
まぁ、この「アナ」も入荷が500本程度しかありませんから、取り合いになってしまうのは仕方が無い訳ですが、noisy のところへはようやく少しまとまった数が入って来ました。
今回、白で一番数が有るのが「アナ」でしたので、早速テイスティングさせていただきました。
・・・さぁ、この色合いです。・・どう読みますか?
まるで貴腐ワインのように濃密なゴールドです。それがやや黒味を帯びているように見えるかと思います(皆さんご使用のモニターによる違いは結構有りますのでご注意くださいね。)
アロマはま~・・超特急並みのスピードで、非常に香ります。まず、支配的なのは、嫌らしくない程度の酸化の香りです。この酸化は普通に酸素が取り込まれた時のもので、揮発酸系のものは一切在りません。アヴァンギャルド系と言えない部分はここに有ります。noisy的には非常に好ましいものです。
グラスを振り、さらに空気と混ぜ合わせてみると・・・いや~・・良いですね!・・ピュアなアロマが漏れて来ます。色から想像できる通り、非常に濃密です。そして「蜜」っぽいニュアンスも多分に有ります。
果実は黄色を主体にやや白っぽいもの、やや赤く色づいたもの等多彩です。ボディも締まっていて、しかも高級シャルドネのように中域に重心が有り、全域に伸びて行きます。円形、もしくは球体です。膨らみますし、余韻も長い・・・そしてまた、グラスの上からよりも口内からノーズにピュアな果実感が流れ込んで来ます。
ま~・・受けるのも判りますね。醸造時、それも初期にSo2を使わない造りとしますと、「理想的」です。
しかしながら、ブルゴーニュの高級シャルドネに慣れた方にとっては、
「酸化のニュアンスの裏側に存在する見事にピュアな果実感」
などと言われたところで、
「・・・酸化してたら駄目だろ!」
と言うことになってしまいますよね。
なので、そのような方には絶対お勧めはしません。
しかしながら、そのようなSo2をしっかり使った若い白ワインには、絶対存在しえない・・
「心底ピュアな果実」
が有るのも事実なんです。
じゃぁ、どっちが本物なのか?・・と問われたら・・・それは難しい答えになりますよね。
ヴァルテル・ムレチニックの答えはイージーです。それはもう・・お判りでしょう。
しかし、その答えはそれぞれの飲み手によって違うでしょう。それで良いと思います。あなたが美味しいと思ったものは、世の中全ての人が美味しいと思う訳が無いんです。だからこそのワインの楽しさでも有ります。
しかし本質となると、薬品に頼ったワインが正しいのか?・・と言うことにもなりますから、堂々巡りと言うか、本質論では答えが出ている・・と言うか、でもその本質論は、いつの間にか醸造における不作為や間違いを許容することに置き換えられがちなんです。
この素晴らしくピュアな果実に出会いたいか、もしくは、ずっと一緒にいたいと思うか・・決めるのはやはり飲み手であるあなただと思います。
noisy は、このようなワインは大好きです。酢酸や揮発酸に汚されたワインは好きでは有りません。でも、このような「ナチュラルだけれど非常にピュア」な白ワインは、大いにお勧めしたいところです。
良くお考えになられてご購入いただければと思います。酸化のニュアンスは非常に軽い部類・・超軽い部類です。よろしくお願いいたします。
なお、他のキュヴェは非常に少ないので、限定しているキュヴェも有ります。noisy も、とても飲める状況では有りません。ご検討くださいませ。