
おそらくです初めてのご案内になると思います、平孝酒造さんの「弥助」です。
平孝酒造さんは文久元年と言いますから幕末頃ですね。盛岡にある「菊の司」さんから分かれて創業されたと聞いています。歴史の長い蔵です。
やはり先だっての東北大震災で被災されかなりの被害を出されましたが、それでも残った醪(発酵中の酒)から出来たお酒のことは話題になりました。
また、石巻と言う土地柄も有り、やはり「魚」だよね~・・と言うことで、如何にワインファンでワインしか飲まんぞ~・・と決めていても、「貝」とか「お寿司」に良く合う日本酒が欲しいな~・・と言うシュチュエーションは有りますよね。
そんな時はこの「弥助」が良いですよ。「味吟醸タイプ」で通常の「吟醸」のように吟醸の香りの強いタイプでは無いんですね。なので、如何に新鮮だとは言っても、獲れた傍から食す訳じゃありませんから、魚貝には腐敗臭が付きものです。
特に高級なシャルドネなどの白ワインを魚介・寿司に合わせるとなると、これは至難の技になります。もっとも、そこまで繊細な「お鼻の感覚」を持ち合わせて無いと豪語される方には無用かもしれませんが、ほんのわずかな腐敗臭に、それまで、
「・・おっ!旨そう!」
と期待して食事に臨んだ魚介まで、
「(・・・)」
となってしまう可能性も否定できません。
味筋としましては、しっかりと濃厚、しかし全く残糖感無し、上立香無し・もしくは極少、厚み有り、余韻長し・キレ良しです。
ちょっと「四季桜」の火入れにも似たニュアンスでは有りますが、ほんの少しだけゴツイかな・・男っぽいかな?と言うような感じでしょうか?
この吟醸香を抑えた深めの味わいが、良い加減に絞まった魚介をさらに美味しくしてくれるでしょうし、酢飯に合うと思います。
お燗をされるのでしたら「ぬる燗」が良いです。熱くしちゃうと「激辛」でキビシイですのでご注意ください。
お酒の名前も、古代の東北地方に存在したかもしれない「日高見国」から拝借したものでしょう。北上川(きたかみがわ)と言うのは日高見国から来ている・・と言うような話しも有りますし、神社の祝詞で・・良く判りませんが、
「日高見国を安国と定め奉りて~」
みたいなのをテレビかなにかで見たことが有ります。
生では有りませんので保存は冷蔵庫でなくても大丈夫かと思いますが、noisy のところでは冷蔵保存ですから、温かい所に出しておくとラベルがふにゃふにゃになるかもしれませんのでご注意くださいね。お勧めします。本格派の男酒、魚酒です!