重厚な味わいに持って行くもの」
と、
「余りタンニンを出さないようにやや軽めの伸びやかな味わいに持って行くもの」
が考えられますよね。
前者はバローロだったりバルバレスコだったり、もしくはランゲのネッビオーロでも昔からの造りを踏襲しているタイプはそうだったりします。
このランゲ・ネッビオーロはおそらく後者で有って、思いっきりタンニンを抽出はしないようにしているものの、それなりのタンニンは存在するものです。
色合いは決して濃く無く、「軽く圧搾」することでそんなタイプに仕上げていると思われますから、鈍重にならず、しかもビオ系の造りでとてもナチュラル、軽やかで伸びやか、タンニンの質も滑らかで透明感のあるものに仕上がっています。
ある程度以上タンニンを抽出してしまうと、渋いですし、飲めるようになるまで時間も掛かっちゃいますが、こちらはそんな心配もないですね。抜栓して5~10分も経過すると、ボディがかなり膨張してくる感じになります。膨らんできて「ふわっ」と風船のように浮かぶようなイメージですね。とても伸びやかなんです。
果実感もエキスからのベリーやプラムの心地良いもの、決して甘くは無く、しかし質の良いタンニンのお陰で甘やかに感じられます。価格もリーズナブルですし、暑い季節にも重くないのでピッタリでしょう。
とても外交的な、ピュア感まで感じる素晴らしいネッビオーロでした。基本、ネッビオーロと言うのは余り色は濃く無いんですね。濃いタイプも有りますが、それは頑張って抽出しているんです。その時にタンニンを過剰に抽出しないようにしてるんですね・・。
ビオ系ですがビオ臭さは無いです。素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!