
南仏のフォジェールAOCです。ムールヴェードル主体ですね。大量に出来てしまう葡萄をコントロールしつつビオで栽培した高級ワインです。
まぁ、noisy のお客様はブルゴーニュ好きが多いですから、余り暑苦しさの目立つワインは元より、エレガントでは無いワインは中々売れません。・・なんででしょうかね・・(^^;;
例えば、造り手紹介欄の写真を見ていただくと判るかと思いますが、このような急峻な斜面の、しかもかなり高度の高い位置の畑からの写真です。
それに加え、カトリーヌさんは斜めですし建物の左側が下がっていますから、写真で見えるよりもより斜面は急だと言うことが判ります。畑は雑草が枯れた秋~冬にかけてのものと思います・・違うかな?・・でも枝がまだ伸びていて、葡萄の葉っぱが無いので・・。
このような斜面の畑で、ヘクタール辺り20ヘクトリットルしか収穫出来ない(しない)と言うことになり、しかもそれはエレガンスを生かしたものですから、遅熟などはさせない、適度な熟度の健康な葡萄を収穫することに賭けているんだろうと想像できます。
左の写真もまったく色味や明るさの調整をしていませんが、美味しいと思えるワインはほぼ間違い無く、なんの調整をせずとも綺麗に映る場合が多いです。それは特に赤ワインに顕著かな・・と思いますが、稀に素晴らしいワインでも、グラスの横に置くボトルの性でしょうか、真っ白だったり、真っ黒だったり、単色だったりすると、上手く行かない時も有ります。こちらは白いエチケットですが、一面的でない、見事なグラデュエーションで撮れました。
2015年と若いですが、今飲んでもとても良いバランスです。時にこの辺りのワインはスパイスがきつかったり、甘かったり、疲れるほど濃かったりします。しかし、この色合いから言っても、「それはきっと無いな」と言うことは判るんじゃないかと思うんですね。
ピュアなチェリー、ワイルド・チェリーがややビターに感じられる果実味に、透明感の高い、比較シンプルな・・いやブルゴーニュ的な石灰系ミネラリティがふんだんに感じられます。ボディは中庸で適度に膨れていて、終盤がややタイトですから・・・普通ならこの辺りのワインは後口からがボリューミーなんですが、綺麗な収束を見せてくれる中調子です。
おそらく2年ほどしますと、ムールヴェードル主体ですから、ワイルドさ、獣っぽさが出て来て、ちょっとコート=ロティ風なニュアンスがトッピングされるんじゃないかな?・・と思います。
現状は他のコラムでご紹介させていただいているカトリーヌ・ロックさんのピノ・ノワールを僅かにふくよかにしたようなニュアンスです。とても良いバランスだと思います。
巷で騒がれているのが判る美味しいフォジェールでした。是非飲んでみてください!お勧めします!